転職保育教諭が語る、京丹後市の子どもの「やりたい」を形にする保育の現場

京丹後市役所

2026/08/18

「子どもたちの『やりたい』というつぶやきに応じて、一緒に考えながら保育をしています」

 

そう語るのは、京丹後市の大宮子ども園で保育教諭として働く、橋本さん。別の市の保育施設で6年間経験を積んだのち、地元・京丹後市にUターンし、現在は5歳児クラスの担任を務めています。

 

今回は、子どもたちの「やりたい」を大事にする、保育のあり方や、実際の働き方について、たっぷりとお話を伺いました。

 

複合型施設から一転。地元・京丹後市を選んだUターンの理由

ー橋本さんは、京丹後市役所に入庁される前は、どちらで働いていらっしゃったんですか?

 

橋本:近隣の市の保育園で6年間働いていました。最初の5年間は複合型施設という、普通の保育所とは違って、高齢者・障害者・保育所という3つの事業が1つの施設に集約されているところです。

 

ー働いてみて、ある程度経験を積まれてから、地元に戻ろうと思われたきっかけは?

 

橋本:働いていくうちに、保育士としての経験を積んで、もっと自分にできることを増やしていきたい、保育に専念したいという気持ちが強くなってきました。また、次に働く場所はずっと働ける場所がいいなと思い、それなら地元である京丹後市を選びました。

 

ー試験対策はどのようにされたんですか?

 

橋本:受けようと決めてからだったので、1か月ぐらい前から対策を始めました。ピアノは苦手なんですけど、毎日練習しました。1次試験ではピアノや絵本の読み聞かせもあったんですが、その時に試験官の方が笑顔でうなずいてくださったりして、緊張しながらも温かい雰囲気だなと感じました。

340個の玉ねぎから始まった「玉ねぎ屋さんごっこ」。子どもの「やりたい」を形にする保育

ー入庁されてからは、どのようなお仕事をされてきたんですか?

 

橋本:入庁したのは大宮子ども園で、150人から160人くらいの、大きな園です。10月の入庁時点では0歳児の担任、今年4月からは5歳児の担任をしています。

 

ー前の職場と比べて、保育のやり方に違いを感じることはありますか?

 

橋本:子どもたちの主体性を大事にした保育をされているなと感じています。5歳児クラスでも、みんなでこうしようというよりは、一人ひとりがやりたいことを伸ばしていく。運動会や発表会のような行事も、それに向けて準備をして頑張ろうというより、日頃の子どもたちの姿を見てもらう場という位置づけになっています。

 

ー具体的に、最近印象に残っているエピソードはありますか?

 

橋本:今、玉ねぎを使った取り組みをしています。年間で野菜を育てているんですが、今年収穫した玉ねぎが340個あることが分かったんです。そこから、子どもの「玉ねぎ屋さんをしてみたい」というつぶやきがあって、クラスのみんなも「いいね」と。

 

サークルタイムというクラスで話し合う時間があるんですが、そこでレジや帽子、チケットが必要だという意見が出て、実際にチケットやポスターも作りました。他のクラスの子をお客さんとして招待して、チケットを持ってきたお客さんに「いらっしゃいませ」と1人1個ずつ玉ねぎを渡して、おうちでどんな料理をしたか感想も書いてもらう予定です。夏野菜も育てているので、そちらにもつなげていきたいと思っています。

 

ー0歳児を担任されていたときは、いかがでしたか?

 

橋本:0歳児の時は、園長先生が入園当初からの保育をとても大事にされていて、親から離れて保育者と初めて信頼関係を築く時期だからということで、1対1で給食を食べさせるようにしていました。前の職場では机を囲んで3人ぐらいを一斉に見ていたので、1人ずつ、この子は何が苦手なのかなど落ち着いた環境でしっかり見てあげられるのは新鮮でした。

 

週1回の話し合いが支える、みんなで考える職場文化

ー新しい職場に慣れていく中で、教えてもらったことなどはありますか?

 

橋本:主に0歳児クラスのもう1人の先生に、一緒に担任として働きながら教えていただきました。他の先生方も優しく声をかけてくださるので、話しやすい環境だと感じています。

 

ー最初、大変だったことはありますか?

 

橋本:まずは子どもの人数の多さで、覚えられるかなという不安はありました。でも、すぐに覚えられましたし、職員同士がよく声をかけ合って連携してくれるので、あたふたすることもなく過ごせたかなと思います。

 

ー馴染んでいくのは大変ではなかったですか?

 

橋本:実は園長先生が、私が前に通っていた学校で担任をされていた先生だったんです。知っている先生もいたので、打ち解けるのに時間がかかったという感じはありませんでした。

 

ー会議や話し合いの機会は多いんですか?

 

橋本:週に1回の職員会議のほかに、行事の予定や相談ができる『週案会議』もあります。月に1回は幼児・乳児それぞれの職員でテーマを決めて話し合う会もあります。

 

誰かがこうしていこうと決めるというよりは、「私はこう思うけど、みんなはどう思う?」というふうに、みんなで話し合って考えていくことが多いです。前の職場は月1回の職員会議があるくらいだったので、話し合いの場が多いなと感じました。

早出は月1回。持ち帰りをやめて見つけた、自分らしい働き方

 

ー働き方について伺いたいのですが、シフトはどのような感じですか?

 

橋本:主に8時30分から17時15分の勤務で、月に1回程度早出勤務(7時30分から16時15分まで)と遅出勤務(9時15分から18時まで)があります。週に1回か2回は勤務後に1時間程度の時間外勤務を行い延長保育に入ります。前の職場では早出が週1回ほどあったので、そこは負担が減ったと感じています。

 

また、子どもをお迎えが来たあとの事務作業の時間として確保されているので、ありがたいです。

 

ーワークライフバランスについてはいかがですか?

 

橋本:この職場で持ち帰っての仕事はしていません。今は旅行に出かけるのが好きなので、そういう楽しみを持ちながら、休日は仕事のことを考えずリフレッシュするようにしています。

 

ー保護者対応で気をつけていることはありますか?

 

橋本:子どもの人数が多い分、保護者の方お一人おひとりとゆっくり話せる時間は限られてしまいます。子どもが家で話す内容と、私たちが伝えることに食い違いがないように気をつけていて、特に怪我をしたことなどは、しっかり伝えるようにしています。

 

 

ー最後に、京丹後市を目指す方へメッセージをお願いします。

 

橋本:京丹後市は人が良いところが本当に素敵だなと思っています。地元で働いていても、そこは変わらないと感じますし、海や自然が豊かなところも魅力です。最近は熊が出ることもありますが、それでも自然豊かなところが私はとても好きです。ぜひ色々な方に来ていただけたらいいなと思います。

 

ー本日はありがとうございました。

 

 

持ち帰りをやめると決めた転職後の変化や、週1回の話し合いを大切にする職場の様子からは、無理なく長く働ける環境づくりが伝わってきました。地元・京丹後市への思いを大切にしながら、子どもたちと向き合う橋本さんの姿に、保育の仕事の魅力を感じる取材となりました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

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京丹後市は日本列島のほぼ中央、京都府北部の日本海に面する位置にあります。 市内海岸線全てが山陰海岸国立公園と丹後天橋立大江山国定公園に指定されており、日本海形成の過程で生まれた貴重な地形・地質は、市民の暮らしや文化を育む大地の公園「山陰海岸ジオパーク」として、ユネスコから世界認定を受けています。 この豊かな自然は、美しい景観だけでなく、四季折々の旬の食材や京都府下最多となる 40 の温泉源をもたらし、さらには、古代「丹後王国」として栄えてきた数々の歴史、伝説、文化を生み、日本遺産「300 年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」に認定された丹後ちりめんなど多くの地場産業を育みました。 私たちの仕事は、人々や食、自然に恵まれた京丹後市の心豊かな暮らしを支えることです。 このまちが好きだから、このまちに住む人に、このまちをもっと好きになってもらいたい。 毎日出会う人の笑顔が私たちの支えとなり、京丹後市の可能性を広げる原動力となります。 笑顔が溢れるまちだから、私はもっと好きになる。 そんな私たちと一緒に働きませんか。

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