生協と自動車販売店から、土岐市役所へ。転職した2人が語る仕事と暮らし
土岐市役所
生活協同組合で7年、営業と配達に明け暮れた人。自動車販売店で1年半、コロナ禍の在庫不足に向き合った人。
土岐市役所こども家庭課の水野さんと、税務課の日比野さんは、どちらも民間企業からの転職組です。入庁は平成29年度と令和4年度。公務員志望ではなかった二人が土岐市を選び、今どう働いているのか。入ってから見えた仕事の中身と、このまちでの暮らしについて、お一人ずつ伺いました。
水野さん|こども家庭課・平成29年度入庁
■水野さんが公務員を選ぶまで:結婚式の日に届いた、募集案内
ー前職と、土岐市役所を受けたきっかけを教えてください。
水野:浜松の生活協同組合で7年ほど働いていました。配達も営業も、保険の営業もやっていました。接客は好きだったので仕事自体は合っていたのですが、前の職場が神奈川・山梨・静岡の合同で、異動となると引っ越しも伴います。今後を考えると大変だなというのがありました。そんなときに、妻が土岐市の出身で、結婚式の当日に「募集あるよ」って持ってきたんです。「じゃあ受けようか」となりました。ちょうど試験のタイミングで、受かったら土岐市に来ようかなと思ったんです。転勤がなく腰を据えられるのは、将来を考えると安定していていいなと思っていました。受けたのは土岐市1本でしたね。もともと公務員になりたいという気持ちは、正直まったくなかったので。

■水野さんの土岐市役所での働き:「窓口に出る職員で、市のイメージは決まる」
ーこれまでのご経験と、前職が活きていると感じる場面を教えてください。
水野:入庁してからは、高齢介護課で介護保険、税務課の納税係、市民活動課で自治会に関する業務を3年、そして今年度から今のこども家庭課で、児童扶養手当やひとり親の方へのご案内、障害のあるお子さんに関する業務に携わっています。今の課で4つ目ですね。前職は営業でしたから、自分が会社の窓口になる部分がありました。会社へのイメージは自分で決まるな、と思っていたんです。それは役所でも同じで、窓口に出る職員で、土岐市はこういうところだと思われてしまいます。そう思われないような接客は、前職と繋がる部分かなと思います。
ー窓口では、厳しい言葉を受けることもありそうです。
水野:私の経験だと納税係ですね。感情的なお電話をいただくこともあって、コントロールが難しい時期もありました。ただ、上司が理解してくれるんです。「相手が悪いのは分かるけど、ちゃんとしなあかんよ」と言ってもらいました。その言葉を頭に、今も頑張っています。
■土岐市役所ならでは:駅前も、公園も、市民の声から
ー土岐市役所で今、力を入れている取り組みはありますか。
水野:プロジェクトチーム、PTというのができています。私は人口減少対策の、子育てのPTに入っています。市民の方から、駅周辺を活性化してほしい、中高生が親の帰りを待てるスペースがほしい、子どもが遊べる広い公園がほしい、といったご意見が出てくるんですね。それを受けて、都市計画課や保健センター、こども家庭課など関係する課が8人ぐらい集まって、どうやっていこうかを決めます。PTはいくつかあって、去年は市制70周年だったので、70周年のPTがありました。その都度できて、そこに集まる形です。議論されたものが、こういう需要があるからやるんだよ、ときちんと根拠づけできていれば進むというのが肌感です。あまり堅苦しい会議でもないので、意見は出しやすい雰囲気ですね。
ー入る前に思い描いていた公務員像と、違っていた部分はありますか。
水野:公務員は淡々とルーティンワークをやるイメージだったんですけど、なかなかクリエイティブさが求められると感じました。市民活動課にいた3年間が、ちょうど70周年とドンピシャだったんです。企画をすることが多くて、正直、ゼロイチが苦手な私は向いてないなと思いました(笑)。ただ、普段の窓口では関わらないイベントや企画を通して、土岐市をもっと良くしたいという思いを持つ市民の方と関わることになります。そういう人がたくさんいるんだなと知れたのは、あそこでしか知れなかったことです。入庁前は、市外から来た自分の視点が活きるかなと思って、産業振興課に行きたいと思っていた時期もありました。

■働く環境:異動はあっても、引っ越しはない
ー転職して得られたこと、3年ごとに担当が変わることへの戸惑いも含めて教えてください。
水野:私は安定志向なので。役所は異動があっても引っ越しがないですし、土岐市役所は支所もありますが、ほぼ一つの庁舎で完結しています。長くいればいるほど、やりやすくなっていくのかなと思います。異動は精神的に大変なので、最初はネガティブな気持ちもありますけど、業務が変わっても役所としての根本は変わりません。業務が変わる楽しさもありますし、今の課で4つ目ですけど、いい環境でやってこられたかなと思います。いい環境というのは、制度というより人ですね。もちろん厳しい方もいましたが、今思い返すと、それはそれで経験だったなと思います。
ー制度の面で、使いやすいなと感じるものはありますか。
水野:私のときはまだ使いにくかったんですけど、男性の育休は今すごく取りやすいのかなと思います。ネガティブな声も聞かないですね。ここ5、6年ぐらいでしょうか、取っている方も結構多いイメージです。
■土岐市という街:移り住んで10年目の実感。
ー土岐市にお住まいになって10年目ですね。暮らしてみての実感を教えてください。
水野:住みやすいですね。台風などの災害が少ないですし、ちょうどよく田舎というか。名古屋へのアクセスもよく移動しやすいですし、子どもが2人いますけど、遊ぶところもいろいろあります。出身の浜松は大きいまちで、自然も都会もあるんですけど、土岐市からでも春日井とか、移動距離を考えるとそんなに変わらないんですよね。あるものはあります。
ー最後に、土岐市役所の受験を考えている方へメッセージをお願いします。
水野:働きやすいですし、落ち着いて仕事に取り組める、異動はありますが引っ越しはないので、腰を据えて働きたい方には向いていると思います。市民の方も職員も、いろんな人がいますけど、振り返ればどれも経験になっています。まずは受けてみてください。
日比野さん|税務課・令和4年度入庁
■日比野さんが公務員を選ぶまで:コロナ禍の販売店で考えた、この先の働き方
ー前職と、土岐市役所を受けたきっかけを教えてください。
日比野:私は自動車販売の仕事を1年半ほどしていました。ちょうどコロナ禍で、工場が止まったり、在庫がない中で売らないといけなかったりしました。公務員はあまり情勢に左右されない、安定しているイメージがあったので、目指すようになりました。高校が土岐の高校だったので、土岐市や瑞浪市の募集を見ていたんですけど、土岐市は庁舎がきれいになったということで、すごく良さそうだなと思って受けてみました。
ー併願はされなかったのでしょうか。
日比野:受けたのは土岐市だけです。公務員以外の道は考えていなくて、もし受からなければ、転職活動を続ければいいかなという気持ちでした。

■日比野さんの土岐市役所での働き:営業で培ったものが活きる場面
ー建設総務課からのスタートでしたね。
日比野:はい。用地係を2年、管理係を1年やりました。用地係は道路の拡幅事業の用地交渉と買収、管理係は河川などの管理や境界の立ち会い、占用の事務です。4年目からは税務課の納税係で、徴収を担当しています。自動車の販売とはまったく違うので、最初はもう勉強からでした。ただ、営業と重なる面もあります。用地は「土地を売ってください」とお願いをするので、交渉という意味では近いのかなと思います。
ー交渉は、一筋縄ではいかなそうです。
日比野:私が担当したのは、病院ができるまでの道を作る事業だったので、短い期間で交渉しないといけませんでした。売りたくないよ、という方もいらっしゃいました。粘り強く交渉して、なんとか説得して、土地を売っていただきました。
土岐市役所ならでは:堅苦しくない会議に、幅広い世代が集まる
ー日比野さんも、プロジェクトチームに参加されたことがあるそうですね。
日比野:私も70周年のPTに参加させてもらいました。何をやるかという企画の会議で、十数人いたと思います。若い人も上の世代もいて、幅広い世代の意見を聞く場でした。私自身はゼロイチをあまりしたことがないので、そういう仕事はこれからですね。
■働く環境:残業もノルマもない/夏と冬のバス旅行がつなぐ、横の関係
ー転職して、前職では得られなかったと感じることはありますか。
日比野:前のところは残業が結構あったんですけど、今は部署にもよるとは思いますが、ほぼないなと思います。ノルマもありません。コロナ禍では在庫がない中で売らないといけなくて、車が売れない代わりにワイパーなどの部品を販売店さんに売ることもありましたから、今は精神的にいいですね。異動のときは環境ががらっと変わるのでネガティブな部分もありましたけど、一つを深くやるより広く経験していく方が、自分には楽しくやれるかなと思います。新しい人との交流も増えますし。
ー制度で、使いやすいなと感じるものはありますか。
日比野:組合の青年部が、30歳までなんですけど、夏と冬に年2回、バス旅行を計画するんです。違う課の方とも交流できるので、新しく入ってくる人にはいいんじゃないかなと思います。
■土岐市という街:車1本で、名古屋まで50分
ーご出身のまちと比べて、いかがですか。
日比野:車1本で行けるところが多くて、豊田の方にも30分ぐらいです。名古屋までは電車で50分ぐらいですね。市内にもアウトレットやショッピングモールがあるので、買い物をするところは結構あります。高校時代を過ごしていたので、なんとなくイメージはできていましたけど、遊ぶところという面では、出身のまちより土岐市の方がいいかなと思います。休みの日も、市内のアウトレットで過ごすことがありますね。
ー最後に、受験を考えている方へメッセージをお願いします。
日比野:今になって、という感じですけど、市民の方との距離がすごく近いんです。職員同士の関係もすごくいいですし、伸び伸びと仕事ができます。若い人は旅行などで横の繋がりも大切にできるところなので、ぜひ、お越しください。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年9月取材)
この記事の官公庁・自治体
『やりがいと、働きやすさを』 まちの強みを生かした多様な事業は、どれも「市民の方のため」につながる 長く安心して働ける職場を目指し、働き方改革(開庁時間の短縮など)を実施 【まちの強み】 ・陶磁器生産量日本一、「美濃焼」の産地 ・観光客数県内一の商業施設を有する 【職場の強み】 ・助け合い、支え合いが当たり前の職場風土 ・横断的なプロジェクトチームや若手職員の集まりがあり、柔軟な発想を事業へつなげる
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