湖南市役所3名のリアル。「400人全員の顔がわかる」まちで、若手の意見が施策になる
湖南市役所
「自分の意見が、そのまま形になるのがとても楽しくて。国スポの仕事では、自分のアイデアが採用されたんです。」
そう話してくれたのは、湖南市役所で7年目を迎えた管財契約課庁舎整備室の中島さん。滋賀県で44年ぶりの開催となった国スポ・障スポの担当を任されたときの仕事を振り返りました。
今回は、湖南市役所で働くことを考えている方に向けて、入庁の経緯から日々の仕事、職場の雰囲気、そしてこれからのキャリアについて、中島さん、入庁9年目の人事課の青木さん、入庁3年目の商工観光労政課の寺村さんという、年次も経歴も担当業務もバラバラな3人にお話を伺いました。
施工管理から条例づくりへ。それぞれの「湖南市を選んだ理由」
ーまずは、入庁前のことを教えてください。
青木:公務員を受ける前は、実はあまり真面目に就職活動をしておらず、受験していた企業も航空会社くらいでした。その結果がダメだったこともあり、そこから公務員受験に切り替えました。正直なところ、市役所はタイミング的にまだ受験ができたという理由が大きかったのですが、今思い返すと、直接社会の役に立てるという点に魅力を感じていたように思います。
中島:大学で中国語を専攻し、アメリカとオーストラリアへの留学も経験しました。高校生の頃はグローバルな仕事を考えていた時期もありましたが、両親がともに市の職員で、公務員という仕事が身近な存在でした。湖南市は学生時代にアルバイトで訪れることも多く、地元のような感覚があり、受験することにしました。
寺村:大学卒業後、施工管理の仕事を1年間務めました。国道や高速道路の舗装を担当していましたが、自分には合わないと感じていました。もともと公務員は目指していたものの、当時は試験の時期が重なり受験できませんでした。働きながら受験するとなると土日に試験を実施している自治体が限られていたため、一発勝負で湖南市だけを受けて、なんとか受かったので入庁しました。
土木もワクチンも庁舎建設も。「ゼロから覚える」が当たり前の職場
ー皆さん、これまでに複数の部署を経験されていますが、仕事の内容は大きく変わりますよね。
青木:最初の部署は都市政策課で、石部駅のバリアフリー化に3年間携わりました。その後、新型コロナウイルスワクチン接種対策室で1年、総務課・選挙管理委員会で法規担当を4年務め、今年から人事課というキャリアです。法規の仕事では条例や規則の審査を専門に担当していたため、今の人事の仕事にも意外とつながる部分があり、当時学んだことがここで役立っていると感じています。
中島:教育総務課(教育委員会)から始まり、保険年金課、文化スポーツ課(国スポ・障スポ大会推進室)を経て、今は庁舎整備室で働いています。各部署でまったく異なる仕事を担当してきましたが、分からないことがあれば過去の資料を掘り起こし、上司に教えてもらうことなどを繰り返すうちに、最近は「どんな部署でもやっていける」という感覚が身についてきました。ただ、最初の異動を告げられた瞬間は、半日ほどかなりショックを受けましたね(笑)。
寺村:自分はまだ1部署目なので、先輩方の話を聞くとドキドキしますね。今は商工観光労政課で、中小企業の設備投資補助金、合同就職面接会の運営、障がい者の方の就業支援など、幅広い業務を担当しています。最初は先輩に「新規採用職員支援員」としてついてもらい、1か月ほどで独り立ちしました。
ー中島さんは、支援員を担当したことがあるそうですね。
中島:3年目のときに担当しました。若手に教えるうえでは、仕事の内容だけでなく、どこまで踏み込んでいいかという距離感を探るのも難しいところです。最新のSNSもあまり見ないので、何を話題にすればいいか探りながら進めていました(笑)。

400人全員の顔と名前が一致する。湖南市でしか味わえない「アットホーム」の中身
ー湖南市役所の雰囲気を、それぞれ教えてください。
中島:全職員が400人ほどなので、ほぼ全員の顔と名前が一致します。どこで会っても知っている人ばかりで、それが家庭的な雰囲気につながっています。特に印象に残っているのは、教育委員会から異動する際、皆で手を広げてアーチを作り、その間をくぐらせて送り出してもらったことです。学校の先生方が多い職場ならではの、温かい雰囲気でした。
青木:人事課の立場から見ても、コミュニケーションが取りやすい組織だと感じます。正式な制度としては、人事考課面談として年に3回上司と直接話し会える機会がありますが、それ以外の場でも日常的にとても話しやすい雰囲気があり、風通しのよさを支える要素の一つだと思います。
寺村:私はまだ同じ敷地内の別棟にいるため全員の顔を知っているわけではありませんが、今の課の中で人間関係に悩んだことは一度もありません。来年あたり異動になるのではと思うとドキドキしますが、先輩方の話を聞いていると、どこに行っても基本的には同じ空気が流れているという安心感があります。
ー新庁舎の計画が進んでいると聞きました。
中島:今から約3年後に、東庁舎の敷地内に複合庁舎が完成する予定です。現在は東庁舎・西庁舎・保健センターなど複数に分かれており、市民の方にも「次はあちらの建物へ」とご不便をおかけしている状況ですが、それが一か所に集約されます。フリーアドレスやグループアドレスの導入も検討しており、他部署と物理的に近くなることで、より日常的な交流が生まれると考えています。
~新庁舎の完成イメージ~

「言ったら通る」組織で、若手のうちに何をするか。湖南市で描くキャリア
ーキャリアの話もお聞きします。異動が多い中で、どのように自分のキャリアを考えていますか。
青木:これまで嫌だった部署は一つもありません。どの部署の仕事も楽しく前向きに取り組めています。ただ、公務員としてのキャリアという視点で見ると、どの部署も法律とは完全に無縁ではないため、法規の仕事で鍛えた部分が今の人事の仕事にも活きています。まったく違う仕事を渡り歩くことが、後から点と点でつながっていく感覚があります。
中島:自分には、ルーティンワークよりも新しいことを考えて形にしていく仕事が合っていると感じています。窓口業務もやりがいがあり、学ぶことも多くて良かったのですが、個人的には少し物足りなさがありました。今は庁舎整備という大きなプロジェクトを任されており、約3年後に自分たちが関わった新庁舎が完成することにやりがいを感じています。希望通りの部署でなくても、頑張りを見てくれているという実感があり、そこは信頼できる組織だと思っています。
寺村:自分はまだ3年目なので、異動への不安は正直あります。ただ、将来管理職になっていく中で様々な部署を知っておかないと対応できなくなるため、多くのことを学べる機会だと捉え直しています。今の職場は困りごとを気軽に声に出せる環境なので、それを信じて取り組んでいきたいと思います。
ー湖南市役所を目指す方へメッセージをお願いします。
中島:他の市町の職員の話を聞いていて自分でも思うのですが、湖南市ってとてもホワイトだと感じていて。休みもとりやすいし、時間中に仕事を終わらせてみんなで定時で帰ろうという雰囲気があるので残業も少ないです。この点は湖南市で働く魅力だなと思っています。
青木:実際のデータとしても、湖南市は残業時間が他の自治体と比べてかなり少なく、有給の取得率も高い水準にあります。また、中島さんも言っていたように、若手職員の意見がとおりやすい組織であると思います。総務課にいたときに条例の立案を企画したのですが、みんな快く受けとめてくれて。自分で条例を作るのはとてもやりがいがありました。
寺村:仕事の幅が広く、様々な経験ができます。多少の不安があっても、周りの先輩が支えてくれる環境なので、迷いなく飛び込んできてほしいと思います。駅から庁舎も近いので、公共交通機関でも通いやすいです。ぜひ一緒に働きましょう。
ー最後に、3人で何か話したいことはありませんか?
青木:せっかくなので、他の部署の若手職員の意見を聴く機会もあまりないですし、何か今の湖南市の働き方で不満なところとかあったりしますか?言いづらいかもしれないですが…(笑)
中島:あまりないのですが、強いていうなら、もっと長期の連続休暇がとりやすいといいなあと思います。むかしは夏季集中休暇があったのですが、今はバラバラに取るようになってしまったので。
寺村:私は、時差出勤(フレックスタイム)などができればいいなと思うことがあります。出退勤の時間は道も混んでますし、個人的に朝も弱いので(笑)。
青木:実はいま、人事課で職員の連続休暇の取得を促進するための施策を検討しています。職員がみんな年に1回海外旅行に行けるような組織になれば魅力的ですよね。時差出勤(フレックスタイム)についても、ぜひ検討していきたいと思います。
中島:ぜひお願いします!実は私も朝が弱くて。もう少し遅い時間の出勤ができればありがたいです。
ー本日はありがとうございました。
異なる出発点を持つ3人が、「意見が通りやすい」という共通の言葉で湖南市を語る。規模が小さいからこそ全員の顔がわかり、小さいからこそ若手の声が制度になる。そのような湖南市の働きやすさが、三者三様で語られるインタビューでした。

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)
この記事の官公庁・自治体
湖南市は、自然環境(野洲川、天然記念物ウツクシマツの自生地など)、歴史観光資源(国宝湖南三山など)が豊富なまちで、交通ネットワーク、工業団地の整備により発展してきました。 地域からの移住者も多く、外国人比率は県内で最も高く、多様な文化が育まれています。また、湖南市は災害が比較的少ないため、安心して暮らすことができると言われています。 さらに令和2年7月17日、「SDGs未来都市」に県内市町で初めて選定されました。このような自然豊かで多文化共生を認め合う持続可能な未来都市を目指して街づくりを行っています。
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