離れたくないまちで、子どもと育つ。京丹後市・認定こども園で働く3年目保育教諭の日々

京丹後市役所

2026/10/15

「散歩に出れば、田んぼも川もあって、草や花でいっぱいなんです」

 

そう笑顔で語るのは、京丹後市の丹後こども園で保育教諭として働く、入庁3年目の廣野花さん。兵庫県西宮市の短期大学を卒業後、令和6年4月に京丹後市役所に入庁し、0歳から5歳まで約69人の子どもたちが通う認定こども園で、0・1歳児クラスの担任を務めてきました。

 

今回は、保育士を目指す方に向けて、これまでのご経験や仕事のやりがい、働く環境について、たっぷりとお話を伺いました。

 

都会の短大で見えた、揺るがない答え。「やっぱり京丹後がいい」という原点

ー廣野さんは短期大学を卒業後、そのまま京丹後市に入庁されたそうですね。まず、進学先について教えてください。

 

廣野:はい、短期大学は兵庫県の西宮にある大学に通っていました。京都市内の大学も考えたのですが、視野を広げたいと思って、あえて京丹後から離れた場所を選びました。


短大に進学した時点でも、保育士になりたいという気持ちは変わらなかったです。ただ、高校を卒業する頃から、地元に帰って仕事をするというのはもう決めていました。本当に京丹後から離れたくないという気持ちが強かったんです。

 

ー実習は西宮の園で経験されたとのことですが、その経験は進路にどう影響しましたか?

 

廣野:都会だったので、草や花、虫など自然に触れる機会が少ないなと感じていました。それに比べて、京丹後は周りに田んぼや川があって、散歩に出れば草や花でいっぱいなんです。そうした環境の違いを実習で実感して、地元に帰ろうという気持ちがより強くなりました。

 

15人の担任、慣れない書類との格闘。先輩とのマンツーマン面談が支えに

ー入庁後、最初はどのようなクラスを担当されたのですか?

 

廣野:1年目は0・1歳児の合同保育で、主に1歳児の担任をしていました。最終的には1歳が7人、0歳が8人、合わせて15人を、私を含めた4人の職員で見ていました。

 

ー1年目ならではの大変さはありましたか?

 

廣野:はい。担任は週案や月案といった計画書などの書類仕事を必ずすることになっていて、他の先生方が1つで済むところを、0歳と1歳の2クラス分、2つ書いていたんです。慣れないうちは、その2つの仕事が重荷になっていました。

 

ーその大変さは、どのように乗り越えていったのでしょうか?

 

廣野:とりあえず先輩に聞いて、相談して、数をこなすことで慣れていきました。1年目には教えてくださる先生がついてくださって、1対1で話す面談の時間を作っていただいていたので、悩んでいることや疑問に思うことを、その時間に相談していました。参考書で自分なりに勉強もしましたが、やはり先輩に聞くのが一番分かりやすくて、学びになったなと思います。

「自分で決めて食べる」子どもの姿。子ども主体の保育に見るやりがい

 

ー丹後こども園では、どのような保育の方針を大切にしているのですか?

 

廣野:子どもの主体的な保育というのが、私が1年目の頃からよく言われるようになりました。以前の保育から変えて、子ども主体の保育とは何かを職員全体で話し合いながら、少しずつ保育のやり方を変えている最中です。

 

ー具体的には、どのような変化があったのでしょうか?

 

廣野:例えば給食です。以前はみんなで一斉に「いただきます」をしていたと思うのですが、今は遊びたい子もいれば食べたい子もいるので、その場その場の主体的な気持ちを尊重した保育に取り組んでいます。

 

ーその中で、印象に残っている場面はありますか?

 

廣野:去年1歳児の担任をしていた時、食べたい子から食べるという給食の流れを作っていました。そうすると、遊んでいる子たちが、こちらから声をかけなくても、食べたくなったら自分から来るんです。自分の気持ちをちゃんと感じて、ありのままに行動している姿を見た時に、すごいなと思いました。無理やりこちらに合わせさせるのではなく、自分で食べたいと決めて動く姿がいいなと感じています。

 

後輩の意見も聞いてくれる職場で。これから保育士を目指す方へ

 

ー職場の雰囲気について教えてください。

 

廣野:先輩が後輩を気にかけて声をかけてくれ、助け合って保育をしている雰囲気があります。経験年数の違いは保育に出てくると思うのですが、それぞれの得意なことでカバーし合っているなと感じます。年齢では私が一番下なのですが、話し合いの場でも「廣野先生、どう思う?」と意見を聞いてくださるので、とても言いやすい雰囲気です。

 

ー勤務形態についても教えてください。

 

廣野:早出、普通出勤、遅出の3種類のシフトがあり、それぞれ週に1回ずつくらいの頻度で回ってきます。休みは基本的にカレンダー通りですが、土曜保育で月に1回ほど土曜日に出勤する時は、その週の平日のどこかが休みになり、週休2日を保っています。残業は、月初めと月末の職員会議がある日は時間外がつきますが、それ以外は基本的についていません。

 

ー最後に、これから保育士を目指す方へメッセージをお願いします。

 

廣野:笑顔が素敵な方に来てほしいなと思います。どんなに自分の中で悩んだり落ち込んだりしても、子どもの前では笑顔でいてと、1年目の頃から言われてきました。それから、保育学生の頃、自分が本当にこの仕事に向いているのか悩んだこともあったのですが、実際に働いてみると、実習生とは違って、もっと間近で子どもの成長を見られることが、この仕事のやりがいだと感じています。そのやりがいを感じたいと思って、保育士になろうと思ってもらえたらうれしいです。

 

ー本日はありがとうございました。

 

京丹後という土地への率直な愛着が終始にじんでいました。都会の短大で視野を広げてもなお変わらなかった「地元に帰る」という決意、そして子どもたちの小さな自主性を見守るまなざし。3年目を迎えた今も、先輩に教わりながら一つひとつ積み重ねていく姿勢が印象的な取材でした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年9月取材)

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京丹後市は日本列島のほぼ中央、京都府北部の日本海に面する位置にあります。 市内海岸線全てが山陰海岸国立公園と丹後天橋立大江山国定公園に指定されており、日本海形成の過程で生まれた貴重な地形・地質は、市民の暮らしや文化を育む大地の公園「山陰海岸ジオパーク」として、ユネスコから世界認定を受けています。 この豊かな自然は、美しい景観だけでなく、四季折々の旬の食材や京都府下最多となる 40 の温泉源をもたらし、さらには、古代「丹後王国」として栄えてきた数々の歴史、伝説、文化を生み、日本遺産「300 年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」に認定された丹後ちりめんなど多くの地場産業を育みました。 私たちの仕事は、人々や食、自然に恵まれた京丹後市の心豊かな暮らしを支えることです。 このまちが好きだから、このまちに住む人に、このまちをもっと好きになってもらいたい。 毎日出会う人の笑顔が私たちの支えとなり、京丹後市の可能性を広げる原動力となります。 笑顔が溢れるまちだから、私はもっと好きになる。 そんな私たちと一緒に働きませんか。

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