少年野球のコーチに憧れた姫路出身の新卒職員が、住宅課の3年目で見つけた姫路市役所のリアル

姫路市役所

2026/10/26

「困ったことや落ち込むことがあると、必ず周りの誰かが『そういうことあるよ、僕もあったよ』と声をかけてくれるんです」

そう語るのは、姫路市役所 都市局住宅課の城井さん。姫路市で生まれ育ち、大学で4年間野球部に打ち込んだあと、令和6年4月に新卒で姫路市役所に入庁しました。現在は住宅課で市営住宅の入居に関する業務を担当し、入庁3年目を迎えています。

少年野球のコーチへの憧れから始まった「公務員」という選択肢、地元を離れて気づいた姫路の良さ、想像とは少し違った市営住宅の仕事のリアル、そして姫路での暮らしまで。じっくり伺いました。

少年野球のコーチが、市役所の人だった。「ヒーローみたいな存在」から始まった公務員という選択

ーまず、城井さんのご出身と学生時代について教えてください。

城井:出身は姫路です。大学は県外に進学したため、4年間だけ地元を離れて生活していました。小・中・高とずっと野球をやってきて、大学でも硬式野球部に入っていました。部員の数が少なかったので、ポジションはピッチャーやショート、セカンドなど、いろいろやらせてもらいました。

ー公務員という選択肢は、いつ頃から意識されていたんですか?

城井:漠然と「公務員がいいな」というのは、昔からありました。はっきり考え始めたのは就活の時期なんですけど、そのずっと前に、実は原点みたいな出来事があるんです。

城井:僕が小学生の頃に入っていた少年野球チームのコーチが、姫路市役所に勤めている方だったんです。野球も上手で、教え方も優しくて。少年時代の僕からしたら、よく言えばヒーローみたいな存在でした。「市役所で働く人ってこういう人なんや」という一種の憧れが、その方にはありましたね。

ーその方は、今も市役所にいらっしゃるんですか?

城井:はい、今も市役所で働かれています。仕事で直接関わることはないんですけど、僕が入庁したときにはご挨拶をしました。まさか同じ職場になるとは、当時は思っていなかったです。

ーご家族の影響などもありましたか?

城井:身内に姫路市役所の職員はいないんですけど、家族から「安定した生活をしてほしい」という思いを聞いたことはありました。自分の中でも、営業のように数字を追う仕事はあまり向いていないかもしれないな、と感じていたので、いろんなことが自然に公務員という方向に向いていったんだと思います。

大学で4年間離れて気づいた。「どうせ地元のために働くなら、地域に直結する場所で」

ー「公務員」の中でも、姫路市役所を第一志望にした決め手は何だったのでしょう。

城井:一度、大学で地元を離れたのが大きかったです。4年間県外で暮らしてみて、「やっぱり地元に帰りたいな、地元で働きたいな」と思うようになって。地元のために働くんだったら、地域に一番直結しているところがいい。そう考えたら、姫路市役所しかないなと思いました。

ー就職活動では、民間企業も受けられたんですか?

城井:受けました。第一志望は姫路市役所だったんですけど、民間企業や地方独立行政法人なども並行して受けていましたね。

ー野球部の同期の皆さんは、どんな進路が多かったですか?

城井:半数くらいは公務員になりました。学校の教員もいましたし、市役所に入った人も、国税関係に進んだ人もいます。周りにも公務員を目指す仲間がいたので、その意味では心強かったです。

ー公務員試験の勉強は、どのように進めましたか?

城井:行政職なので専門試験があったんですけど、大学生協の公務員講座に通って勉強していました。野球部の活動と両立しながらでしたね。

配属先で実務経験を重ねながら、研修を受ける1年目

ー入庁後の日々について教えてください。最初はどんな流れで過ごされましたか?

城井:市役所は全般的にそうだと思うんですけど、民間企業のように「研修期間が3カ月あって、そこから配属」という形ではないんです。研修の日もあれば、住宅課にいて業務を覚える日もある、という感じでした。大部分は住宅課で、先輩や上司に教えてもらいながら仕事を覚えていきましたね。

ー最初は緊張されましたか?

城井:緊張しました。右も左も分からない中だったので、結構緊張しましたね。姫路市役所は職員の数も多いので、なおさらでした。

ー住宅課はどのような体制なんですか?

城井:住宅課全体で26人くらいです。その中でいくつか係に分かれていて、僕がいるのは市営住宅の入居に関する係です。入居者の手続きや入居の案内、家賃の決定などを担当しています。他には、修理や施設の管理を担当する係、家賃の収納を担当する係などがあります。

城井:僕の係は、係長を入れて3人です。ただ、隣の家賃収納の係とはほぼ同じ規模で業務を共有しながらやっていますし、修理の係とも連携しているので、実質的には3つの係で1つのチームのような感覚で働いています。

ー新人のときに、メンターや指導係のような方はいらっしゃいましたか?

城井:僕の係は係長と先輩と僕の3人だったので、その先輩が指導役を担ってくれました。本当に全部その先輩に教えてもらったような感じです。今は異動されてしまったんですけど、一番よく会話していたのはその先輩でしたね。

ー同世代の職員の方も多いですか?

城井:毎年新卒の人が入ってくるので、若手は結構多いです。同期で定期的に交流会をしたり、同じ住宅課の若手職員で昼食を一緒に食べたり、バーベキューを開催するなど、交流があります。

城井:それと、僕は今も野球を続けていて、市役所の野球部に入っているんですけど、同じ野球部の先輩が同じ部署にいるんです。年は4歳離れているんですけど、年の差を感じないくらい、友達みたいな感覚で接してもらっています。心強いですね。

「結構、現場に行くんだな」。市営住宅を職員自身が管理する、直営ならではの仕事のリアル

ー市営住宅の入居に関する仕事は、基本的に市役所の中で完結するものですか?

城井:基本的には市役所の中にいて、電話対応や窓口対応、それに伴う事務処理をしています。ただ、何かあれば現場に行く仕事でもあるんです。入って意外だったのはそこですね。「結構、現場に行くんだな」と。

ーどんなときに現場へ行かれるんですか?

城井:たとえば入居者の方と直接お話したいときや、ご案内した書類の提出がないときですね。基本的には手紙や電話でご案内するんですけど、それでも提出がなければ現場に行きます。それ以外にも、退去された部屋の確認などで現地に行くこともあります。

ー職員の皆さんが直接関わられているのですね。

城井:はい、現在の姫路市は直営方式です。委託していたら、たぶん現場に行くことは少ないと思うんですけど、姫路市の場合は職員が直接、入居者の方々や住宅と向き合っています。だからこそ大変な場面もありますけど、市民の暮らしに直結している実感は強いですね。

ー率直に、これまでで一番しんどかった経験はどんなことでしたか?

城井:市営住宅は、人の暮らしそのものを扱う仕事なので、想定外の場面もあります。市営住宅の入居者の方の生活で起こる様々なことに、最初に向き合うのが僕たちなので。ただ、そういう場面に直面したときも、一人で抱えることはなかったです。先輩や上司が一緒に対応してくれて、「そういうことあるよ、僕もあったよ」と声をかけてくれるので。

係が3人から2人に。移転事業と繁忙期が重なった4カ月を、隣の係と一緒に乗り越えた

ー「一番頑張った」と思える時期はありますか?

城井:昨年ですね。うちの係は3人なんですけど、その先輩が選挙事務の応援で、4月から7月くらいまで数カ月間、係を離れることになったんです。係が僕と係長の2人だけになった期間が、ちょうど繁忙期と重なりました。

ー住宅課の繁忙期はいつ頃なんですか?

城井:年度初めと、夏頃です。それに加えて昨年は、古い市営住宅から新しい住宅へ入居者の方に移っていただく「移転事業」の時期でもあったので、やることが一番多い時期に、係の人数が3分の2になった形でした。

ーどうやって乗り越えられたんですか?

城井:隣の係の方たちに、本当にたくさん手伝ってもらいました。普段から業務を共有しているからこそ、フォローに入ってもらえたんだと思います。あの時期は本当に助け合いで、なんとか乗り越えられました。今振り返っても、一番頑張ったなと思う時期です。

ー入庁前に持っていた市役所のイメージと、実際に働いてみてのギャップはありましたか?

城井:イメージは全然違いました。入る前は、役所組織や職員の方々に堅いイメージがありましたが、実際は敬語を使いながらも、市民の方とも自然にフランクにお話ししているんですよね。それと、仲間意識がすごく強くて、助け合いの文化があること。

城井:大変なことも、落ち込むことも、もちろんあります。でもそういうときは必ず周りの方が「大丈夫?」「そういうことあるよ、僕もあったよ」と声をかけてくれる。だから、仕事を辞めようかなと感じたことは一度もないですね。

 

7時40分起床、移動に10分、8時35分始業。18時には家に着いて、映画を1本

ーここからは1日の過ごし方を伺います。朝は何時に起きていますか?

城井:僕、遅いんですよ。アラームは7時40分です。

ー7時40分! それで間に合うんですか?

城井:間に合うんです(笑)。家から市役所まで、10分くらいで通勤しています。姫路市役所は始業が8時35分なので、8時15分に家を出れば8時25分には着きます。朝ごはんもきちんと食べてから出ています。

ー8時35分始業というのは珍しいですね。多くの自治体は8時30分始業なので。

城井:そうなんですね。終業は17時20分です。この5分、意外と大きいんですよ。

ー残業はどのくらいありますか?

城井:普段は月10時間未満くらいですね。夏頃の繁忙期でも、今年は月15時間くらいだったと思います。

ー仕事を終えたあとは、どのように過ごしていますか?

城井:17時20分に仕事を終えて、18時頃には家にいます。今は実家を出て一人暮らしをしているので、料理をしたり、次の日のお弁当を作ったり。お風呂に入ってご飯を食べても20時半くらいなので、そこから映画を1本見ても22時半です。映画やドラマを見るのが好きなので、毎日1本、あるいはドラマを1話進めるのが日々の楽しみですね。

ー週末は野球ですか?

城井:そうですね。市役所の野球部は基本的に週末に活動していて、日曜日によく試合があります。練習というよりは、毎週何かしら試合がある感じです。市役所の野球部以外にも個人的に入っているチームがあるので、日曜日はかなり野球をやっています。土曜日はゆっくり過ごすことが多いですね。

 

新幹線が止まり、海も山もある。姫路城の隣の好古園で感じる「姫路で完結する」暮らし

ー一度離れてみたからこそ分かった、姫路の良さはどんなところですか?

城井:県外で4年間暮らしたからこそ分かった良さの一つは、利便性です。姫路は新幹線が止まるので、東京にも行きやすいですし、神戸なら40分くらい、大阪も1時間くらいで行けます。それでいて物価や生活コストが高くないので、利便性と暮らしやすさのバランスがすごくいいんです。

城井:それに、まちに誇れるものがある。世界遺産の姫路城があって、海も山もあって。駅の近くには繁華街があり、少し離れると住みやすい住宅街があって、もう少し離れると自然が豊かなエリアがある。南には家島もあって、あれも姫路市なんです。本当に、姫路で完結するんですよね。

ー姫路で好きなスポットはありますか?

城井:お城が好きなので、やっぱり姫路城になってしまうんですけど、そのすぐ隣にある「好古園」という日本庭園が、個人的にすごく好きです。落ち着ける場所なんですよね。姫路城のチケット売り場で好古園とのセット券も売っているので、姫路城に来られたら、ぜひ一緒に行ってもらいたいです。

「不安もあると思うけど、心強い上司や先輩がいる。安心して飛び込んできてほしい」

ー最後に、姫路市役所への応募を考えている方、内定をもらって迷っている方へメッセージをお願いします。

城井:市役所の性質上、難しい仕事もあります。でも先ほどお話しした通り、誰かがしんどいときは助け合いながら働くことができる環境です。不安なところもあると思うんですけど、心強い上司や先輩がいるので、安心して飛び込んできてくれたらうれしいです。

城井:僕はたまたま姫路出身ですけど、姫路出身でない職員もたくさんいます。姫路が好きな人、姫路の良さを知ってくださる人と、一緒に働ける日を楽しみにしています。

ー本日はありがとうございました。

編集後記

印象に残った言葉。「そういうことあるよ、僕もあったよ」。城井さんは取材の中で、この言葉を何度か口にしました。市営住宅の仕事には、人の暮らしと直接向き合うからこその、簡単には言葉にできない場面があります。それでも「辞めようと思ったことは一度もない」と言い切れるのは、しんどい場面のたびに、この一言をかけてくれる誰かがいたからなのだろうと思いました。

少年野球のコーチだった市役所職員に憧れた少年が、いま同じ市役所で働いています。いつか城井さんも、誰かにとっての「僕もあったよ」と言ってくれる先輩になる日を想像しました。そんな循環が、このまちの市役所にはあります。

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この記事は、2026年8月20日にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。

記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。

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~世界一の城下町をつくる~ 国宝・世界遺産「姫路城」をシンボルに兵庫県南西部に位置する姫路市。 古くから交通の要衝であり、播磨地方の政治・経済・文化の中心都市として栄えてきました。 その姫路市で私たちは世界一の城下町を目指して日々の業務に取り組んでいます。

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