ゼネコンの現場一筋12年から、家族と暮らせる水道の仕事へ。土木技術者が「かずさ水道広域連合企業団」を選んだ理由【中途採用インタビュー】
かずさ水道広域連合企業団
「月に2回しか、家に帰れませんでした」。
新卒でゼネコンに入社し、約12年。北海道や東北の現場を渡り歩くなかで、家族と過ごす時間はどうしても限られていた——。そんな日々を送っていた一人の土木技術者が、いま千葉県の「かずさ水道広域連合企業団」で、4市の水道の未来を描く仕事をしています。
計画課計画班の班長を務める城野さんに、ゼネコンから公務員へと転身した経緯、働き方の変化、そして水道事業のリアルな課題まで、じっくりとお話を伺いました。
建設業界など民間で働きながら「このままでいいのかな」と感じている土木技術者の方に、ぜひ読んでいただきたいインタビューです。
お話を伺った方
かずさ水道広域連合企業団 計画課 計画班 班長・城野さん。
平成12年に新卒でゼネコンに入社し、土木技術者として約12年間、各地の現場に従事。平成24年、前身の君津広域水道企業団に転職。令和元年の統合により発足した、かずさ水道広域連合企業団で浄水場の施設管理や工事部門などを経験し、令和5年度から現職。
4市の水道の未来を描く。「計画班」の仕事とは
▼ まずは、現在のお仕事について教えてください。
「計画課の計画班で、班長をしています。かずさ水道の事業計画を立案して、それぞれの課に方向性を示し、進捗を管理していくことが主な仕事です」
かずさ水道広域連合企業団は、君津市・木更津市・富津市・袖ケ浦市の4市に水道水を届ける水道事業体。令和元年に、4市の水道事業と、4市に水を卸売りしていた用水供給事業体「君津広域水道企業団」の、合計5つの事業体が統合して発足しました。
「水需要がこれからどう変わっていくのか。それに合わせて、必要なところに必要な施設を整備していく。さらに、施設の老朽化への対応や、大きな地震に耐えられるようにする耐震化。そういった計画を立てていくのが計画班です」
▼ 計画班は何名体制なのでしょうか?
「私を含めて4名です。施設や管路など、それぞれの分野に強いメンバーがいてくれるので、教えてもらいながら一緒に計画をつくっています」

現場一筋、家に帰れるのは月2回。ゼネコン時代の12年
▼ 城野さんは、もともとゼネコンで働かれていたそうですね。
「新卒でゼネコンに入り、土木の現場に約12年いました。北海道や東北など、現場ごとに各地を転々とする生活でしたね」
現場にいた頃の日々を尋ねると、率直な答えが返ってきました。
「日中は現場に出て、図面と現場が合っているかの確認や、どうやってものを作っていくかの検討。事務仕事はどうしても現場から上がってきた後になるので、夜も遅くなる。仕事自体は好きでやっていたので、苦ではなかったんですが……」
▼ ご家族との時間は、どうされていたのでしょうか?
「子どもが小さいうちは現場ごとに家族も一緒に引っ越せたんです。でも、子どもが小学校に上がると家族はひとつの場所にとどまるので、私だけの単身赴任になりました。月に2回くらいしか家に帰れなくて、あとはずっと現場でしたね」
まとまった休みは正月とお盆くらい。長男でありながら実家にもなかなか帰れず、家族と過ごす時間も限られる。そんな生活が続いていました。
「本当にこのままでいいのかな、と。子どもも小さい中で、自分が倒れたらまずいなという危機感も、少しずつ大きくなっていました」
転機は、母からの一本の連絡。「ものは試し」で受けた採用試験
▼ 転職のきっかけは何だったのでしょうか?
「実家の母から『こういう募集があるけど、受けてみない?』と連絡が来たんです。当時、私は東北の現場にいて。母としては、地元に戻ってきてほしかったんだと思います」
実家は君津。募集していたのは、地元の「君津広域水道企業団」でした。
「最初は『忙しいし、無理だよ』と思っていました。でも、家族のことを考えると、このままの生活を続けるのは難しいなと。ものは試しに受けてみるか、という感覚でした」
▼ 「企業団」という名前を聞いて、公務員だと分かりましたか?
「いや、全然分かりませんでした(笑)。『そんな事業体があるんだ』というのが正直な感想です。仕事柄、下水道事業団や鉄道・運輸機構といった組織は知っていたので、そういうところなのかなと思っていました」
試験当日、周りを見渡すと、参考書に付箋をびっしり貼って勉強してきた受験者の姿が。「これは難しいかな」と思いながらも、結果は見事合格。
平成24年、約12年間のゼネコン生活に区切りをつけ、家族とともに木更津へ。土木技術者としての新しいキャリアが始まりました。
「精神的にも肉体的にも、まったく違う」。転職して変わった働き方
▼ 実際に転職して、働き方は変わりましたか?
「全然違いますね。当時に比べると、精神的にも肉体的にも、ものすごく楽です」
何が一番変わったのかを聞くと、「1日の過ごし方」だと言います。
「現場を持っていた頃は、日中やることがたくさんあって、事務作業は夜にならざるを得なかった。今は現場に貼り付くことはなくて、計画に係る事務仕事が中心です。仕事の内容が分かっていれば、『今日はどれくらいで終わるな』と見通しを立てて、自分でコントロールできるようになりました」
▼ 職場全体の残業時間は、どれくらいなのでしょうか?
「繁忙期かどうかにもよりますが、計画班のメンバーで言えば、平均すると月10時間もいかないくらいだと思います。勤務時間は8時半から17時15分。もちろん忙しくて残らなければいけない時期もありますが、平均するとそれくらいですね」
現場に常駐する生活から、見通しを立てて働ける生活へ。水道という特性上、維持管理部署では漏水などの突発対応で現場に出ることはあるものの、働き方は大きく変わりました。
なお、かずさ水道は水道の専門組織のため、市役所のように福祉や税務など畑違いの部署へ異動することはありません。城野さんも、浄水場の施設管理、調査部門、工事部門と、一貫して土木・水道の専門性を活かせる部署を歩んできました。

きれいごとではない。統合から7年、計画班が向き合うリアルな課題
▼ いま、計画班として向き合っている課題を教えてください。
「難しいですよ、正直(笑)。統合による計画は令和10年度までを区切りとしています。もう残り2年ほどしかありません」
統合直後には大型台風による被害で応急給水に追われ、さらに大規模な漏水事故では約1万人に影響する断水も発生。出鼻をくじかれるようなアクシデントが続き、当初の計画どおりには事業が進まなかった時期もあったと言います。「これまでは、道路に埋まっている古い水道管の取り替えに力を入れてきました。ただ、やらなければいけない工事はほかにもたくさんあるんです」

さらにその先には、令和11年度以降に予定される、4市でバラバラだった水道料金の統一という大きなテーマも。そのために必要な更新費用を算出する作業が、いま計画班の大きなミッションになっています。数十億〜数百億円規模の事業を見通す、スケールの大きな仕事です。
「前向きな人と働きたい」。土木経験者なら、水道未経験でも大丈夫
▼ 班長というお立場から見て、どんな人に入ってきてほしいですか?
「前向きな人ですね。大変な場面も、共に前向きに取り組める人と働きたいと思っています」
▼ 水道は未経験でも、活躍できるでしょうか?
「土木の経験がある方なら、問題ないと思いますよ。むしろ、土木経験者の方にはぜひ来てほしいですね」
城野さん自身、水道は未経験からのスタート。それでも各分野に詳しい仲間に教わりながら、いまでは事業全体の計画を担う立場になりました。ゼネコンから自治体・公的機関へ転職する土木技術者は、いま全国的に増えています。
「ゼネコンが悪いというわけではないんです。いい面もたくさんあるし、現場にもよる。ただ、家族と離れて暮らすのは、やっぱり一番つらかった。同じような思いをしている方には、こういう働き方もあると知ってほしいですね」
ほぼ毎日プール通いで15kg減。健康を取り戻した今
▼ 最後に、プライベートについても。ご趣味はありますか?
「最近は、ずっとプールに行っています。職場の近くに温水プールがあって、ほぼ毎日、1時間ちょっと。水中ウォーキングと水泳です」
きっかけは、腰痛や関節の痛みでウォーキングが続かなかったこと。高齢のお父様をプールへ送り迎えするうちに「自分もやってみようかな」と思い立ち、気づけば1年以上続いているのだとか。
「1年で15kgくらい痩せて、体がバキバキに仕上がりました(笑)。健康診断の数値も良くなって、もうやめられないですね」
月2回しか家に帰れなかった生活から、家族と暮らし、毎日プールに通える生活へ。働き方が変われば、暮らしも健康も変わる——。城野さんの穏やかな笑顔が、それを物語っていました。

かずさ水道広域連合企業団で、あなたの土木経験を活かしませんか
かずさ水道広域連合企業団では、君津市・木更津市・富津市・袖ケ浦市の水道を支える仲間を募集しています。ゼネコンや建設業で培った土木の経験は、水道事業の現場で確実に活きます。
「家族との時間を取り戻したい」「経験を活かして、地域を支える仕事がしたい」。そんな方のご応募を、お待ちしています。
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この記事は、2026年7月27日にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。
記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。
この記事の官公庁・自治体
水道というライフラインを通じて、木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市をはじめとする約31万人の生活を支えています。 蛇口をひねれば水道水が出るという「あたりまえ」を50年後、100年後の次世代に紡いでいくことが私たちの使命です。 水道のスペシャリストとして、安心・安全な水道水を届けたい、地域貢献に携わりたい方をお待ちしております。
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