30代で転職、生駒市役所のワークライフバランスのリアル ― 保活の壁を越えて見つけた働き方
生駒市役所
30代で転職、生駒市役所のワークライフバランスのリアル ― 保活の壁を越えて見つけた働き方
「どこから、そんな温かい声かけができるんだろう」
そう語るのは、生駒市役所子育て健康部国保医療課で働く出口さん。地方銀行に16年間勤務したのち、令和6年4月に生駒市役所へ入庁しました。現在は後期高齢者の医療保険にかかる手続きや、子どもや障がいのある方を対象とした医療費助成の窓口業務・電話対応を担当しています。
今回は、転職を考える方や、子育てとキャリアの両立を模索する方に向けて、出口さんに30代での転職とワークライフバランスのリアルについて、たっぷりとお話を伺いました。
- 保活の壁にぶつかって。地方銀行員が生駒市役所を選んだ理由
- マニュアルは自分で作る。銀行員が驚いた市役所仕事のリアル
- 残業は週2、3日にまとめて。夫婦で作るワークライフバランス
- どこから、そんな温かい声かけができるんだろう。転職者を支える生駒市役所の仕組み
保活の壁にぶつかって。地方銀行員が生駒市役所を選んだ理由
ーまずは入庁前のご経歴からお聞かせください。
出口:大学を新卒で卒業した後、地方銀行しまして、15年在籍しました。最初の3年ほどは窓口業務やバックヤードの事務を担当し、その後は個人営業として、個人のお客さま向けの金融商品の販売や資産運用のアドバイザーを務めていました。
ー転職のきっかけを教えてください。
出口:きっかけは、2人目の子どもの育休からの復帰のタイミングでした。復職にあたって保育園が決まらず、復職までのタイムリミットが迫るなかで認可外なども探して復帰のめどを立てていたのですが、銀行では係長という管理側の立場だったこともあり、復職後の時短勤務や転勤、休みの取りやすさを考えると、なかなか難しいだろうと感じていました。
夫婦で話し合い、一度は退職も考えたのですが、夫が『そんなのもったいない』と言ってくれて。ちょうどそのタイミングで、生駒市の社会人採用の広告を見つけたんです。
ー生駒市を選ばれた理由は?
出口:転職の1年前に生駒市へ引っ越してきていて、市役所の近くに住んでいました。関西への転勤で住む場所を探していたとき、治安や教育水準などを見て、もともと良いイメージを持っていた土地であり、生駒市役所であれば、認可外に入れたとしても正社員でフルタイムで働きながら間に合うのではないかと考え、受けてみることにしました。
前職の銀行についても、『地域のために』という企業理念を掲げ選んだこともあり、自治体の仕事にもテーマとして重なる部分があり、抵抗なく踏み出せた面もあります。

マニュアルは自分で作る。銀行員が驚いた市役所仕事のリアル
ー入庁後について教えてください。
出口:入庁以来国保医療課に配属されて3年目になります。今の業務は、後期高齢者の方の医療保険の手続きや、子どもや障がいのある方への医療費助成の認定・給付、各種相談対応です。窓口はローテーションを組んでいて、対応する日と、事務作業が中心の日が半分ずつというイメージです。
ー自治体に来て、大変だと感じた部分はありましたか。
出口:業務がカバーする範囲や手続きの内容がとても多岐にわたっていて、難しかったですね。あと、市役所ではパンフレットや案内資料、申請書も自分たちで作りますし、制度改正があればその修正も自分たちで行います。業務ごとに統一されたものがもらえるわけではなく、自分たちで考えて工夫していく部分が多いと感じました。
ー教育体制はどのような形だったのでしょうか。
出口:入庁後2、3日は地方自治法や会計など全体的なことを学ぶ研修がありましたが、すぐ配属され、まずはやってみるという形式です。先輩たちが横にいて随時教えてくれるので、窓口に出て電話を取るところから始まりました。現場で試行錯誤しながら進める体制は新鮮でしたね。
また、メンター制度という、別の課の職員とペアになり、庁内のことをなんでも相談できる仕組みもありますので、そういった制度を活用することもできます。
もう1点、教育制度とは異なりますが、私たちのように社会人採用で同じ時期に入った職員同士で定期的に集まって情報交換をしていて、これが大きな支えになっています。年齢も前職も違いますが、入ったばかりで知り合いがいない中、誰にどんなことを聞けばいいか迷ったときに助け合える人脈があるのは、心強い部分です。

ー業務の全体像はどれくらいで見えてきましたか。
出口:月間で繰り返す業務については3ヶ月ほどで流れを把握できました。ただ、年次業務は1年に1回しかないので、1年目は見て覚え、2年目は教えてもらいながら、3年目の今年になってようやく一人でできるようになったと感じています。
残業は週2、3日にまとめて。夫婦で作るワークライフバランス
ー実際に働いてみて、ワークライフバランスはどう感じていますか。
出口:今は8割、9割できていると思います。前職ではキャリアに重きを置いていた時期もありましたが、転職を経て自分が望むものが子どもとの時間に変わりました。仕事が忙しい時期があっても、プライベートな時間が確保できていて、フルタイムで働きながら休みも希望のところを取らせてもらえるのは、ありがたいことだと感じています。
ー残業や休みは、実際どのように調整されていますか。
出口:普通の月はほとんど残業せずに済んでいて、月に1、2回程度です。業務時間内の時間の使い方や、できる限り前倒しで業務をすることを意識しています。年次業務が固まる時期は課全体がものすごく忙しく、その月はいつなら早く帰ってこれるかを事前相談しながら残業できる日を決めて、“週に2,3回”その日にとことんやる、という形でスケジュールを組んでいます。有給休暇も、時間単位で取得できる時間休も活用していて、子どもの参観に行かせてもらったり、繁忙期を避けて課内で調整したりして、夏休みなどの休暇も取れています。

どこから、そんな温かい声かけができるんだろう。転職者を支える生駒市役所の仕組み
ー子どもの急な発熱などで休むときは、いかがですか。
出口:子の看護休暇などの制度を活用させてもらっています。それ以上にありがたいのが、周りの声かけなんです。子どもが急に熱を出して休まないといけないとき、いつも一緒に仕事をしている方にもお子さんがいらっしゃるので、お互いに『そういうこともあるよね』と事情をカバーし合っています。
でも、職場には独身の若い職員の方もいて、そういう事情はなかなか分からないんじゃないかと思うんです。それなのに、その若い職員の方からも『大変ですね』と声をかけてもらえて。どこから、みんなそんな温かい声かけができるんだろうって、不思議に思うくらいなんです。
私自身、前職の銀行員時代に係長として、年上でお子さんのいる部下の方がいたのですが、あのときの自分がどんな声かけができていたかを振り返ると、正直反省するところもあります。生駒市役所の皆さんは、本当にあたたかいなと感じています。
ー最後に、同じような立場で転職を考える方や、子育てとの両立を考える方にメッセージをお願いします。
出口:生駒市役所には休暇の制度をはじめ、いろいろな制度が実際に活用できる環境があります。私はフルタイムで働いていますが、部分休業のような時短の制度もありますし、迷っている方はご相談いただくこともできると思います。
メンター制度や同期のネットワークなど、相談すれば応じてもらえる仕組みがありますし、中途採用だからと色眼鏡で見られることもなく、好意的に話を聞いてもらえる、働きやすい環境です。


ー本日はありがとうございました。
保活という切実な事情から始まった転職が、今では子どもとの時間を大切にできる働き方につながっている。その変化は、制度が整っているからというだけでなく、周囲の温かい声かけの積み重ねによって支えられているのだと感じました。
「どこから、そんな温かい声かけができるんだろう」。出口さんのその驚きこそが、生駒市役所という職場の空気を何より物語っているように思います。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年08月取材)
この記事の官公庁・自治体
生駒市は、昭和50年代から新興住宅地の開発が続き、都心部へのアクセスの良さ、生駒山や矢田丘陵に囲まれた緑豊かな環境、定評のある子育て・教育環境の良さを活かし、大阪のベッドタウンとして発展してきました。市民の皆さんの定住意向率は87.2%と高い水準を誇ります。 主役である市民が仲間を得て、夢をかなえ、 自分らしく輝きながら暮らせるまちになることを目指しています。 このまちの未来をつくろう。いっしょに。
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