「性別は関係ない」を体現する、誰もが活躍できる消防士の仕事
宇佐市役所
「性別は関係ない。それを、私自身が身をもって実感しています」
そう語るのは、宇佐市消防本部の消防係で働く中山さくらさん。
高校卒業後の2024年に地元・宇佐市消防本部へ入庁し、半年間の消防学校での訓練を経て、同年10月から消防係の一員として火災現場や救急現場の最前線に立ってきました。女性消防士として体力面の努力を重ねながら、日々市民と向き合っています。
今回は、消防の仕事を志したきっかけから現場での経験、そして女性としてこの仕事に向き合う思いについて、たっぷりとお話を伺いました。
- 祭りで見た救助の光景。恩返しの気持ちで選んだ地元・宇佐市消防
- ご飯も喉を通らない訓練。緊張で装備を忘れた苦い初出動
- 初めての心臓マッサージ。「ありがとう」の言葉に感じたやりがい
- 性別に関係なく活躍できる場所。仲間と支え合う宇佐市消防の日々
祭りで見た救助の光景。恩返しの気持ちで選んだ地元・宇佐市消防
ー消防士を目指したきっかけを教えてください。
中山:小学生の頃、宇佐市のお祭りで船の衝突事故に遭遇したことがあります。その時に駆けつけてくださった救急隊員の方がとても親切に対応してくださって、すごく安心することができました。この経験から消防士、救命士に憧れを抱くようになり、私も誰かの役に立てる仕事がしたいと思うようになりました。
ー高校卒業後の進路は、最初から消防一筋で考えていたのですか。
中山:はい、消防一筋で考えていました。それだけ魅力を感じていたので、他の選択肢はあまり考えませんでした。
ー地元の宇佐市を選んだのには、どのような思いがあったのでしょうか。
中山:小学校からずっとこの地域で育ってきて、登校や下校の時に声をかけてくださる方も多く、とても親身にしていただきました。その方たちへの恩返しも兼ねて、地元である宇佐市で就職したいと思いました。ほかの自治体は受けていません。

ご飯も喉を通らない訓練。緊張で装備を忘れた苦い初出動
ー消防士として、具体的にはどのような業務を担当されていますか。
中山:火災現場での消火活動のほか、救急現場では救急隊との連携を行い、救助現場では要救助者の救出や安全確保を行っています。災害がない時は、事務処理や訓練を行っています。
ー入庁して半年は消防学校での訓練があったそうですが、実際はどうでしたか。
中山:想像以上にきつかったです。ご飯が食べられなくなるくらいの厳しい訓練でした。人の役に立ちたいという気持ちで消防士になったので、くじけそうになった時はその気持ちを思い出したり、一緒に訓練している仲間と励まし合いながら乗り越えていきました。
ー配属後、初めての出動はどのような経験でしたか。
中山:実は、初めての出動は途中帰署となりましたが、緊張のあまり必要な装備品を忘れてしまった経験があります。その場では周囲からお叱りを受けましたが、一緒に気をつけていこうと励ましてもいただきました。それ以来、出動前は必ず装備品の確認を徹底しています。
ー現場での経験を重ねる中で、日頃気をつけていることはありますか。
中山:接遇には一番気をつけています。現場でも署にいる時でも、市民の方々と接する場面があるので、言葉遣いや気遣いは特に意識しています。クレーム対応や電話対応についても、入庁してすぐの新人研修で学びました。想像していた以上に厳しい声をいただくこともありましたが、相手の立場や気持ちを考えてから発言するようにしています。

初めての心臓マッサージ。「ありがとう」の言葉に感じたやりがい
ーこれまでで印象に残っている現場はありますか。
中山:配属されてすぐの頃に行った救急現場です。初めて傷病者に胸骨圧迫を行うことに怖いという気持ちもありましたが、ちゃんとしないと救えないという思いで活動しました。訓練で経験していたこととは全く違い、緊張感もすごくあったので、今でも強く記憶に残っています。
ーその経験は、その後の成長にどうつながっていますか。
中山:一つひとつの現場で、自分が行った活動について先輩に聞いたり、先輩の判断に疑問があれば質問したりして、そこで納得できることが多く、成長につながっていると感じています。
ー現場対応以外にも、成長を感じた経験はありますか。
中山:先輩方と、市民の方向けの救急講習の講師を担当したことがあります。夏場は水の事故が増える時期で講師の依頼が多く入りますが、私自身はまだ3回ほどしか経験がなく、職場では通じる言葉でも市民の方には伝わらないことがあるので、分かりやすい説明を心がけています。
ー仕事のやりがいを感じるのは、どのような時ですか。
中山:消防の仕事は直接市民の方々に関わる仕事なので、誰かの役に立てた時にやりがいを感じます。現場で「ありがとう」と言っていただいた時は、この仕事に入ってよかったと思います。

性別に関係なく活躍できる場所。仲間と支え合う宇佐市消防の日々
ー勤務のサイクルと、休日の過ごし方について教えてください。
中山:1日勤務のシフトが3つあり、朝8時半から翌日の8時半まで勤務するサイクルです。朝は車両の点検を行い、事務作業や訓練を経て、夜は10時から2時間交代で通信勤務(電話対応)に入ります。休みの日はジムに行ったり、趣味のサウナに行ったりして過ごしています。
自分は女性なので、体力の面で人一倍の努力が必要だと感じる場面があり、皆と同じ訓練をしているだけでは足りないと思うので、現場で市民の方々に頼っていただける自分でいられるよう、休日も体を動かすようにしています。
ー職場の雰囲気については、どのように感じていますか。
中山:消防の仕事は男性がする仕事というイメージがまだ強いと思いますが、先輩方が優しく丁寧に指導してくださるので相談もしやすく、働きやすい環境だと感じています。訓練で疑問に思ったことは自分から質問するようにしているので、コミュニケーションはしっかりとれています。
ー改めて、宇佐市で消防士として働く魅力を教えてください。
中山:子どもの頃は登下校の際に声をかけてもらうなど、地域の方々に支えられる立場でしたが、今は届出業務や救急講習を通じて、逆に市民の方々と直接接する立場になっています。仕事の話だけでなく普段の相談を受けることもあり、この距離の近さが宇佐市の魅力だと感じています。
また、消防の仕事は体力だけが求められるわけではなく、個人それぞれの得意分野を発揮できるところも魅力です。現場に出る実働の仕事だけでなく日勤の仕事などさまざまな役割があるので、それぞれの強みを活かせます。
ー消防を目指す方、応募を考えている方にメッセージをお願いします。
中山:性別に関わらず、誰でも活躍できる仕事です。仲間と支え合いながら、自分自身もどんどんレベルアップできる職場なので、少しでも気になったら、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいです。

ー本日はありがとうございました。
中山さんのお話は、緊張の中にもまっすぐな言葉であふれていました。船の衝突事故で救急隊員に救われた経験から消防の道を選び、装備品を忘れた失敗も、初めての心臓マッサージの緊張も、一つひとつ糧に変えてきた姿が印象的でした。
「性別は関係ない」という言葉は、自身の努力の積み重ねの先にある実感なのだと感じます。地域との距離の近さを大切にしながら、性別に関わらず活躍できる場所を探している方にとって、中山さんの歩みは一つの道しるべになるはずです。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)
この記事の官公庁・自治体
大分県の北部に位置する宇佐市は、広大な海や平野からなる自然あふれるまちです。 「選ばれるまち宇佐」を目指し、様々な政策に取り組んでいます。 大分市や小倉など、都市部へのアクセスも良好です。 宇佐市の未来を創る仕事に挑戦していただける方を募集しています!
宇佐市役所をフォローして、「新着求人の通知」を受け取りましょう!
この記事が気に入ったらお気に入り登録しましょう!
