「こんな方たち、本当にいるんだ」――土岐市役所・入庁5か月。不安がひとつずつほどけた日々

土岐市役所

2026/09/24

「こんな方たち、本当にいるんだなって」

笑顔でそう振り返るのは、土岐市役所市民活動課で働く入庁1年目の上原さん。

 

大学を卒業し、令和8年4月に入庁。入庁前にもっとも不安だったのは、親世代にもあたる職員の方々と良好な関係を築いていけるかという、人間関係のことでした。

 

今回は、入庁を控えている方や進路に迷っている方に向けて、入庁からの5か月間で不安がほどけていった過程と、実際に働いてみて分かった土岐市役所の職場環境について、たっぷりとお話を伺いました。

 


「やりたいことは、なかった」市役所を選んだ3つの理由

ーまず、公務員を志望するまでのお話から伺えますか。大学時代はいかがでしたか。

上原:やりたいことが全くなくって、民間企業にするのかも含めて、結構ギリギリまで悩んでいました。

 

ーそこから公務員を選ばれたのには、どのような理由があったのでしょう。

上原:3つあって、1つ目は自分の体調です。頑張りすぎて体調を崩してしまうことがあって、学生のときも土日は疲れすぎて家でずっと寝てしまうことがあったんです。社会人になってもこれでは本末転倒だなと思って、自分の心の健康を大事にしたいと考えて決めました。

 

ー「心の健康」は、働き続けるうえで非常に大切ですね。2つ目と3つ目はいかがですか。

上原:2つ目は通勤時間です。大学は実家から片道1時間かかっていたので、働くなら近いほうが家の時間が取れるなと思いました。3つ目は、大学生のときに祖父が亡くなったことがきっかけです。親や祖母が、気持ち的にもつらい中で市役所の手続きに追われていて。もし私が市役所に入ってそういう事務を覚えることができたら、家族や周りの人がつらい状況にあるときに、少しでも助けられるんじゃないかなと考えました。

内定から入庁までの半年間、どう過ごし何を準備した?

ー内定から入庁までの間に、職員の方と接する機会はありましたか。

上原:11月ごろに、今の同期と人事課の方とお話しする機会がありました。その一環で入庁4〜5年目の先輩職員の方が2人ほど来てくださって、1日のスケジュールや休日の過ごし方を聞かせてくださって。年齢の近い方が話してくださった分、不安が取り除かれました。そのあとは、2月に健康診断、3月に書類提出で同期が集まる機会がありました。

 

ー入庁までの期間に、準備しておいたほうがよいと思うことはありますか。

上原:正直ないと思います。課によって仕事の内容が全然違うので、異動するごとに0からのスタートになりますし、置かれた場所で頑張れば皆さんが支えてくださいます。むしろ卒業論文を頑張って、卒業旅行に行って、いっぱい遊んでくださいって言いたいです!

人権、空き家バンク、婚活イベント。係の名前からは想像もつかない5か月

ー現在、担当されているお仕事を教えてください。

上原:市民活動課の人権男女共同参画係です。人権の啓発と、男女共同参画では各学校で講演会を開いています。多文化共生では、簡単な日本語で外国の方と接してすれ違いを減らす、やさしい日本語講座を大学の先生にお願いして開いてもらっています。ただ、係の名前とは全く想像がつかないような仕事もやっています。

 

ー他にも、意外な業務内容があるのでしょうか。

上原:移住定住も担当していて、その中に空き家バンクがあります。市内に空き家をお持ちの方に登録していただいて、不動産会社さんにおつなぎする業務です。東京と大阪と名古屋の移住フェアにも参加予定です。あとは出生率向上の会議を他の課の方にも入っていただいて開いていて、今年はその中で土岐市のInstagramコンテストを実施中です。他にも、結婚支援では婚活イベントの企画で打ち合わせもしています。

 

ー非常に多岐にわたる事業ですね。窓口・調整業務と事務作業の割合はどのくらいですか。

上原:半々ですね。空き家バンクは窓口が多く、学校との連絡調整もあります。多文化共生や空き家バンクでは、補助金の交付申請の手続きもあります。

 

ー配属を知らされたときは、どう感じましたか。

上原:3月に市民活動課ですと言われたときは、私は土岐市民なのに聞いたことがなくて。はてなマークのまま入庁しました。すべてが一からで、例えば市役所で何かを決めるときは起案という書類を書いて決裁を回すんですけど、そのやり方すら分かりませんでした。分からないところは係長や課長補佐の方に聞いて、1つずつメモ帳に整理していきました。今いちばん難しいのは会計事務です。補助金の支払いや会計年度任用職員の方のお給料の事務が毎月あって、ルールもいっぱいあるんです。今でも間違えちゃうんですけど、なんとかやってきています。

4月の時点で「やっていける」。最大の不安だった人間関係がほどけるまで

ー内定を承諾されてから入庁までの間、不安だったことを教えてください。

上原:人間関係がいちばん不安でした。年齢のこともありますし、ニュースでハラスメントやZ世代の話を目にするので、気を使われすぎて変な距離感になるのではないか、あるいは逆に厳しすぎたらどうしよう、といった不安がありました。

 

ー年の離れた方々と一緒に働くという環境は、入庁前だとなかなか想像がつきにくいですよね。実際に入ってみていかがでしたか。

上原:入庁した日から、すごく優しくしていただいて。初日に「下の名前で呼んでいい?」と声をかけてくださったり、別の係の方もすごく優しかったり。同じフロアで、お名前を存じ上げない方からも「最近どう?」「慣れてきた?」と話しかけてくださって、本当に嬉しい限りでした。仕事内容はまだ分からなくて不安でしたけど、人間関係の部分は4月の時点でやっていけるかなって思いました。

 

ー課長や部長といった役職者の方々に対して、身構えてしまうようなことはありませんでしたか。

上原:私も最初はかなり身構えていました。でも課長も課長補佐の方も本当に優しくて、困ったときには助けてくれますし、非常に頼りになります。課長は話し方がほんわかしていて、ちゃんと引っ張ってくれるのに伝え方はすごく優しくて、癒やしのような存在です。

 

ー入庁してから、特に驚いたことがあれば教えてください。

上原:課の中で会議があったときです。4月5月ってほとんど何も分からないじゃないですか。そんな私にもしっかり意見を振ってくださって、「上原さんはどう思う?」と聞いてくださるんです。自分で書いた書類を見せに行ったときも、「私はこう思うんだけど、上原さんはどう思う?」と。こうしてって指示するんじゃなくて、私の意見も聞いて、尊重してくれる。もちろん間違っているときには、しっかりサポートしてくださいます。本当に理想の上司の方たちで。「こんな方たち、本当にいるんだ」って、びっくりしました。

 

ー分からないことがあった際は、ご自身から積極的に聞きに行かれるのですか。

上原:それが、定時を過ぎても分からないことをやっていると、私の係の人だけじゃなくて、課長補佐の方や別の係の人が「どうした?」「帰れる?」と聞いてくださるんです。普通は私が聞きに行かなきゃいけないのに、わざわざパソコンのところまで来て教えてくださって。

 

ー新人職員を支える仕組みについても教えていただけますか。

上原:1年目にはメンターが付きます。自分の課の中から1人と、所属外から1人です。所属内のメンターは基本的に自分の係ではない係の人が付くので、仕事内容が違う部分の話も聞いてくださいます。入庁したばかりのときは別の係の人と話す機会がないのかなと思っていたんですけど、そんなことはなくて。2人のメンターと私で受ける先輩後輩合同研修もあって、仕事以外の話も聞けるので、気付きも多くありました。

5時45分の帰宅。入庁5か月で築いた、働く環境という土台

ー就職活動で大切にされていた「休みの日も充実して過ごせること」は、実現できていますか。

上原:結論から言うと、安定しています。定時が5時15分なんですけど、5時半には大体帰れて、残業はほとんどしたことがありません。係長が「もう帰ろう」と言ってくださいますし、課長が率先して早く帰ってくださるので、帰りやすい雰囲気です。家までは車で10分〜15分ぐらいなので、普段は5時45分には家に着きます。平日も自由時間が結構あります。

 

ー休暇の取りやすさについてはいかがですか。

上原:学生時代といちばん違うと思ったのは、年次有給休暇があることです。1年目から20日いただけて、最大40日は取れるので、1か月に何日か休まれている先輩もいます。例えば、疲れたときに平日休ませてもらうと本当にリフレッシュできて、次の週からまた切り替えられる。私は金曜日に取得して、3連休にしたりもします。年休とは別に夏休みも4日間あって、いつ取ってもいいという感じなので、嬉しかったところです。

 

ー民間企業や他の自治体へ進まれたご友人と話すなかで、土岐市役所の「ここが好きだ」と感じる部分はありますか。

上原:職場環境です。まず、庁舎が非常にきれいで、市民の方からホテルみたいだと言っていただきます。トイレもデスクもきれいで、開放感があって。入ってみて思ったのは、職場環境には設備と周りの人たちの2つが大きくあって、その両方に恵まれているということでした。

ー同期の方は、やはり土岐市のご出身が多いのでしょうか。

上原:それが、私、びっくりしたんですけど、同期5人のうち土岐市出身は私だけだったんです。恵那から引っ越して一人暮らしをしている子もいますし、愛知県から電車で1時間半かけて通っている子もいます。土岐市じゃないところから見てくださると、土岐のことを知ってくれているんだと嬉しくなります。どこに住んでいても安心して受けていただけたらと思います。

 

ー最後に、これから試験を受ける方や入庁を控えている方へメッセージをお願いします。

上原:たとえば、窓口対応や電話対応に不安がある方も多いと思います。私も入庁前に不安だったことの1つで、電話は全然取れなかったんですけど、それはもう経験です。みんな失敗していますし、私も失敗しているので、落ち込まずに挑戦してほしいなと。分からなかったら先輩に聞いて、1つずつゆっくりやっていけば絶対に大丈夫です。年齢も近いので、会えたらたくさん話しかけてくださったら嬉しいです。

 

ー本日はありがとうございました。

穏やかに言葉を選びながらお話しされる上原さんでしたが、先輩や上司の方々の話題になると表情がぱっと明るくなり、とても楽しそうに語られていたのが印象的でした。

 

働き始めれば、さまざまな困難に直面することもあるかと思います。しかし、土岐市役所の上司や先輩方のもとであればきっと乗り越えられる、そんな風に感じさせてくれる取材でした。

 

職場環境を大切にしたいと考えている方は、ぜひ一度、土岐市役所の選考を通じて、その雰囲気をご自身の目で確かめてみてください。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

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『やりがいと、働きやすさを』 まちの強みを生かした多様な事業は、どれも「市民の方のため」につながる 長く安心して働ける職場を目指し、働き方改革(開庁時間の短縮など)を実施 【まちの強み】 ・陶磁器生産量日本一、「美濃焼」の産地 ・観光客数県内一の商業施設を有する 【職場の強み】 ・助け合い、支え合いが当たり前の職場風土 ・横断的なプロジェクトチームや若手職員の集まりがあり、柔軟な発想を事業へつなげる

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