「香川で生きていく」を選んだ私。新卒3年目、宇多津町役場・保健福祉課職員が語る仕事のリアル
宇多津町役場
「誰かの役に立ちたい」そして、「県外に出るよりも、香川に残れる仕事をしたい」。
そう考えて公務員の道を選び、新卒で宇多津町役場に入庁した星川さん。現在は保健福祉課で障害福祉を担当し、3年目を迎えています。
星川さんは、なぜ公務員に、そして宇多津町を選んだのか。地元で働くことを考えている方、公務員という選択肢が気になっている方に向けて、入庁までの道のりと仕事のリアルをお聞きしました。
プロフィール
星川さん/宇多津町役場 保健福祉課(障害担当)。香川県出身。大学卒業後、新卒で一般行政職として宇多津町役場に入庁。入庁3年目。障害児の通所サービスの支給決定や、児童扶養手当に関する業務を担当している。

英語の仕事から一転、「誰かの役に立ちたい」で公務員へ
▼ もともと英語英文学科のご出身なんですね。最初から公務員志望だったのですか?
「実は、大学に入ったばかりの頃は、漠然と英語関係の仕事に就こうかなと思っていました。中学の頃から英語が一番得意な科目で、そのまま英語英文学科に進んだんです」
当時思い描いていたのは、空港に関わる仕事。先輩たちの就職先を調べながら、進路を絞り込んでいたといいます。
▼ そこから、なぜ公務員という選択肢に?
「大学生活を過ごしていく中で、『誰かの役に立てる生き方がしたい』という思いが自分の中で大きくなっていって。じゃあ自分にできる仕事は何だろうと考えたときに、公務員の選択肢を考えるようになりました」
進路を公務員に定めたのは、大学3年生の秋頃。以降は公務員試験一本に絞り、オンラインの専門学校講座で試験対策を進めました。
「県外に出るより、香川に残りたい」——地元で働くという選択
▼ 星川さんにとって、香川の好きなところはどんなところですか?
「山もあるし海もあるし、自然が多いところですね。宇多津町も本当に自然が多いですし。それに、自然災害が少ないところも魅力だなと個人的に思っています。ずっと住んでいるからこそ感じる、住みやすさもあります」
生まれも育ちも香川。星川さんの就職活動の軸には、「生きていく場所として香川にいたい」という思いがありました。
▼ 宇多津町役場の求人は、どうやって見つけたのですか?
「祖父母が宇多津町に住んでいるんです。宇多津町の広報誌で職員募集が出ているのを見つけて、教えてくれました。それがきっかけで応募しました」
小さい頃から祖父母の家がある宇多津町へ遊びに行っていた星川さんにとって、宇多津町は馴染みのあるまち。身近な人からの一報が、いまのキャリアの入口になりました。
面接で聞かれた「宇多津町の魅力を5つ挙げてください」
▼ 採用試験はどんな内容でしたか?
「第1次試験は教養試験と専門試験、それから作文。そして第2次試験は個別面接でした」
▼ 面接はどんな雰囲気でしたか?
「面接官は副町長や教育長、総務課長といった方々で、入った瞬間はすごく緊張しました。
「言葉に詰まったときには、面接官の方がフォローしてくださって。ガチガチの空気ではなく、徐々に緊張がほぐれていく面接でした」
保健福祉課の仕事
▼ 現在の仕事内容を教えてください。
「保健福祉課で障害福祉の担当をしています。主に障害のあるお子さんの通所サービスの支給決定と、ひとり親のご家庭に支給される児童扶養手当の業務を担当しています」
通所サービスの支給決定では、医師の意見書や障害者手帳をもとに申請を受理し、それぞれのご家庭とお子さんに合ったサービスの種類や利用日数を検討してくれる相談員さんへとつなぎます。
▼ 入庁する前と後で、印象が変わったことはありますか?
「良い点から言うと、自分の知らなかった世界を知ることができることです。行政サービスには、自分自身が経験したことのない仕組みや制度が多くあります。こういう制度があるんだ、こういう仕事をしている人がいるんだ、と。この仕事をしていなければ自分から調べる機会はなかったと思うので、貴重な経験だなと思います」
▼ 逆に、大変だと感じた点は?
「覚えることがたくさんあることです。1つの業務に対しても必要な知識が多くて、障害の分野の中でも細かく分かれているので、1年目は覚えることの多さに驚きました。3年目のいまは、時間はかかっても『なんとかできる』という感覚が掴めてきています」

星川さんのとある1日
朝は6時頃に起床。自宅から車で約50分かけて通勤し、8時半の始業前に到着します。
「通勤時間が長いので、車の中では音楽を聴いて目を覚ましています(笑)」
毎朝の朝礼では、課のメンバーそれぞれの1日のスケジュールを共有しています。
私は、午前中はなるべく頭を使う業務を優先し、来庁者があれば窓口対応にあたります。12時から1時間の昼休憩をはさみ、午後は自分で調整しながら残った仕事を片づけ、17時半頃には退庁するのが基本の流れです。
▼ 残業はどのくらいありますか?
「1年目、2年目は慣れない部分も多くて残業もありましたが、いまはほとんど残業せずに帰ることができています。」
▼ お休みは取れていますか?
「休みは自分の好きなタイミングで取れています。『この日までにこれをやろう』と自分で仕事を管理できるので」
▼ 平日の仕事終わりは、どんな風に過ごしていますか?
「散歩をしています。家に着き次第そのまま出かけて、20〜30分くらい歩いてからご飯を食べる、という流れです。家の周りは田んぼが多くて、少し歩くと山があるので、麓まで行って帰ってきます。仕事はずっと座りっぱなしなので、意識して体を動かすようにしています」
散歩は、公務員試験の勉強をしていた大学時代に息抜きとして始めた習慣。いまも続くリフレッシュの時間です。
「誰かの仕事」ではなく「いる人で助け合う」職場
▼ 3年間続けてこられた中で、支えになったことはありますか?
「周りに助けてくれる方がたくさんいることです。質問したら分かりやすく教えてくれますし、困っていたら代わりに動いてくれることもあって」
「係を超えた助け合いもあります。担当者が不在のときに窓口に申請の方がいらしたら、書類を見て調べて、代わりに対応してくれたり。『誰かの仕事だからその人がやらないといけない』ではなくて、『いる人でなるべく助け合おう』という空気をすごく感じる部署なので、本当に仕事がしやすいです」
障害福祉担当は星川さんを含めて2名体制、1歳上の先輩だといいます。年の近い同僚の存在も、心強い支えになっています。
一番の思い出は、障害のある人もない人も集まるイベントの企画運営
▼ この3年間で「よく頑張れた」と思える経験を教えてください。
「毎年2月に開催している、障害のある方が施設で作った商品などを販売するイベントの企画運営を務めたことです。事前の担当者会議から始まって、建物の中を飾る作品の募集、食品を扱うための保健所への届出や保険の手続きまで、開催までにやることが本当にたくさんあって。毎年、自分の中でも『よく頑張ったな』と思える仕事です」
イベントには町民の方だけでなく、坂出市や丸亀市など近隣からも来場者が訪れます。
「アンケートで『来て良かった』という声を見ると、障害のある人もない人も関わるイベントって大事なんだなと、毎年改めて感じます」
私の好きな宇多津町——青の山の夜景と、町長の言葉
▼ 最後に、星川さんが気に入っている宇多津町の場所を教えてください。
「青の山です。小さい頃から祖父母の家に遊びに来ていて、山の上の遊び場でよく遊んでいました。夜に行くと夜景がすごく綺麗で、宇多津町全体を見下ろせるんです。就職する前から、ずっと好きな場所です」

▼ 場所以外で、気に入っていることはありますか?
「町長が話される言葉に『近き者説(よろこ)び、遠き者来る』*という言葉があって。周りからヒトやモノを呼び込みたいのなら、まず宇多津町の皆さんを幸せにすることを大切にするべきだ、という意味で受け取っています」
「周りから人を呼び込むことばかりに目が向きがちな中で、宇多津町は、すでに住んでいる人にこれからも良い環境を提供しようという目標を掲げている。だからこそ、このまちはもっと良くなっていくんじゃないかなと思っています」
「誰かの役に立ちたい」「香川で生きていきたい」という思いから宇多津町役場を選んだ星川さん。住んでいる人を大切にするまちで、今日も一人ひとりの暮らしを支える仕事に向き合っています。
*中国の古典『論語』に由来する言葉
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この記事は、2026年7月28日にパブリックコネクト編集部が取材した内容をもとに作成しています。
記載の内容・所属・数値は取材当時のものです。
この記事の官公庁・自治体
宇多津町は、瀬戸内海に面した香川県のほぼ中央にあり、東は坂出市、西は丸亀市に隣接する8.10k㎡の香川県で一番小さい自治体です。 コンパクトな町ですが、商業施設や住宅地、自然が残る景色が調和し、暮らしやすさと発展性をあわせ持つ町です。 また、交通の利便性にも恵まれており、JRや高速道路等により県内外のアクセスも良好です。 規模がコンパクトだからこそ、住民の声が届きやすく、まちづくりに幅広く関われることが大きな魅力です。
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