サッカーも仕事も、本気で。天草市役所・高橋さんが大切にする働き方

天草市役所

2026/08/31

「教えるのが好きというか、人の成長を間近で見れるのが一番面白い」

 

そう笑顔で語るのは、天草市役所経済部農業振興課で働く入庁3年目の高橋幹大さん。大学卒業後、令和6年度に地元・天草市役所に入庁して以来、農業振興の仕事に携わってきました。プライベートでは地元の中学校でサッカーの指導にもあたり、仕事と地域活動の両方に力を注いでいます。

 

今回は、天草市役所を目指す方に向けて、農業振興の仕事のやりがいや、仕事と趣味を両立させる働き方について、たっぷりとお話を伺いました。

 

 

 


 

 

コロナ禍が後押しした帰郷。地元・天草で見つけた「当たり前じゃない」幸せ

 

ー高橋さんの簡単なご経歴を、入庁までの背景も含めて伺えますか。

 

高橋:天草市本渡地区の出身です。高校卒業までは天草で過ごし、大学進学を機に熊本学園大学へ進みました。当時は就きたい職業や働きたい場所について強い目標があったわけではなく、漠然と天草で働くのかな、という程度のイメージでした。

 

 

ーそこから天草に戻ろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

 

高橋:大学生の時にちょうどコロナ禍になって、人と会えない時間や1人でいる時間が増えたんです。天草のような田舎だと、外に出れば知り合いに会うことが多くて、それを窮屈に感じていた部分もありました。でも、コロナ禍を経験して、そういう環境も当たり前じゃないんだ、いい部分もあるんだ、と気づいたのが、天草に帰ってこようと思った一番のきっかけかもしれないです。

 

一人暮らしをしていて分からないことがあっても、天草なら色んな知り合いに聞けたり、一緒に何かできたりする。それを実感したのが大きかったですね。

 

 

ー公務員、そして天草市役所を選んだ理由を教えてください。

 

高橋:正直なところ、福利厚生やお休みの取りやすさも、きっかけの一つではあったと思います。小さい頃からサッカーをしていたので、休みの日はサッカーを教える時間に充てたいという思いがあり、休みが取れることは自分の中で絶対条件でした。それに加えて、地域に関わりながら仕事ができることも、公務員を目指した理由です。天草市以外の選択肢は考えず、天草市一本で就職活動をしていました。

 

言葉の意味すら分からなかった1年目。集落を歩いて学んだ農業振興の仕事

 

ー入庁されてから今まで、どのようなお仕事をされてきたのでしょうか。

 

高橋:入庁時から経済部農業振興課に配属されていて、異動もなくこの3年間、同じ部署で働いています。今は国の事業である中山間地域等直接支払交付金の窓口を担当していて、山間部や傾斜地など、農業をするには条件が不利な地域の集落へ交付金を通じて共同活動や生産活動の支援を行っています。

 

年間を通して申請や県・国への請求を行い、年度末に実績をまとめるほか、現地確認や集落の収支状況のヒアリングも行っています。

 

 

ー実際に現場に足を運ぶこともあるのでしょうか。

 

高橋:はい。6月頃は作付け中の田んぼを確認し、10月頃には柑橘系の果樹農園も時期を分けて回ります。集落から要望があれば、その都度足を運ぶこともあります。水路や農道は集落単位で管理してもらっているので、荒れていないか、草刈りがされているかといった管理状況も確認しています。

 

 

ー入庁当初はいかがでしたか。

 

高橋:家が農業をしているわけでもなく、農作業の経験もなかったので、入庁当時は言葉の意味が分からないというのが一番の壁でした。聞きやすい人にその都度聞き、分からないことは自分で調べながら、農家さんや農業関係の方と話す中で少しずつ会話ができるようになっていきました。

 

国の制度は幅広くカバーできるように作られている分、個別の事情に当てはまるかどうかの見極めが最初は難しく、先輩や上司に相談しながら進めるようにしていました。

 

 

ーこのお仕事を通して、やりがいや面白さを感じる瞬間はありますか。

 

高橋:時期によって収穫される野菜や果物が変わっていくのが面白いですね。農家さんと関わることで、収穫までの苦労や過程を一緒に見られるので、実際に食べる時のありがたみも違うと思います。個人的には田園風景も好きで、田んぼの周りがきれいに草刈りされ、稲の緑が集落全体に広がる景色を見るのもいいなと思いながら働いています。

 

最近はプライベートで天草以外に行っても、田んぼを見ると稲刈りの時期を気にしたり、ドローンを使った農作業に目が留まったりするようになりました。

 

 

定時で仕事を終えて、夜はグラウンドへ。メリハリを支える職場の理解

 

ー現在の働き方について、残業やお休みの取り方はいかがですか。

 

高橋:残業は時期によってはありますが、「やる時はやる、やらない時は定時で帰る」というメリハリのある働き方ができているので、苦ではないです。周りの方のフォローもあって、働きやすいと感じています。

 

 

ー休みの日はどのように過ごされているんですか。

 

高橋:仕事以外の時間はサッカーを教えることに費やすことが多いですね。地元の中学校で外部コーチをしていて、中学生のクラブチームにも所属しています。部活動は夕方、クラブチームの練習は夜にあるので、続けて教えに行くこともあり、晩ご飯を食べ損ねることも最近は日常茶飯事です。

 

それでも、大会が近くなると周りの方が声をかけてくれたり、プライベートの時間が取れているかを気にかけてくれたりするので、理解があって助かっています。

 

 

ー天草の魅力についても伺いたいのですが、お気に入りの場所はありますか。

 

高橋:温泉と自然があって、おいしいコーヒーが飲めるところ。それが天草に帰ってきた理由の一つです。最近はカフェで色んな種類のコーヒー豆を買って、家で挽いて飲むのが楽しみですね。静かに過ごしたい時は、本渡地区にある温泉に行きます。人が多くても割と静かなので、ゆっくりしたい時にちょうどいいんです。

 

市外の人と話すと、天草大王を食べに行きたいという話題がよく上がるので、肉も魚も野菜も果物もそろう特産品の豊かさも、外から見た天草の魅力なんだと感じています。

 

今の仕事を大切にしながら、次の一歩を。天草市役所・高橋さんが描く将来と、伝えたい思い

 

ー今後、天草市の職員としてどんなキャリアを描いていきたいですか。

 

高橋:今の農業振興課の仕事にはやりがいを感じていて、まずは目の前の業務にしっかり向き合っていきたいと思っています。そのうえで将来的には、自分がサッカーを教えて学生と接する立場だからこそ、スポーツを通した体験活動の機会を子どもたちに届けられたら、という思いもあります。

 

天草だからできないということではなく、チームの合宿を誘致したり、色んな人に来てもらって、スポーツを通した体験活動や交流機会を提供することで、天草内外の子どもたちの教育の充実につながる仕事ができたらいいですね。

 

 

ーこれから社会に出る学生や新卒の方へ、働き方の面で伝えたいことはありますか。

 

高橋:自分の経験から言うと、趣味を持つことをおすすめしたいです。趣味があるとワーク・ライフ・バランスも充実しますし、仕事以外で色んな経験や人間関係を作ることで、新しい視点や気づきが得られると思います。

 

 

ー最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

 

高橋:天草市の試験だと、試験会場や集団討論で同級生や知り合いに会うことも多いんです。自分も試験当日、同級生と少し話せたことで緊張がほぐれた状態で臨むことができましたし、高校からずっと一緒だった友人とは、今も同じ職場で働いています。受験を考えている学生さんには、そういう安心感も知ってもらえたらうれしいです。

 

もちろん天草出身に限らず、市外の方にもぜひ天草に来ていただいて、外部の目線で一緒に行政を進められたら、天草市にとってもいいと思います。私たちも、そうした方々が働きやすい環境を作れるように努力するので、ぜひ天草市で一緒に働きましょう。

 

ー本日はありがとうございました。

 

高橋さんの言葉には終始迷いがありませんでした。農業振興の仕事について語るときも、サッカー指導について語るときも、同じくらいまっすぐな熱量が伝わってきました。仕事と地域活動、どちらも本気で取り組む姿勢が、天草市役所という職場の柔軟さと重なって見えたインタビューでした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

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天草市は、熊本県南西部に位置し、周囲を藍く美しい海に囲まれた天草上島と天草下島および御所浦島などで構成する天草諸島の中心部に位置しています。 温暖な気候を活かした農業や、豊かな水産資源を活かした漁業を主として発展してきました。また、自然景観、南蛮文化やキリシタンの歴史など、多くの観光資源にも恵まれています。 県庁所在地の熊本市からは、車で2時間ほどを要しますが、産業の発展や地域間交流など、福岡・長崎・熊本・鹿児島を結ぶ九州西岸地域の拠点としてあらゆる分野において発展が期待されている地域です。

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