奈良県奈良市役所の公園緑地課で企画整備係として働く⻄山 優弥さんに、担当している業務についてお話を伺いました。
—これまでの経歴について簡単にご紹介ください。
⻄山：大学卒業後に新卒で奈良市役所に入庁しました。公園緑地課に配属されて現在6年目です。入庁から3年間は公園緑地課の公園管理係に、3年目～現在に至るまでは企画整備係に勤務しています。
—もともと公務員志望だったのでしょうか？
⻄山：はい。私の叔父が公務員ということもあり、市民のために働く姿を見て公務員という仕事に憧れがありました。私も公共インフラの整備を通して長期的に市民生活を支える仕事がしたいと思い、公務員を志望しました。
—奈良市を選んだ理由をお聞かせ下さい。
⻄山：私は奈良市で生まれ育ちました。歴史的文化遺産や豊かな自然環境に恵まれ、おっとりした雰囲気をもつ奈良市での暮らしが好きでしたが、一方で、道が狭い、坂道が多いなどの課題を感じていました。単に道路を改修するというのは簡単なことかもしれませんが、同時に景観の保全も考える必要があります。
私は公共インフラの整備を通して、文化遺産や自然環境と市民生活の調和を図り、生まれ育った奈良市がもつ風情を守りたいと思い奈良市を選びました。公務員として市民のために働くなら、「家族や友人が暮らしている奈良で」と思ったのも１つの理由です。
—最初から奈良市役所を志望していたんですね。採用試験はいかがでしたか？
⻄山：大学では工学部に在籍していましたが、水環境を専攻していたため、専門試験に必要な知識は深く学べていませんでした。ただ、受験資格はありましたので、独学で学び試験に臨みました。
試験は1次から4次までありました。1次は集団面接、2次は個人面接や適性検査の結果、3次は専門試験、4次は最終面接でした。
個人的に大変だったのが3次の専門試験です。基本プラス応用レベルだったとは思うのですが、独学でしたのでかなり苦戦しました。
—独学で学んで、見事採用になったのはすごいですね！では、現在の業務内容について教えてください。
⻄山：公園管理係では、市内にある約580箇所の都市公園・都市緑地を管理しています。主な業務は公園施設の修繕や樹木の剪定伐採などの維持管理です。
企画整備係では、都市公園事業に係る整備工事や、開発行為の事前協議、公園の利活用に係る企画や調整を行っています。 
—約580も公園があれば、管理は大変ではないですか？現場には直接行くのでしょうか？
⻄山：そうですね。公園管理係は市民からの問い合わせに対応するため、ほぼ毎日現場に出ます。現地確認や立会を経て、どう対応するのが最善かを検討し、設計、発注するといった流れです。
企画整備係は工事発注に伴い必要な現地調査や立会、工事の監督などで現場に出ます。
—現場では実際に対応もされるんですか？もしくは外部に発注するのですか？
⻄山：職員が現場で作業することもあります。例えば、樹木の剪定伐採等の要望があり、特殊な技術を要しない現場であれば、直営で対応します。
規模によっては外部発注も行いますが、予算やスピード感の問題もあります。できるだけ早く問題を解決することが住民のためになるので、直営作業も織り交ぜて対応しています。
—入庁当初はどのような教育体制でしたか？
⻄山：新人職員1人に先輩職員1人がつき、職員として自立できるよう補助するルーキーサポーター制度という仕組みがあり、業務の流れや電話・窓口対応、現場対応など、ひと通りのことを丁寧に教えてもらえたので、割と早く職場に馴染めたと感じています。
—課の体制はどのような形ですか？上司との関係性はいかがでしょう？
⻄山：係は2つあり、基本的な業務は分担されていますが、時には協力して問題解決に努めます。
困った時には上司に相談して的確な助言をいただいたり、一緒に対応してもらったりします。上司は親身に相談に乗ってくださる、非常に頼もしい存在です。
—働き方はいかがでしょうか？残業はありますか？
⻄山：残業は月々20～30時間程で、平均すると1日1時間程度です。倒木や漏水など、緊急を要する場合は休日出勤することもありますが、基本的に土日祝は休みです。仕事とプライベートがしっかり両立できる職場です。
—公園の利活用に係る業務はどのようなものがありますか？
⻄山：公園緑地課では令和4年度に「奈良市公園マネジメント基本計画」を策定しました。
この計画は、今後の奈良市の都市公園等の整備・管理・活用における将来像や重視される視点、基本的な方向性を示すために策定されたものであり、市民や地域コミュニティなどとの連携を深めるにあたり、考え方を共有するためのツールとしての役割も担います。
既に本計画に基づき市と地元が協議し、公園の在り方について合意形成を図っている地域もあります。
—都市公園事業に係る整備とは具体的にどのようなことでしょうか？
⻄山：例えば、奈良市柏木町にある柏木公園の再整備工事です。柏木公園は設置から40年以上が経過し、施設の老朽化が危惧されていました。
令和４年度に、隣接地に奈良市子どもセンターという子育て支援のための総合施設が建設されたことに伴い、一時避難場所に指定され地域の防災拠点である柏木公園を整備することで、施設全体の機能向上と地域の活性化を図りました。
元々、柏木公園の一部は森林で子供たちが遊べる場所ではありませんでしたが、大型遊具を複数設置し、子供たちが安心して遊べるキッズパークとして整備しました。その他、駐車場や園路の整備等も行っています。
—その他、対応している業務はありますか？
⻄山：各公園の老朽化した施設を更新する公園施設の長寿命化事業や地元要望に基づく公園の整備工事などを担当しています。
—ご自身が地域住民の方とコミュニケーションをとることはあるのですか？
⻄山：必要に応じ現場立会や説明会を行います。場合によっては計画の練り直しも行います。地域住民の為の整備なのでしっかりご意見を伺い、計画に取り入れ、可能な限り実現していくよう心掛けています。
—仕事のやりがいや面白みについてはいかがでしょうか？
⻄山：市民、業者など様々な立場の方と関わり、協力して共通のゴールに向かうので、目標を達成した喜びを共有できることが、1つのやりがいだと感じています。
また、工事が竣工した様子を目で見て実感できることもやりがいの１つだと思います。特に、私が整備した公園で子供たちが楽しそうに遊ぶ姿を見ると、とても嬉しくなります。
—今後どのような仕事をしていきたいですか？
⻄山：今後も公共インフラの整備に携わり、色々なご縁や経験、知識を増やし、市民生活を支える土木職職員として活躍していきたいと思います。
—では、最後に奈良市の魅力について教えてください。
⻄山：奈良市には、30箇所以上の子育て広場と呼ばれる子育て支援施設があり、子育て仲間を見つけたり、子育ての情報を得たりしながら、親子の時間を安心して過ごすことができます。
緑豊かな自然環境や充実した子育て支援制度もあるので、子育てに適した環境が魅力ではないかと思います。私自身、現在1歳の子供がいて、妻は第２子妊娠中のため、その魅力をひしひしと感じています。
また、市内には数多くの公園が点在しています。公園は親子の憩いの場となるだけでなく、都市防災の役割も担っているため、奈良市での安全・安心な暮らしに繋がっているのではないかと思います。
—本日はありがとうございました。
