電気だけじゃない引き出しを持つ。天草市の電気技師が語る、小さな自治体で広がる仕事の幅

天草市役所

2026/09/17

「電気技師だけの目線じゃなくて、いろいろな技術職の目線から見られるので、本来の電気技師の仕事にも役立てそうな気がします」

 

そう話すのは、天草市役所水道局下水道課で電気技師として働く福島健心さん。入庁6年目を迎え、電気設備の修繕や工事の発注を担いながら、土木や機械の現場にも幅広く携わってきました。

 

今回は、電気技師としての専門性を軸に、小さな自治体だからこそ広がる仕事の面白さについて、たっぷりとお話を伺いました。

 

 

 

 


 

海と自然が好きだから。地元・天草で働くと決めた入庁前

 

ーまずは、福島さんのご出身を教えてください。

 

福島:天草市内で生まれ育ち、地元の高校を卒業後にそのまま天草市役所へ入庁しました。今年で6年目になります。

 

 

ー電気科のある高校に進学されたのも、何かきっかけがあったのですか。

 

福島:天草工業高校の電気科に進みました。普通科で座学を重ねるよりも、ものづくりに携わる方が自分には合っていると感じて選びました。手を動かして何かをつくる仕事に、もともと興味があったのだと思います。

 

 

ー公務員を志したきっかけは何だったのでしょうか。

 

福島:もともと天草の自然が好きで、海がきれいなところに惹かれていました。試験を受けるにあたって他の自治体も検討はしましたが、地元に残って働きたいという気持ちが一番強く、天草市役所であれば地元のために貢献できると思い、天草市一本に絞って受験しました。

 

 

電気技師だけど土木も機械も。天草市だからこそ広がる他職種の経験

 

ー現在のお仕事について教えてください。

 

福島:入庁以来、ずっと水道局下水道課に所属しています。天草市内にある下水道施設の電気設備について、機器の修繕や取り替え工事を発注し、維持管理を行うのが主な仕事です。下水道課は職員が9人、会計年度任用職員が2人の、あわせて11人の体制です。

 

私は電気技師として採用されましたが、天草市のような規模の自治体だからこそ、電気の枠にとどまらない幅広い仕事に携わる機会をいただいています。下水道管を設置する土木工事や、下水道をきれいにする機械の据え付け工事など、電気の枠を超えた仕事にも数多く携わっています。

 

 

ー具体的には、どのような設備を扱っているのですか。

 

福島:例えば、下水道処理施設には、家庭から集まってくる汚水の水位を測るセンサー設備があります。その数値をもとに、次の工程へ送る水の量を調整する仕組みになっており、そうした電気設備の点検や交換も担当の一つです。天草市内には設置から長い年数が経つ施設もあり、日々の点検や更新が欠かせない仕事です。

 

 

ー入庁当初、学生時代に学んだ電気の知識とのギャップは感じましたか。

 

福島:下水道の仕事に必要な知識は、学生時代に学んだこととは異なる部分も多く、入庁後にあらためて学んでいくことになりました。ただ、市のインフラについて学ぶことは苦ではなく、むしろ自分にとって面白いものでした。今も、電気工事を担当していく立場として、施工管理について日々学ばなければならないという気持ちがあります。

 

 

地面を掘らずに管を通す。天草市初、前例のない工事に挑んだ経験

 

ーこれまでの仕事で、特に印象に残っている経験はありますか。

 

福島:印象に残っているのは、下水道管更生工事です。地面を掘らずに、マンホールから資材を入れて、既存の下水道管の中に新しい管を通す工事で、天草市ではそれまで一度も行われたことがありませんでした。自分がその工事を担当できて、天草市第一号になれたことは、嬉しかったです。

 

 

ー前例のない工事ということで、苦労した点も多かったのではないでしょうか。

 

福島:前例がなかったので、県内の自治体に電話やメールで聞き取りをしたり、下水道事業団の研修に自ら参加するなどして、全国の自治体職員の経験を聞きながら発注の準備を進めました。

 

 

ーこの仕事全体を通して、やりがいを感じるのはどのようなときですか。

 

福島:下水道は、暮らしを支える重要なインフラの一つです。電気技師としての仕事は、機械や電気設備が新しくなるという目に見える成果があるので、市民生活に貢献できていることを実感しやすいんです。ものづくりに携わっているという感覚があり、そこにやりがいを感じています。

 

 

ーこうした経験を通じて、ご自身の成長を感じるところはありますか。

 

福島:自分の仕事だけをこなして終わるのではなく、下水道課、そして天草市というひとつのチームとして、困っている職員がいればお互いに助け合い、教え合うことが大切だと気づけるようになりました。電気技師だけの視点ではなく、いろいろな技術職の視点を持てるようになったことは、本来の電気技師の仕事にも活きてくると感じています。

 

 

アットホームな職場と休日の釣り。やる気のある人と働きたい

 

ー職場の雰囲気について教えてください。

 

福島:仕事の話だけでなく、休憩時間にたわいもない会話も多く、アットホームな雰囲気で仕事ができていると感じています。

 

 

ー残業やお休みの取りやすさはいかがですか。

 

福島:できるだけメリハリをつけて仕事をするようにしているので、残業はあまりありません。工事の発注が集中する年度始めは忙しくなることもありますが、それ以外の時期は早めに帰るようにしています。ワークライフバランスを尊重する職場で、有給休暇も取りやすい雰囲気があります。

 

 

ーお休みの日は、どのように過ごすことが多いですか。

 

福島:職場の人に教えてもらって、釣りに行くことが多いです。最近はロードバイクにも乗り始めて、天草のきれいな景色を見ながら体を動かし、リフレッシュしています。天草は自然が豊かで、そうしたアクティビティや釣りを楽しめるところが魅力です。近所付き合いなど人の温かさも感じられ、生活していて住みやすい環境だと思います。

 

 

ー最後に、天草市を目指す人へメッセージをお願いします。

 

福島:やる気のある人に来てほしいと思っています。「最初に決めたことをしっかりとやり通す意志を持った人」と一緒に働いていきたいです。

 

 

ー本日はありがとうございました。

 

福島さんの言葉には終始、地元・天草への率直な思いがにじんでいました。電気技師でありながら土木や機械の現場にも飛び込み、そこで得た視点を本業に還元しようとする姿勢は、小さな自治体だからこそ生まれる技師の強さを物語っているように感じます。

 

専門分野を軸にしながら経験の幅を広げていきたいと考える人にとって、天草市はその成長を後押ししてくれるフィールドになるはずです。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

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天草市は、熊本県南西部に位置し、周囲を藍く美しい海に囲まれた天草上島と天草下島および御所浦島などで構成する天草諸島の中心部に位置しています。 温暖な気候を活かした農業や、豊かな水産資源を活かした漁業を主として発展してきました。また、自然景観、南蛮文化やキリシタンの歴史など、多くの観光資源にも恵まれています。 県庁所在地の熊本市からは、車で2時間ほどを要しますが、産業の発展や地域間交流など、福岡・長崎・熊本・鹿児島を結ぶ九州西岸地域の拠点としてあらゆる分野において発展が期待されている地域です。

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