受験を考えている方へ。転職で入庁した人事担当が語る、奈良県・河合町役場という選択肢

河合町役場

2026/10/30

「河合町が第一志望です、と言ってくる方は、ほぼいないと思っているんです」

率直に語ってくださったのは、河合町の総務課で人事を担当する勝水(かつみず)さん。

大学卒業後に就職した民間の営業会社を半年ほどで退職したのち、地元である河合町に戻り、臨時職員のアルバイトから役場での仕事を始めた方です。以降は国民健康保険を5年、県庁への1年間の出向を経て、現在は人事と総務、そして選挙を担当しています。

近年、河合町の採用試験には全国から応募が集まるようになりました。それでも勝水さんが見つめているのは、応募者の数ではなく、河合町を本気で選ぼうとしてくれる方の数です。

今回は、受験を考えている方に向けて、さまざまな立場・役割を経験した勝水さんから見た河合町について伺いました。

1- 勝水さん、どうして河合町役場に?

臨時職員のアルバイトから始まった役場の仕事

【勝水さんのご経歴】

  • 大学卒業後:就職した民間の営業会社は転勤が多く、半年ほどで退職。地元である河合町に戻り、臨時職員のアルバイトとして役場で働き始める
  • 臨時職員時代:福祉医療(医療費助成)の事業を担当しながら、並行して採用試験を受験
  • 入庁1年目:住民福祉課で国民健康保険を担当。折しも国民健康保険の県単位化(財政運営の責任主体が「市町村」から「都道府県」へと変わる)という大改革の時期にあたり、1から任される。以降5年間、同課に在籍
  • その後:県庁へ1年間実務研修員として派遣され、市町村振興課行政係で勤務。地方自治法、人事関係、選挙を学ぶ
  • 出向から戻って:総務課で人事を1年担当。その後、法制・選挙へ異動
  • 現在:係の統合により、人事・法制・選挙を担当

ーいくつか内定もあったなかで、河合町を選んだ理由を教えてください。

勝水:地元でずっと野球を続けていましたし、名字も珍しいので、知っている人がたくさんいました。同級生の親が職員にいる、ということもありました。そうしたなかで温かく迎えていただけましたので、他に内定もありましたが、こちらの方が働きやすいと思い、河合町を選びました。

ー入庁1年目から、県単位化という大きな改革を担当されたんですよね。

勝水:「1年目から任せるんだ」と思いながら、1からやらせていただきました。周りも分からないなかでしたので、そのときに調べる力と、県職員や自分と同時期に派遣された他市町村の実務研修員仲間と協力できる人間関係づくりが身につきました。

ー窓口から総務、選挙まで、本当に幅広く経験されていますね!

勝水:自分でも幅広く経験させていただいていると思います。職員数がそれほど多くないので、一人が受け持つ範囲はどうしても広くなります。

ー若いうちから、一つの事業を丸ごと任されるんですね。

勝水:今年8月に入った職員にも、いくつかの事業を任せています。実際にやってみないと分からないところがあるからです。もちろん、放置はしません。その分、自分で調べて、相談しながら進めることが求められます。

2- 河合町ってどんなまち?

豊かな自然と住宅地が、ちょうど半々のまち

ー勝水さんから見て、河合町ってどんなまちですか?

勝水:河合町は奈良県のなかでも小規模な町です。豊かな自然と古墳が多いです。県営の馬見丘陵公園という大きな公園があり、子ども連れの方が他の地域からも来られます。住宅地にはスーパーや飲食店などの商業施設もあり、最近では古民家を改修したおしゃれなレストランなどもできています。

ー通勤のしやすさって、どうですか?

勝水:役場は近鉄池部駅前で職員駐車場もあり、車やバイクでの通勤も可能です。今の若い方は車を持っていない方も多いので、通勤のしやすさは強みだと思います。どこに行くにもちょうどよい場所です。

ー町ならではのイベントにも力を入れられているんですよね。

勝水:夏には「ふるさと祭り」があって、多くの方でにぎわいました。春と秋の年2回開催している産直市についても、町外からたくさんの方がお越しになられます。町民マラソンも、町外の方に参加していただく大会として、この冬から一新して開催することになりました。

3- 河合町で働くとは

住民とも職員とも、距離が近い役場

ー河合町って、どんな雰囲気の職場ですか?

勝水:住民さんの意見反映されやすく、困っていらっしゃる方の話を、近くで聞ける職場だと思います。令和5年度には河合町まちづくり自治基本条例を施行し、住民と町の協働を原則に、みんなでまちづくりを推進することを目指しています。

ー入庁してすぐの若手も、住民の方と直接関わる機会が多いのでしょうか?

勝水:面積的にも広くない町なので、住民さんが役場に来られることも多いです。まず窓口業務からになりますが、お話を聞くところから始まります。分からなくてもいいから、まず聞いてあげてほしいと伝えています。聞いてもらえるだけで安心される方もいらっしゃるからです。

ー職員同士の距離感って、どんな感じですか?

勝水:職員数もそれほど多くないですし、知らない人はいません。地元出身の職員も多く、職員同士のコミュニケーションも多いです。その点、仕事のしやすさはかなりあるのかなと思います。

ーとても風通しがよさそうですね!

勝水:風通しはかなりいいと思います。ただ、近すぎるというところもあります。

ー距離が近いと、少し気疲れしてしまう人もいそうですが…

勝水:プライベートと仕事を分ける方もいらっしゃると思います。そこはそこで、私たちもオンオフは切り替えていますので、仲良しごっこをしているわけではありません。仕事のときは指導もしますし、注意するときもあります。逆に、何か頑張って成果を上げたときには、上司からもきちんと褒めていただけます。そうやってお互いを気にかけ合いながらやっていけるところは、強みだと思っています。

ー部署を越えた交流や集まりもあるんですか?

勝水:公式のものではないのですが、職員の有志で野球部があります。野球で勝つためだけではなく、普段関わらない所属の方と、野球を介して接することにより人間関係をつくっていこうというのが第一の目的です。部長級の方も入ってくれています。併せて楽しく運動して健康になれる場でもあります。

ー休日に集まって出かけたりすることも?

勝水:私も仲のよい職員とバーベキューをしたり、冬はスノーボードに行ったりしています。今年入った新規採用職員に話を聞いていたら、みんなでご飯に行ったりしていると聞きました。やりたい人がやればいい、というスタンスです。

4- 河合町でどう成長できる?

1年目から副町長と1時間。答えにたどり着くまでの道のりを、一緒に歩く

ー若手のサポートや研修について教えてください。

勝水:新人研修のなかで、今年4月に就任された副町長にも1時間ほど研修をしていただく場をつくりました。各部長級の研修もあります。入って1年も経たない職員が、副町長や部長とコミュニケーションが取れる場を人事で用意している形です。

ー中途で入庁された方も、同じように研修を受けられるんですか?

勝水:新卒と一緒に受けます。同期になりますので、同期のコミュニティも大事だと思っています。出先で働く職員もいて、それぞれ先輩に囲まれて毎日緊張していると思いますので、研修の場が一つの息抜きになればと考えています。個人情報保護や情報管理といった、どの所属でも必ず使う基本的な部分についても研修をしますので、その点は安心していただければと思います。

ー日々の業務では、どんな教え方をされているんですか?

勝水:これはあくまで私の教え方なのですが、答えそのものよりも、答えに至るプロセスを教えるようにしています。私は法制も担当していますので、そもそも法令が読めないと話になりません。ですから「一度読んでみて」と言って、読み方を教えます。「ここを見てはどうか」というところから、一緒にたどっていく形ですね。

ープロセスから伝えることを大切にされているのは、なぜですか?

勝水:答えだけを渡すといいところしか切り取らずに覚えてしまい、なぜその答えに至ったかというプロセスが抜けてしまい、似たようなケースで対応ができません。行政の仕事では、法律にも答えが書かれていないことが多々あります。自分で調べたことは頭に残りますし、将来、係長になって部下をもつようになったときに、その職員をフォローしてあげられるようになります。

ー長く安心して働き続けられる環境やサポートについても教えてください。

勝水:育児休業については、取得を積極的に推進しています。男性女性を問わず、ほぼ取得されています。今年は8人ほどです。人事が業務調整にも入ります。子の看護休暇も国の基準より広げて小学校6年生の子を養育する職員まで対象にできるよう拡充しました。人事主導で、育休のことや親の介護のこともなど親身に面談をしています。休暇制度についても、今は誰が見ても分かるようマニュアルをつくって周知をしています。

5- 河合町の選考について理解を深める

論文から集団討論へ。求めるのはコミュニケーション能力と主体性

ー最近、20代の採用に力を入れられているそうですね。

勝水:河合町は20代が少なく、私を含む30代後半から40代前半が多くなっています。その上、就職氷河期の世代が少なく、さらに上がまた多いという年齢構成となっています。実務を担う職員を増やす必要から今回の採用試験では、20代の採用を強化しています。

ーどんな人物像を求めていますか?

勝水:行政で使う知識は、入庁してからでも獲得できますので、あまり重要視していません。一番はコミュニケーション能力と、主体性です。河合町のように距離が近い職場ですと、コミュニケーションが取れないとご本人もつらいと思いますし、報告・連絡・相談が仕事の基本となります。主体性についても、今はDXなど昔とは違う方向に転換していて、日々新しいことばかりだからです。

ー選考スタイルも新しく見直されたそうですね。

勝水:一昨年まではSPIと論文と面接だったのですが、それだと人となりが面接まで分かりませんでした。例えば、学力は高くても窓口業務がうまくいかないという課題がありました。そこで昨年から論文に替えて、集団討論を導入しました。集団討論ではコミュニケーション能力と主体性を重視して採点しています。

ー実際に入った新人さんたちの様子はどうですか?

勝水:総じてコミュニケーション能力が高いです。公務員キャリアフェスに参加する際も、新規採用職員の代表として選抜したところ、「行かせてください」とかなり意欲的に言ってくれました。今年は、元々大阪に住んでいた職員が、採用にあたってこちらへ越してきてくれました。

ー最後に、河合町役場の受験を考えている方へメッセージをお願いします!

勝水:奈良県民でも「河合町ってどこ?」という方が、多くいらっしゃると思っています。まずは河合町をもっと知っていただきたいと思っています。そのうえで、住民と近い距離で働いてみたい方、自分で調べながら業務を進めていくことが面白いと思える方には、合う職場だと思います。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年9月取材)
 

職員インタビュー

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 河合町は奈良盆地の西部、なだらかに起伏する馬見丘陵の北東部に位置し、総面積約8.23平方キロメートル、人口約2万人の町です。  町の歴史は古く、約15000年前の旧石器時代に人々の生活の痕跡が見られ、続く縄文時代以降、各時代の遺跡が残されています。  特に近世以降は大和川の水運の発達とともに栄え、明治以降には、果樹栽培とその商品化や灌漑水路網の実現など、奈良県下でも最も進んだ農業が営まれていました。大規模ぶどう園づくりは、町の本格的な開拓事業とともに、大正期に始まりました。  現在、町域には西名阪自動車道、JR大和路線、近鉄田原本線が走り、大阪、名古屋方面を結ぶ交通の要所となっています。  歴史遺産を保存し、豊かな自然環境と調和をはかりながら、大都市圏にアクセスしやすい住宅都市として発展しています。

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