時間に追われない暮らしへ。西ノ島町役場で見つけた、新しい仕事観

西ノ島町役場

2026/09/02

「落ち着いていられるのが、自分に合っていたのかなと思います」

 

そう語るのは、西ノ島町役場産業振興課で観光商工係として働く、入庁7年目の小松さん。

島根県松江市出身で、高校卒業後は県外で接客業を約10年間経験。父の出身地である西ノ島町とのご縁から移住し、集落支援員を経て、令和2年度に職員として入庁しました。

今回は、西ノ島町への移住を決めた経緯や、公務員として働く中で変化した仕事観について、たっぷりとお話を伺いました。

接客業10年からの移住。閉店が背中を押した転職

ーまずは自己紹介も兼ねて、入庁前のことから教えていただけますか。

 

小松:出身は島根県松江市です。地元の商業高校を卒業した後、県外に就職しました。仕事は接客業で、スーパーやスポーツ用品店の販売員を中心に、約10年間経験しました。東京の南青山にあった骨董品店で働いていた時期もあります。

 

ー東京にもいらっしゃったんですね。

 

小松:はい。東京や大阪で生活する中で、日々時間に追われているような感覚があり、地元に戻ってみようと思うようになりました。

 

ー松江ではなく、西ノ島町を選ばれたのはなぜだったんですか。

 

小松:父が西ノ島町の出身で、夏休みなどの長期休みは何度もこちらで過ごしていました。お盆の行事にも参加していたので、地元の方にも顔を知られていて、自分にとっても身近な場所だったんです。

実際には一度松江に戻り、その後、携帯電話販売店の代理店に就職したのですが、配属先が西ノ島町になりました。

 

ー西ノ島町への配属は、希望されていたんですか。

 

小松:偶然です。ただ、勤めていた店舗が閉店することになり、辞めて別の場所に異動するよりも、気に入っていたこの場所に腰を据えようと思うようになりました。

 

ーそこから、集落支援員になられたそうですね。

 

小松:はい、野菜の集荷やリユースショップの運営などを行う業務です。町民の方から子ども服などの不用品を引き取って再利用したり、車を持たない高齢者の方に代わって、JAに卸す野菜を集荷したりするなど、集落の暮らしを支える仕事です。

 

半年ほど務めた頃、正職員の採用試験があり、そこで受験し入庁いたしました。

「利益」から「みんなの土台」へ。公務員になって気づいた仕事観の変化

 

ー入庁されてからの配属を教えてください。

小松:総務課に3年、教育課に1年、再び総務課に1年在籍し、現在は産業振興課で2年目です。入庁から7年目になります。

 

総務課では防災を中心に、地元の消防や情報システムの保守を担当していました。教育課では社会教育や公民館事業、文化財に携わりました。

 

ー民間から公務員になって、最初に戸惑ったことはありますか。

 

小松:公務員は公共性を大切にしていて、利益を重視する民間とは違う部分がありました。自分の裁量でできる範囲も限られているので、業務を進めるには周囲との協力が欠かせません。

 

最初は自分の思う通りに進めたいと思っても、なかなかそうはいかないことがあり、難しさを感じました。このため、毎回先輩に教えてもらいながら、日々の業務の中で少しずつ感覚をつかんでいきました。

 

ー民間時代の仕事との大きな違いは、どんなところに感じますか。

 

小松:接客業では、サービスを求める方を相手にすれば良いです。しかし公務員の仕事は、それを求めていない方も含め、すべての町民の下支えとなる土台をつくることが役割になります。

 

窓口でも、はっきりと要望を伝えられる方ばかりではありません。だからこそ、要望を丁寧に聞き取り、必要な手続きを一つひとつ説明するように心がけています。

 

町全体の賑わいや笑顔を生み出すやりがい

ー現在の産業振興課では、どんなお仕事を担当されていますか。

 

小松:観光商工係で、フェリーターミナルやテレワークオフィス、観光交流センターといった施設の管理が中心です。国立公園の一部である海岸などの管理や、海水浴場の設営にも携わっています。
天候にかかわらず、ほぼ毎日どこかの現場に出ています。

 

ー印象に残っているお仕事はありますか。

 

小松:2年に1回開催している「産業文化祭」です。町民の方が出店を楽しんだり、警察のパトカー展示やステージイベントを見たりする、2,300人規模のイベントで、担当として全体を統括していました。当日にならないと分からない機材トラブルも多く、その場で判断して対応するのが大変でしたが、印象に残っています。

 

ー公務員として、町の賑わいや活気につながったと実感するエピソードはありますか。

 

小松:今担当している物価高騰対策事業で、全町民の方に1人当たり2万5千円分の商品券をお配りする取り組みがあります。この商品券をきっかけに「久しぶりに地元のお店で買い物をした」「家族で外食を楽しめた」といった声が届き、町内の商店街や飲食店に活気が生まれました。事業を通して地域内でお金が循環し、街全体に賑わいが広がっていく様子を肌で感じています。
 

自分の手掛けた施策が、ダイレクトに町の元気や町民のみなさんの笑顔につながっていると実感できるのは、この仕事ならではの大きなやりがいです。

 

落ち着いていられる暮らし。ご近所と溶け込んでいく西ノ島の日々

 

ー働き方について伺います。残業やお休みの状況はいかがですか。

 

小松:残業はあるものの、休みをしっかり取ってメリハリをつけることを心がけています。上長も定時で帰る雰囲気をつくってくれていて、有給休暇もきちんと取得できています。イベント対応で土日出勤があっても、代休はきちんと取れているので、生活との両立はできていると思います。休みの日には釣りに出かけることが多いです。

 

ー西ノ島町での暮らしについて、率直にどう感じていますか。

 

小松:バスの本数が少ないなど、不便さはあります。ただ、慣れてしまえば、その時間軸で動けるようになり、時間に追われなくなりました。落ち着いていられるのが、自分に合っていたのかなと思います。

 

ご近所付き合いも濃くて、釣った魚をおすそ分けすると、料理して届けてくれることもあります。たまに本土に行くと、これまで当たり前だったコンビニなどのサービスのありがたみを再確認できるのも、面白いところです。

 

ー移住者として、地域に溶け込んでいく感覚はありましたか。

 

小松:地元に溶け込んでいこうという気持ちがあれば、地域の方も温かく受け入れてくれます。居酒屋も釣り場も知っている人ばかりで、距離の近さを感じます。

都会では感じられなかった、顔の見える関係性があることは、こちらに戻ってきて良かったと思う点です。

 

ー最後に、西ノ島町役場を目指す方へメッセージをお願いします。

 

小松:観光の仕事をしていると、この島の風景を求めて撮影の申請が来ることもあり、外から見た西ノ島町の魅力に気づかされる場面が多くあります。民間での経験も生きる部分がありますので、興味を持たれた方はぜひ、この島での仕事や暮らしを見に来てもらえたらと思います。

 

ー本日はありがとうございました。

 

オンライン越しでも、小松さんの話しぶりからは、慌ただしい都会での生活から一転、落ち着いた西ノ島町の暮らしに馴染んでいった様子がうかがえた。民間での接客経験と、公務員としての「土台づくり」という仕事観。その両方を行き来しながら語られる言葉には、地に足のついた実感がこもっていました。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

 

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西ノ島町は、美しい自然、深い歴史、そして温かな人々が織りなす、特別な場所です。 広がる青い海、季節ごとに表情を変える風景、そして島ならではの伝統や文化が息づいています。 地域の未来を支え、伝統や環境を次世代に引き継ぐには、今より多くの力が必要です。 あなたの新しい発想と行動力が、この町をより良くする原動力となります。 ぜひ、あなたもこの町の一員になり、地域とともに成長する喜びを感じてください。 ご応募お待ちしております。

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