ふるさとではない上市町に魅せられて。「業務のたびに知識が増える」小さな役場の5年間

上市町役場

2026/10/12

剱岳のふもとに広がる上市町は、富山市の東どなりに位置する人口約1万8千人の町です。

 

総務課で職員の給与を担当する別府さんは、三重県四日市市の出身。富山大学への進学をきっかけに富山で暮らし始め、民間の証券会社で約3年間営業を経験したのち、令和4年度に上市町役場へ入庁しました。財務課、福祉課を経て、今年度から総務課で働く入庁5年目の職員です。

 

県外出身、そして民間からの転職という2つの視点から、上市町役場で働く魅力を語っていただきました。

 

 

 


三重から富山へ。大学で出会ったまちと人

――別府さんが三重県から富山大学へ進学された経緯を教えてください。

別府:高校生までは四日市市で育ちました。大学生になったら一人暮らしをしてみたいという憧れがあって、県外に出たいと思っていたんです。国公立大学を中心に探した結果、富山大学に進むことになりました。

 

――富山には、どのような第一印象をお持ちでしたか。

別府:正直なところ、来る前はいわゆる「田舎」のイメージでした。でも実際に住んでみると、何もないということはまったくありませんでした。新幹線も通っていますし、生活に必要なものはひととおりそろっていて、とても住みやすい場所だと感じました。大学には富山出身の友人も多かったので、いろいろ教えてもらいながら生活していました。

 

――学生時代は、どのようなことに打ち込まれていましたか。

別府:経済学部で経済を学ぶかたわら、競技スキーを始めました。高校までは野球をしていたのですが、せっかく富山に来たのだから、富山らしいウインタースポーツをやってみたいと思ったんです。スキーには、滑りの美しさを競う基礎スキーと、ポールの間をくぐり抜けていく競技スキーがあって、私は競技スキーに取り組んでいました。4年間楽しく続けていました。

証券会社の営業で学んだ、信頼関係を一からつくる力

――新卒では、民間企業に就職されたそうですね。

別府:大学生のころは公務員になることは考えておらず、全国規模の証券会社に就職し、配属は富山支店でした。当時は富山にこだわっていたわけではないのですが、そのまま富山で働くことになりました。法人や個人のお客さまに、証券や保険の商品をご提案する営業を約3年間担当しました。

 

――営業のお仕事では、どのような点にやりがいや大変さを感じられましたか。

別府:人間関係を一からつくっていき、信頼していただいたうえで商品を選んでいただくためのコミュニケーションには、楽しさがありました。もともと子どものころから、いろいろな人と話すのが好きなタイプなんです。一方で、営業なので数字へのこだわりは欠かせません。ノルマは大変でしたが、そのぶんメンタルは鍛えられたと思います。

 

上市町役場を選んだ理由。小さな町だからこそ、幅広い仕事ができる

――転職を考えられたのは、いつごろだったのでしょうか。

別府:社会人2年目のころから、新しいことに挑戦したいという気持ちが出てきました。せっかくなら金融とは違う業界で働いてみたいと考えたとき、前の会社とはまったく違う「行政」の仕事に関心が向きました。仕事をしながら公務員試験の勉強をして、その年の試験を受けました。

 

――数ある自治体の中から、上市町を選ばれた理由を教えてください。

別府:富山県内で働き続けたいという思いはありましたが、富山市に実家があるわけではないので、富山市にこだわる理由はありませんでした。いろいろ考えるなかで、上市町は県内でも比較的小規模な自治体です。大きな組織だと1つの業務を深く担当することが多いと思いますが、小規模なところなら幅広くいろいろな仕事ができるのではないかと考えたんです。それに、上市町は富山市に近く、住むにも通うにも不便がないことも決め手になりました。実は学生のころ、一度だけ上市町に遊びに来たことがあるんです。大岩山日石寺で滝行を体験できると聞いて、友人と一緒に来ました。

上市町の大岩山日石寺は、剱岳のふもとで1,300年の歴史を受け継ぐ寺院です。境内の六本滝では、年間を通じて滝行を体験することができます。

 

――地元に戻らず、富山で働き続けることを選ばれたのはなぜですか。

別府:生活面でまったく不便を感じないということもありますが、一番は人とのつながりです。三重でできたつながりは、実家に帰ればこれからも続いていくと思います。でも、富山でできたつながりは、富山を離れたら少しずつ薄れてしまうかもしれません。それはさみしいなと思ったんです。大学と社会人生活で出会った人たちと、これからも一緒にいたいと思っています。その流れを大事にしたいという気持ちが、富山に残った一番の理由です。

 

――私たち上市町役場には、別府さんのように富山県外から入庁した職員も在籍しています。

 

財務課納税班|町税を「集める側」として、住民の方の相談に向き合う

――入庁後、最初に配属された部署でのお仕事を教えてください。

別府:最初の1年間は財務課の納税班で、町の税金を「課税する側」ではなく「集める側」の仕事をしていました。納付は口座振替が中心ですが、メインの業務は滞納整理です。期限までに納めることが難しい方にアプローチして、今後どうしていくかを一緒に相談していくので、その大変さはありましたね。

 

――公務員を選ばれたとき、どのような働き方を思い描いていましたか。

別府:私は、いろいろな経験をして知識を蓄えていくのが好きなんです。金融機関なら金融の知識が中心になりますが、行政ならいろいろな知識が身につきます。そこに魅力を感じていました。異動で業務が大きく変わることを気にされる方もいると思いますが、私にとってはむしろ、それがよいところだと思っていました。

 

福祉課児童班|保育所の入所手続きから施設の修繕まで

――2年目から異動された福祉課では、どのようなお仕事を担当されましたか。

別府:福祉課の児童班で3年間、保育所に関する業務を担当しました。保育所への入所を希望される方の手続きや、保育料に関すること、それから町内の公立保育所の施設管理です。施設が壊れたら修繕の工事を発注する、といった仕事もしていました。

 

――納税班と福祉課では、住民の方との関わり方にどのような違いがありましたか。

別府:どちらも窓口業務が多かったのですが、関わる方の状況が違いました。納税班では、税金の納付が難しいというご相談が多く、今後どうしていくかを一緒に考えていきます。福祉課では、保育所に入りたいという目的がはっきりしている方に、手続きや町の事業についてご説明していきます。それぞれに違った大変さがありました。

――福祉課児童班のお仕事は、1年の中でどのような流れで進んでいくのでしょうか。

別府:月ごとのルーティンは半年ほどで慣れましたが、毎月ではない業務もあるので、1年間の流れがつかめたのは1年が過ぎてからでした。特に忙しいのは12月から年度末にかけてです。翌年度の入所の申し込みを受け付けて、利用の可否を決め、保護者の方に通知をお送りします。この時期は問い合わせも多く、ホームページを見てご連絡をくださる方もたくさんいました。

 

福祉課児童班の1年間(別府さんの担当業務の例)

3月~4月その年度の保育料を決定し、公立保育所の施設管理に関わる契約の発注を進めます。
5月~8月ごろ前年度に予算要求し、確定した契約や工事の発注を7~8月ごろまでにひととおり終えます。
9月ごろ~突発的に発生した修理・修繕に随時対応します。
10月ごろ翌年度の入所について役場内で方針を決め、所長会議で町内の保育所(***か所)に伝えます。
11月翌年度の新規入所の申し込みを受け付けます。
12月~3月利用の可否を決定し、保護者へ通知します。問い合わせも増える繁忙期です。
通年年度の途中で入所を希望される方の手続き(途中入所)を行います。

 

総務課|職員の給与を、3人のチームで支える

――今年度から配属された総務課では、どのようなお仕事をされていますか。

別府:総務課で、正規職員の給与を担当しています。毎月の給与計算に加えて、6月にはボーナスの計算もありますし、共済に関する事務もあります。今の仕事は、毎月決まって行う業務が多いのが特徴ですね。職員の大切な情報を扱っているので、責任の重さを感じています。

 

――総務課への異動を聞いたときは、どのようなお気持ちでしたか。

別府:正直、「どうしよう」と思いました。忙しい部署だと聞いていたので、最初はできるのだろうかという不安が大きかったです。でも実際に来てみると、給与担当は3人のチームで、正規職員や会計年度任用職員など担当を分けながら一緒に動いています。わからないことは何でも教えてくださるし、先輩の仕事を見ながら進めることもできます。大変さはありますが、みなさんのおかげで何とかやれています。

雑談から生まれる、上市町役場のあたたかさ

――仕事を教えていただく場面以外で、上市町役場のやさしさを感じることはありますか。

別府:仕事以外のことで、気軽に声をかけてくださる方が多いんです。「この前の話、どうだった?」といった雑談を、上の立場の方からもしてくださいます。あたたかい職場だなと感じます。職員の数がそれほど多くないので、ほかの課の方とも関わりやすく、お互いの顔もわかります。職員同士でごはんや飲みに行くこともよくありますよ。

 

 

――別府さんは、どのような方が上市町役場に合っていると思われますか。

別府:私のように、話をしながら仕事を進めていくのが好きな人には合っていると思います。住民の方とだけでなく、役場の中でも会話をする機会は多いですね。もちろん、そうでない方でも、いろいろな仕事といろいろな考えを持った人がいる職場なので、居心地の良さを感じられるのではないでしょうか。

 

仕事終わりは映画、冬はスキー。富山市にも近い暮らし

――仕事が終わった後や休日は、どのように過ごされていますか。

別府:帰れるときは定時で帰っています。平日の夜は、配信サービスで映画を観たり、YouTubeを見たりして過ごすことが多いですね。映画はいろいろなジャンルを観ますが、好きなのは洋画が多いかもしれません。冬になればスキーにも行きます。競技まではしていませんが、大学のスキー部の仲間と滑りに行っています。

 

――上市町での暮らしやすさについて教えてください。

別府:私は富山市寄りに住んでいて、役場までは車で10分ほどです。富山市にも15分から20分あれば行けます。職員同士で食事に行くときは、上市町内なら居酒屋が多く、富山市まで足をのばすこともよくあります。仕事が終わればすぐ家に帰れて、買い物や遊びにも出かけやすい距離感です。

 

上市町役場をめざすみなさんへ

――最後に、上市町役場をめざす方へメッセージをお願いします。

別府:いろいろな業務を担当するのは大変ですが、私は楽しいと思っています。仕事をするたびに知識が増えていくんです。行政の知識は、仕事だけでなく普段の生活の中でも役立つものが多いんです。そうした知識が増えていくことで、人として少し豊かになれる気がしています。いろいろな業務に携われるという意味で、比較的小さな町で働くことにも大きな魅力があると思います。

 

上市町役場で、みなさんを待っています

私共上市町役場では、税、福祉、給与など、一つの町のさまざまな仕事に携わりながら成長していくことができます。民間企業から転職した職員も、富山県外出身の職員も、それぞれの経験を活かして働いています。小さな町だからこそ広がる仕事の幅と、会話のあるあたたかな職場で、一緒に上市町の未来をつくっていきませんか。

職員インタビュー

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上市町は、富山県東部に位置し、剱岳を望む豊かな自然環境と、歴史・文化資源に恵まれた町です。清らかな水と緑に育まれた美しい景観の中で、地域の伝統や産業、人々の暮らしが大切に受け継がれています。自然と都市機能が調和した住みよい環境のもと、町民一人ひとりが安心して暮らし、訪れる人にも魅力を感じていただけるまちづくりを進めています。

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