埼玉の市役所からUターン。1市4町を支える行政職として働くこと

西村山広域行政事務組合

2026/10/28

「1つの自治体だけでなく、1市4町という幅広い地域に貢献できる。そういう関わり方もあるんだと気づきました」
そう語るのは、西村山広域行政事務組合の事務局庶務係で働く渡邉さん。
寒河江市出身。大学進学を機に埼玉県へ移り、県内の市役所で7年間、障害福祉と住民税の業務を経験しました。地元に戻った後、行政職として採用され、現在は3年目。給与事務や職員の福利厚生を担当しています。
今回は、市役所での経験を持つ渡邉さんに、Uターンを決めた理由や、1市4町を支える行政職として働く魅力について、たっぷりとお話を伺いました。
 

子どもたちの笑顔が原点。地域に役立つ仕事を求めて、埼玉の市役所へ


ーご出身はどちらですか。


渡邉:寒河江市です。高校卒業までは地元で過ごし、大学進学とともに埼玉に出ました。心理学を専門的に学べる大学を選んだんです。


ー心理学に興味を持ったきっかけは何だったのでしょう。


渡邉:中学生の頃、友人関係などで悩む時期がありました。そのときに自分の内面、心というものに興味を持つようになったのが最初のきっかけです。私がいた学科は臨床の現場よりも、日常生活に活かせる心理学が中心だったので、友人たちも公務員や民間企業など、進路はさまざまでした。


ー進路がさまざまな中で、渡邉さんが公務員を選んだのはなぜですか?


渡邉:大学では学生団体に所属していて、地域の公民館で子ども向けの工作教室を開いたり、NPOや企業の方と一緒に地域を盛り上げる活動をしたりしていました。とくにお子さんたちが喜んでくれる姿を見て、地域の人の役に立つうれしさを感じたんです。公務員も地域に根ざした仕事なので、そういう方向に進みたいと思うようになりました。


ー地域に根ざした仕事を、と考えたとき、最初の就職先にはどこを選んだんですか?


渡邉:人口20万人以上の市です。利便性がよく暮らしやすかったことに加えて、市役所に行ったとき、職員の方々が明るく挨拶して、とても良い対応をしてくださったんです。私もここで働きたいと思いました。


ーその市役所では、どの部署からスタートしたんですか?


渡邉:新卒で障害者福祉の部署に配属され、5年間ケースワーカーを務めました。主に身体障がいのある方の福祉サービス利用の手続きや、車いす・補聴器などの購入費の助成に関する事務です。ご自宅を訪問して、障害支援区分の認定調査をすることもありましたし、窓口にも手続きでいらっしゃる方が多く、市民と接する機会は非常に多かったですね。その後、住民税の部署で2年間勤務しました。


コロナ禍で見つめ直した地元。偶然見つけた「西村山広域行政事務組合」という選択肢


ー市民と向き合う仕事を7年続けた後、地元に戻る決断をされます。何がきっかけだったんですか?


渡邉:上司や同僚に恵まれて充実していましたが、業務が忙しく、残業で夜遅くに帰る日も多くて、心身に負担を感じていました。20代が仕事で終わってしまうような感覚があり、このままでいいのかなと考えるようになったんです。周りには地元出身で、地元のために働いている職員がたくさんいて、私も地元に貢献するのもいいのかなと、ふと思いました。
当時はコロナ禍で、2年ほど帰省できない時期もありました。忙しい生活で両親にも心配をかけていたので、近くにいることで安心させたいと思ったことも理由の一つです。今も、戻ってきたことを喜んでくれています。


ーご両親も喜ばれているんですね。地元に戻ってからは、すぐに今の職場へ?


渡邉:いえ、別の仕事を経てからです。次の道を模索していたとき、公務員試験の日程をまとめたWebサイトで、偶然求人を見つけました。


ー偶然の出会いだったんですね。どんなところに魅力を感じましたか?


渡邉:市役所では、1つの自治体、自分のまちのために仕事をしていました。でも西村山地域は1市4町の自治体で構成されていて、ここなら幅広い地域に貢献できる。そういう関わり方もいいなと思ったんです。一部事務組合はなじみのない組織だと思いますし、私自身も就職活動のときは県か、1つの自治体かという目線でしか見ていませんでした。こういう組織もあると気づけたのは大きかったですね。

 

同じ公務員でもゼロからのスタート。少人数の職場で担う給与・福利厚生


ー現在のお仕事について教えてください。

 

渡邉:事務局の庶務係で、給与事務や職員の福利厚生などを担当しています。係は3人で、それぞれ受け持つ業務が少しずつ違います。前の担当者でもある上司にサポートしていただきながら、日々業務を進めています。10月という年度途中の採用だったので、最初は先輩の補助から入り、徐々に引き継ぎを受けてきました。


ー人口20万人以上の市役所から、少人数の事務局へ。働いてみて、違いを感じることはありますか?


渡邉:前の職場は規模が大きく、業務が細分化されていて「狭く深く」という感じでした。今は少人数なので業務の範囲が非常に幅広く、覚えるのが大変だと日々感じています。最初は「ここまで1人で担当するの?」と驚きもありました。


ー反対に、市役所での経験が活きていると感じる場面は?

 

渡邉:今は職員向けの通知など文書を作る機会が多いのですが、市役所でも市民や事業者向けの文書をよく作っていたので、その経験は活かせていると思います。ただ、市民向けの仕事から職員向けの内部の仕事に変わり、業務内容はまったく違います。同じ公務員でも本当にゼロからのスタートという感じで、日々勉強しています。


ー市民向けから職員向けへ、仕事の相手も変わりました。日々の業務は、どんなペースで進めているんですか?

 

渡邉:お客さんが多く来る職場ではないので、静かな雰囲気で、落ち着いて仕事ができるのはすごくいいなと思っています。市役所では、窓口が閉まった後に事務処理をしていました。今は、給与関係の期限などはありますが、先輩から毎月のおおよそのスケジュールを聞いたうえで、自分なりにペースを組み立てて進めています。


ー自分でペースを組み立てられるのは大きいですね。この2年あまりで、やりがいを感じたのはどんなときでしたか?

 

渡邉:給与改正や税制改正など制度が変わるので、「ここまで覚えたら終わり」という仕事ではありません。大変ですが、知識をアップデートしながら成長していけるのがやりがいです。職員からさまざまな制度や手続きについて問い合わせを受けますが、大きな組織ではないので、過去の事例やノウハウがないこともあります。そういうときは法令を自分で調べたり、共済組合や退職手当組合などの関係機関に問い合わせたりして、手探りで対応します。自分の手で解決していくのも、一つのやりがいですね。

写真:勤務先である事務局が入っている商業ビル内のカフェにて。休憩中に上司と談笑している様子。

根拠まで教えてくれる先輩たち。早く帰れるようになって取り戻した「何もしない時間」


ー手探りで対応する場面もある中で、周りの職員の方には相談しやすいですか?

 

渡邉:ベテランの方が多く、知識豊富な頼れる方ばかりです。相談すると嫌な顔をせず、いつも助けてくださいます。
この職場では先輩が「以前からのやり方」だけでなく、根拠や、なぜこの業務を行っているのかまで丁寧に教えてくださいます。過去の資料をいただいたり、「条例はここに載っているよ」と教えてくださったり。深い理解につながるので、成長していける職場だと思います。


ー市役所時代は残業で遅くなる日が多かったとのことでしたが、今の働き方はどうですか?

 

渡邉:プライベートとの両立がしやすくなりました。終業は17時15分で、18時前には家に着いていることも多いです。年末調整のある11月・12月や、年度末・年度初めの繁忙期には残業もありますが、市役所にいた頃と比べると、ずっと早く帰れています。以前は家に帰ってゆっくりする時間も取れませんでしたが、今は帰って何もしない時間もつくれるようになりました。


ー帰って何もしない時間、いいですね。お休みの日は、どんなふうに過ごしているんですか?

渡邉:土日祝日が休みで、6月から10月の間に6日取れる夏季休暇もあるので、それを使って出かけたりしています。近隣のまちに買い物に行ったり、1時間ほどで行ける仙台まで足を延ばしたり。年に数回は、県外まで好きなアーティストのライブを見に行っています。イベントは週末が多いので、遊びにも行きやすいですね。


ー最後に、応募を検討している方へメッセージをお願いします。

 

渡邉:仕事とプライベートを両立でき、福利厚生の制度も整っていて、すごく働きやすいと思っています。私自身、公務員の経験はあったものの、未経験の業務ではゼロからのスタートでした。行政職は人数が少ないので一人一人の責任が大きく、入ったばかりの頃は不安な気持ちもありました。でも、頼りになる上司や先輩ばかりで、日々助けてもらいながら安心して働けています。安心して入ってきてください。


ー本日はありがとうございました。

 

落ち着いた口調で、一つ一つの質問に丁寧に答えてくれた渡邉さん。「ゼロからのスタート」と何度も口にしながらも、法令を調べ、関係機関に確認しながら自分の手で解決していく仕事に、確かな手応えを感じている様子が伝わってきました。市役所での経験と、地元に戻って得た時間。その両方が、今の渡邉さんの働き方を形づくっているのだと感じました。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年10月取材)


 

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5つの市町を、ひとつの力で支える。 西村山広域行政事務組合は、寒河江市、河北町、大江町、朝日町、西川町の5市町で構成され、地域の暮らしを支える仕事をしています。 月山、葉山、朝日連峰。寒河江川や最上川。豊かな自然に囲まれた西村山地域には、ここで暮らす人たちの日常があります。 消防・救急、暮らしで出てくるごみの処理など、地域の安全・安心を守る仕事。行政事務を通じて、地域の仕組みや暮らしを支える仕事。 一つひとつの仕事は違っても、目指すものは同じです。 「この地域を支える」ということ。 地域のために働きたい。 人の役に立つ仕事がしたい。 地域の未来に関わりたい。 そんな想いを持つ方を、私たちはお待ちしています。

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