携帯電話会社から生駒市役所へ。窓口DXを担う社会人採用職員のやりがいと働き方

生駒市役所

2026/09/15

「もっとこうやったらいいんじゃないか、を考えるのが好きなんです。」


そう語るのは、生駒市役所デジタルイノベーション推進課 窓口DX推進室で働く川田さん。前職は携帯電話会社の通信インフラ部門で、地域の保守業務からキャリアをスタートし、8年間勤めたのち、令和5年に生駒市役所へUターン転職しました。現在は市民の窓口手続きをデジタルツールを活用しワンストップ化する業務に携わっています。


今回は、川田さんに、これまでの経歴や現在の仕事内容、そして転職後の働き方の変化について、たっぷりとお話を伺いました。

 

 

 

携帯電話会社からのUターン転職。「地元でとりあえず受けてみよう」という決断

ーまず、これまでのご経歴を教えてください。

 

川田:新卒で入った前職は携帯電話会社です。就職活動をしていた当時はスマートフォンが普及し始めた時期で、通信インフラの分野に興味を持ちました。大学では電気電子工学を専攻していたので、その知識を生かせる仕事だと思い、入社を決めました。

 

配属先は広島で、担当していたのは保守部門です。通信の不具合対応や、イベントなどで人が集中する地域の通信改善が主な業務です。6年半在籍し、最後の1年半は東京本社の業務にも関わっています。

 

ー転職を考え始めたのはどういったタイミングなのですか?

 

川田:かなり忙しかった中で、東京の業務が落ち着いて少し余裕が出てきたタイミングで、初めて転職を考えるようになりました。

 

自分のキャリアを考えたときに、管理職を目指すよりも、現場でプレーヤーとして動き続けたいという思いがありました。前職はスピード感があり若手もどんどん入ってくる会社だったので、プレーヤーとして活躍し続けるのは、年齢を重ねるほど難しくなっていくのではないかと感じ始め転職を考えました。

 

そんなときに、地元生駒市に帰るということを考えました。民間など選択肢が多いわけでもないので、まずは市役所を受けてみて、ダメならまた考えればよいかと。親族も地方公務員で、直接人と接して、人の役に立っていると感じれる仕事がしたいと思い、キャリアとしても面白いのではと考え、令和5年に入庁いたしました。

 

窓口をよくしたい。室長と2人で挑む、生駒市役所の業務改革

ー入庁後は、どのような部署でどんな業務を担当されてきたのですか。

 

川田:入庁時はスマートシティ推進室という部署で、室長と係長、私の3人という体制でした。最初の仕事は、庁内の各課に「業務でどんなことに困っているか」をヒアリングすることから始まりました。

 

計画を立てるための情報収集からのスタートに、驚いた記憶があります。ヒアリングを通じて、ChatGPTの試験導入や、スマホ操作の相談会の運営、職員向けのデジタル研修などに取り組みました。

 

ー現在の業務につながる転機はいつだったのでしょうか。

 

川田:おくやみに関する手続きのワンストップ化をする取り組みがあり、私もメンバーとして関わらせてもらいました。そこから、令和7年度に他のライフイベントの窓口業務のワンストップ化をより本格的に進める方針となり、今の窓口DX推進室ができ、異動して、今年で2年目です。

ー窓口DX推進室では、具体的にどのような業務を担当していますか。

 

川田:窓口に来られた方が紙の申請書を書かなくてよい仕組みや、職員が手書きの内容を後から手入力する作業を減らす仕組みづくりに取り組んでいます。RPAの活用や電子データでデータ連携ができれば、職員の入力作業も減らせます。現在は室長と私の2人体制です。

室長は窓口業務を10年以上担当してきた大ベテランで、現場を熟知しています。私は現場の実務経験はまだないですが、デジタルの知見を生かして、どう進めればよいかを室長と相談しながら取り組んでいます。実際に手を動かしながら「こうすればよいのでは」と考えていくスタイルは、前職の仕事の進め方に近いと感じています。

 

ー今、特に力を入れている取り組みはありますか。

 

川田:今年度、転入や転出などさまざまな手続きをワンストップ化するためにシステムの導入を進めています。関係する担当課は10課ほどあり、担当課と相談しながら進めていて、来年3月ごろの稼働を目指しています。関わってくれている担当課のメンバーの方々は、若手から大ベテランまで多様な顔ぶれですが、皆さん積極的に意見を出し合いながら一緒に取り組んでくれていて非常にありがたいです。皆さんの想いをうまく形にできればと思っています。

窓口DXの実務担当者会議の様子

増えたのは自分の時間。1年で30キロ痩せた、働き方の変化

ー転職後、働き方はどのように変わりましたか。

 

川田:前職は残業が当たり前で、休日はほぼ体を休めるだけの生活でした。今はワークライフバランスを実感できるようになりました。やるべきことをやっていれば、あとは自由に休めますし、気兼ねすることも少ないです。自分の時間を自由に使えるようになりました。

 

ープライベートの時間はどのように過ごしているのですか。

 

川田:入庁前は体重が80キロほどありましたが、時間ができたことでランニングを始め、フルマラソンに出場したり、サイクリングで遠出をしたりするようになりました。今は50キロほどまで落ち、生活リズムも整ってきました。

 

ー30キロも痩せたんですか!?すごいですね!

 

川田:同期の職員とも仲良くしてもらっていますし、私より1年後に入られた方とは、一緒にフルマラソンを走るくらい親しくさせてもらっています。

ー周囲の職員との関係性でいうと、仕事の場ではいかがですか?

 

川田:例えば仕事をするうえで、「うちの担当ではない」という感覚がある職員もいるのは事実だと思います。ただ、今取り組んでいる窓口業務のワンストップ化については、メンバーに恵まれていると感じていて、皆さんとても協力的です。そこは室長がこれまで培ってこられた人間関係と、さらに人柄に助けられているところが大きいと思っていて、業務の中で壁のようなものを感じることはあまりありません。

窓口DXを進めるメンバーの皆さんと

 

「失敗できない」からこそ見えた面白さ。一緒に変えていける人へ

ー民間企業と自治体、それぞれで働いてみて感じる違いはありますか。

 

川田:一番驚いたのは、「とりあえずやってみる」がなかなかできないということです。行政は計画を立ててその通りに進めることが多いのですが、その背景には「失敗できない」という事情があると感じています。

 

今行っている業務でも、窓口で預かる市民の大事な情報ですから、責任は大きいです。ただ、理由がなく変化を避けるのではなく、変わったときのメリットをどう伝え、共感してもらうかを考えるのは、やりがいのある仕事だと思っています。

 

ー前職の経験は、今の仕事にどう生きていますか。

 

川田:ネットワークエンジニアとしての専門知識が直接生きているわけではありませんが、業務を効率化していきたいという考え方は、今の仕事にも通じていると思っています。行政の仕事には決まりきった部分もありますが、より良くなったと職員自身が実感できれば、変化に対する意識も変わっていくのではないかと考えています。

 

ー転職や受験を考えている方に向けて、どんな人と一緒に働きたいですか。

 

川田:成果を追い求めるというよりも、市民の役に立てることを楽しめる人がよいと思います。「失敗できない」という話もありましたが、その中でもやってみようという気持ちを持っている人だと、一緒に働くと楽しいと思います。

窓口DX推進室はまだ立ち上げから2年目で、来年度から本格稼働という段階です。分野を問わず、新しいことに挑戦するのを楽しめる方に来ていただけたらうれしいです。

 

ー本日はありがとうございました。

 

川田さんの言葉には終始「まずはやってみる」という軽やかさがありました。思い切ったキャリアチェンジ、新たな職場でのチャレンジ、自由な時間を活かした新たな趣味。いきいきと働くその姿勢に、生駒市役所でのやりがいや働きやすさを感じるインタビューでした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

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生駒市は、昭和50年代から新興住宅地の開発が続き、都心部へのアクセスの良さ、生駒山や矢田丘陵に囲まれた緑豊かな環境、定評のある子育て・教育環境の良さを活かし、大阪のベッドタウンとして発展してきました。市民の皆さんの定住意向率は87.2%と高い水準を誇ります。 主役である市民が仲間を得て、夢をかなえ、 自分らしく輝きながら暮らせるまちになることを目指しています。 このまちの未来をつくろう。いっしょに。

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