調べた知識が、誰かの安心に。宝達志水町の行政職・ヤスカワさんが見つけた「縁の下の力持ち」のやりがい

宝達志水町役場

2026/10/29

「案外みんなが知らない知識を持っていると、すごく喜ばれます。それがうれしくて、つい調べてしまいます」

そう語るのは、宝達志水町の宝達志水病院事務局で働くヤスカワさん。

健康福祉課、税務課、生涯学習課を経て、現在は病院事務局で職員の給与や手当の計算などを担当しています。育児のための部分休業を取りながら、子育てと仕事を両立する毎日です。

今回は、宝達志水町の行政職を目指す方に向けて、これまでの仕事のやりがいや、子育てしながら働く職場の環境について、たっぷりとお話を伺いました。
 


地元で働きたい。医療事務志望から「公務員コース」への方向転換

ーまずは、ご出身と高校卒業後の進路について教えてください。

ヤスカワ:生まれは鹿児島なんです。3歳ぐらいのときに引っ越してきて、それからはずっと宝達志水町に住んでいます。高校卒業後は専門学校に進みました。最初は医療事務のコースにいたのですが、将来を考えたときに、長く安定して働ける公務員にも魅力を感じるようになって。2年目から公務員コースに移れると聞いて、1年間そちらで勉強しました。

 

ー公務員を目指そうと思ったのは、そのころからですか?

ヤスカワ:正直に言うと、「公務員になりたい」という強い思いがあったわけではありません。専門学校で進路を考えるなかで、公務員がいいなと思うようになりました。学校の方針で県外の試験もいくつか受けましたが、地元で働きたいという気持ちはずっとありました。

 

ー地元で働きたいと思ったのは、なぜだったんでしょう。

ヤスカワ:3歳からずっと暮らしてきたまちなので、やっぱり地元がいいなと。車で通える距離なら、自分の暮らしのペースを大切にしながら働けると思いました。

 

ー入庁して最初に配属されたのは、どちらの部署でしたか?

ヤスカワ:健康福祉課です。当時は窓口センターがあって、戸籍をはじめ、窓口での届け出全般を担当しました。当時はとにかく言葉が難しいと思っていて、わからないことだらけで、条例や規則を気にしながら仕事を進めないといけない。それを読んで理解するのが、すごく難しかったです。

 

ー新しく入った職員へのフォローはどうでしたか?

ヤスカワ:初任者研修があり、部署ごとにも担当歴の浅い職員向けの研修があります。たとえば私は戸籍を少し担当していたので、法務局が主催する初級編の研修に参加しました。

職場では、近くの席の方が教えてくれる形でした。皆さん業務全般を把握されている印象で、聞けば気軽に教えてくれるので、すごくありがたかったです。

国際交流から多文化共生の講座まで。模索しながら走り抜けた、育休明けの1年

ーその後は、どのような部署を経験されましたか?

ヤスカワ:税務課に異動して、1年で育休に入りました。育休明けの1年間は生涯学習課で、国際交流を担当しました。

 

ー国際交流では、どんなことをしていたのでしょう。

ヤスカワ:町が国際交流事業を通じて長年交流しているオーストラリアのヌーサ市の学生と、町内の中学校の生徒をつなぐ交流イベントを担当しました。

毎年行っている事業で、本来はお互いの町を訪ね合うのですが、当時はコロナ禍で行き来ができず、オンラインで実施しました。4月から準備を始めて、夏に交流を実施しました。

向こうの担当の方は日本語があまり得意ではなかったので、やり取りはすべて英語。私も英語は得意ではないので、翻訳ツールなど、使えるものはありったけ使って準備を進めました。当日は英語の話せる職員が進行してくれて、生徒たちにも助けられながら交流を終えることができました。

 

ーそれはかなりの挑戦ですね。交流が終わって、ひと段落でしょうか。

ヤスカワ:「やった」と思っていたら、今度は県の国際交流協会から、多文化共生事業として、羽咋市と合同で講座を開催してほしいと依頼されたんです。町に住む外国人の方に、困ったときの自治体とのパイプ役になってもらうための講座です。最終的には11月頃に全3回程の講座を開催しました。

 

ー講座はどのように企画していきましたか?

ヤスカワ:県からある程度の案はもらえるのですが、県からは「参加者が受講してみたい講座を選択するのが一番いいよ」と言われていたため、すべての参加者から講座の希望調査を取りましたが、この調整が意外と大変でした。

講座が決定してから、講師の依頼や会場の予約をする必要があったんですが、羽咋市との共催だったため、単独で進めるという訳にもいかず。羽咋市の担当者とはかなりこまめに連絡を取り合って日程調整をしました。

 

ーいちばん苦労したのは?

ヤスカワ:人材集めです。町内に外国人の方はそこそこ住んでいるのですが、普段の交流がないので、中心に立ってくれる方を探すのが大変でした。

民生委員とのつながりがある社会福祉協議会にいい方がいないか相談したり、町と羽咋市とで運営しているにほんご教室のお世話係の方にも助けていただき、それぞれの相談先から候補にあがった対象者へこちらから直接連絡してお願いしました。

そこからは「お友達も誘ってもらえませんか」とお願いして、最終的に町からは3人ほど集まりました。全講座修了後には受講証明書をお渡ししました。

今後、もし外国人のことで困りごとがあったら相談するかもしれないので、その時は自治体とのパイプ役として力を貸してもらえると心強いですとお伝えし、無事に講座を終えることができました。大変だった分、やり遂げたときの達成感は格別でしたね。

 

ー人とのつながりが生きた仕事ですね。1年を振り返って、どんなことを感じましたか?

ヤスカワ:人前で話すのは得意ではありませんが、周りのサポートもあって、なんとか1年を過ごせました。

この仕事を通じて町内で外国人の方とのつながりができたのはうれしかったです。日本語をあまり話せない外国人の方は、こういうことで困るんだと知れたのも、大きな収穫でした。

病院を支える「縁の下の力持ち」。年金の相談で言われた「ありがとう」

ー現在は宝達志水病院の事務局で4年目と伺いました。どんな仕事をしているんですか?

ヤスカワ:病院に勤める職員の給与の支払いなどを担当しています。いわゆる総務のような仕事です。月初めは医療職の方の手当の計算がメインです。たとえば看護師さんなら、こういう仕事をしたらこの手当がもらえる、というものがいくつかあります。各部署から提出された実績報告などを基に、手当に応じた実績を一つひとつ拾い上げる作業をほぼ1日やっています。

 

ー1年のなかで、忙しい時期はありますか?

ヤスカワ:いちばん忙しいのは年末調整の時期で、11月、12月はすごく忙しいです。あとは新規採用がある時期や年度末ですね。一般企業の総務とほぼ同じだと思います。

 

ー役場の窓口業務とはまったく違う仕事ですよね。どうやって身につけていきましたか?

ヤスカワ:人事の知識がまったくなかったので、最初は言われたとおりに手当を計算していました。手当の意味や計算方法は条例に書かれているものの、難しくてなかなか理解が追いつかなくて。新しく採用された方がいれば雇用保険などの手続きもあるのですが、その知識もまったくありませんでした。

今は4年目なので、そこそこ理解できるようになりました。実生活にも役立つ知識ですし、縁の下の力持ちのような業務がわりと好きなので、すごく自分に合っていると感じています。今は知識も増えてきて、「こういう制度があるよ」と皆さんに伝えられるようになりました。すごく充実しています。

 

ー実際に、職員さんから相談を受けることもありますか?

ヤスカワ:普段から制度について相談されることはあります。なかでも印象に残っているのが、年金と働き方の関係についての相談です。今は定年が延びて、長く働き続ける職員もいます。そのなかで、職員数人から「これからどういう働き方をしたらいいか」と相談を受けました。

私もまったく知らない分野だったので、国の制度を一から調べました。一人ひとりの状況に合わせて、どんな働き方の選択肢があるのかを整理して、「この働き方がいいと思います」とお伝えしました。そのとき「ありがとう」と言ってもらえて、すごくうれしかったです。

 

ー知識を身につけるのは、負担には感じませんか?

ヤスカワ:負担には思わないです。意外と楽しんでやっています。私自身にとっても、知っておけば将来きっと役に立つ知識ですし、案外みんなが知らない知識を持っていると、すごく喜ばれます。ただ、間違った情報は伝えられないので、きちんと自分で理解してから伝えるようにしています。

「帰らなくていいの?」と声がかかる職場。子育てと仕事が両立できるまち

ー住民として、宝達志水町はどんなまちだと感じていますか?

ヤスカワ:住みやすいです。金沢方面にもすぐに行けますし、子どもを預けている保育所は3歳から幼児教育・保育が無償化されていて、小学校の給食費も今は無償化されています。子どもに優しいまちという印象です。

 

ー職場としての雰囲気はいかがですか?

ヤスカワ:皆さんすごく話しやすいです。年齢層は幅広いですが、どの年代とも仲がよくて。上の方が気さくに話しかけてくれることが多いので、こちらからも相談しやすいです。

 

ー育休や復帰後はどうでしたか?

ヤスカワ:育休のときは「頑張って産んできてね」と心置きなく送り出してもらいました。復帰後、最初は部分休業を1日最長の2時間取っていました。私の負担にならないように業務を調整してくれました。急に休むことになっても「大丈夫、大丈夫」と、嫌な顔ひとつせずに対応してくれて、本当にありがたかったです。

今は朝の30分だけ部分休業を取っていて、それも今年で最後です。「ごめんなさい」と言って帰るどころか、むしろ「帰らなくていいの?大丈夫?」と声をかけてくれるぐらいなんです。

 

ー最後に、宝達志水町役場への入庁を考えている方へメッセージをお願いします。

ヤスカワ:公務員には、世間で「サービス残業が多い」などのイメージがあるかもしれませんが、そういったことはありません。私自身、子育てをしながら働いていますが、子育てをするママにとっては、これ以上ないくらいいい環境です。周りの方も本当に嫌な顔をせずにサポートしてくれますよ。

 

ー本日はありがとうございました。

「公務員になりたいという強い思いがあったわけではない」。取材の序盤、控えめにそう話していたヤスカワさん。けれど、慣れない英語でのやり取りにも向き合いながら国際交流を担い、年金の制度を一から調べて職員の相談に応えてきたエピソードからは、目の前の人のために学び続ける姿勢が伝わってきました。その挑戦を支えているのが、子育て中の職員に自然と声をかけ合う職場の空気なのだと感じます。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年10月取材)

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宝達志水町は石川の真ん中、能登への入り口に位置しています。 宝達志水町で働く魅力 □“隠れた優等生”の町「宝達志水町」で働く  宝達志水町は県内で学力No.1、ふるさと納税No.1、地域活性化やデジタル化でも着実に成果を上げている「隠れた優等生」です。あなたの経験とアイデアが、この町を支えるヒーローの新たな力になります。 □「ちょうどいい」田舎暮らし  人口約1.1万人。金沢から約40分。金沢・七尾の両都市圏にアクセスが可能です。“ちょうどいい田舎暮らし”ができる環境が整っています。仕事と暮らしのバランスを大切にできます。 □変化を楽しめる職場環境  宝達志水町は、スピード感のある行政運営が特徴。職員一人ひとりの挑戦が結果に結びつきやすく、改善や新しい取組がすぐ形になります。まちづくりに直結する手応えを感じられます。 □豊かな自然と穏やかな人間関係  宝達山や千里浜に囲まれた自然豊かな環境で、世界農業遺産「能登の里山里海」を日常の中で体感できます。程よい温かさのコミュニティに支えられ、定住しやすい町です。 □暮らしやすく、安心できる町  治安の良さは県内トップクラス(火災、死亡事故、犯罪発生率が極めて少ない)。町民の平均所得は全国平均・県平均よりも高く、子供たちの学力は全国トップレベルです。

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