「窓口業務」しか知らなかった二人が、雲仙市役所のICT基盤を支えるまで

雲仙市役所

2026/10/13

市役所の業務といえば「窓口業務」のイメージしかありませんでした。そう振り返るのは、雲仙市役所総務部行革推進課の森﨑信悟さんです。民間のICT企業で9年間プログラマーとして経験を積んだのち、令和6年度に雲仙市役所へ入庁しました。


同じ課で働く朝永健司さんも、民間企業で11年間ITインフラの運用・管理に携わったのち、令和4年度に入庁しました。


今回は、そんなお二人に仕事内容とやりがいについて伺いました。

 

 

 

 


 

民間企業からICT職員へ。二人が雲仙市役所を選んだ理由

 

ーまず、お二人の自己紹介をお願いします。

 

森﨑:行革推進課の森﨑信悟と申します。令和6年に入庁し、今3年目です。主に庁内で使用しているパソコンやプリンターなどの機器の管理を担当しています。また、kintone(業務改善ツール)を活用したい部署へのサポートも担っています。Google Workspace(Gmailやドライブが使えるGoogleのサービス)のアカウント管理も任されています。

 

朝永:行革推進課の朝永健司と申します。仕事内容は森﨑さんと近い部分もありますが、私はサーバーやネットワークの方に比重を置いて担当しています。

 

 

ー雲仙市役所への入庁を考えたきっかけを教えてください。

 

森﨑:大学卒業後、福岡のICT企業でプログラマーとして9年間働いていました。6、7年目あたりから、このままプログラマーとしてやっていけるだろうかという不安が募ってきたのです。同じ頃、家族から雲仙市の採用試験にICT職員の募集枠があることを聞いていました。

 

当初は前職を続けるつもりでしたが、8、9年目になって、自分がやりたいことと会社から求められることにずれを感じるようになりました。そこで転職を考え始め、地元に戻ることも視野に入れるようになったタイミングで、ちょうど雲仙市がIT企業での経験者を対象とした採用枠を設けていたため、受験を決めました。

 

朝永:私は大学卒業後、11年間、兵庫県で民間企業のITインフラ運用・管理に携わっていました。祖父母が亡くなったことをきっかけに、地元へ戻ることも考えるようになり、ちょうどその頃、母から市役所でIT職員を募集していると聞き、受験しました。

 

 

ー民間から公務員へ進むにあたって、不安に感じていたことはありましたか。

 

森﨑:前職はプログラマーとしての仕事が中心だったので、公務員としての働き方や仕事内容のイメージがあまりついていませんでした。市役所職員というと窓口対応のイメージが強く、情報系の職員に何が求められるのかは漠然としていました。そのため、今の自分のスキルでやっていけるのか、不安が拭えませんでした。

 

朝永:私も同じように、公務員試験の勉強はしておらず、法律関係の知識がほとんどなかったので、その点は気にかかっていました。実際に入庁してからは、様々なルールがあちこちに分散していて、どれが優先されるのか分かりませんでした。そのため、必要な情報を集めて整理するところから始める必要がありました。最初の頃は、試行錯誤の連続でした。

 

 

ー実際に働き始めて、その不安は変わりましたか。

 

森﨑:想定していたような不安は、あまり感じずに済みました。すべてを職員が担っているわけではなく、外部の事業者に委託している業務もあると分かったのです。これまでの経験を生かしながら、取り組めそうだと感じています。

 

インタビューに応じる森﨑さん

 

調達管理からGoogle Workspace導入まで。ICT職員が支える庁内の仕事

 

ー朝永さんが担当されているサーバーやネットワークについて、もう少し詳しく教えてください。

 

朝永:支所も含め、庁内全体のネットワークの運用を担当しています。フロアごとのネットワークや、サーバー室の管理も含まれます。

 

 

ーパソコンやプリンターの調達というと、事務的な作業という印象を持つ方もいるかもしれません。実際にはどのような判断が必要になりますか。

 

森﨑:既に稼働しているシステムとの依存関係を把握したうえで、仕様書を作成する必要があります。機種の指定がないか、ベンダーに確認したり、朝永さんに相談したりしながら進めています。

 

 

ーサーバーやネットワークを管理するうえで、緊張する場面はありますか。

 

朝永:台風のときは、UPS(無停電電源装置)が正常に動くかどうか、気が抜けません。以前、設定を切り替えた直後に地震が起きて、ヒヤッとしたこともあります。市の暮らしを支える基盤なので、日々気を引き締めています。

 

 

ーGoogle Workspaceの導入では、どのようなことが大変でしたか。

 

森﨑:環境を整えること自体もありましたが、一番苦労したのは職員からの問い合わせへの対応でした。導入直後は、以前の環境の方が良かったという声もあり、説明会の開催や相談窓口の設置を通じて理解を広げていきました。

 

今では、一部の職員から「よくぞGoogleを入れてくれた」と声をかけてもらうこともあります。AIが使えるようになったことを喜ぶ声も多く、導入を担当して良かったと感じています。

 

 

ー導入前と導入後で、具体的にはどのような変化がありましたか。

 

森﨑:以前のメール環境は1週間ほどで容量がいっぱいになっていました。Google Workspaceになってからはその心配がなくなりました。あわせてAIを使って文章の叩き台を作れるようになり、職員の働き方も楽になっているのではないかと感じています。

 

インタビューに応じる朝永さん

 

隣同士の机だからこそ生まれる連携。先輩が敷いた道を継いで

 

ー日頃、お二人が一緒に仕事をする場面はありますか。

 

森﨑:日々相談しながら進めています。Google Workspaceで実現したいことがあっても、自分で調べて設定を試してもうまくいかないことがあります。そのようなときは、朝永さんにネットワークの観点から確認してもらいます。

 

逆に、私が担当しているパソコンの管理・調達も、以前は朝永さんが担当していた業務です。そのため、入庁して1、2年目は、手順を教わりながら仕事を覚えていきました。

 

 

ー森﨑さんから見て、朝永さんはどのような存在ですか。

 

森﨑:直接の先輩にあたります。私が入庁したときには、ICT職員という枠組み自体がまだ手探りの状態でした。朝永さんが先に道を切り拓き、業務の手順書を整理してくれていたおかげで、今の業務にスムーズに入っていけたと感じています。

 

 

ー反対に、朝永さんから見て森﨑さんはどのような存在ですか。

 

朝永:飲み込みの早さを感じています。前職や、これまで関わってきた方々と比べても、早いなと思う場面が多いです。

 

 

ーお二人以外にも、日々のお仕事を支え合うメンバーはいらっしゃいますか。

 

森﨑:はい、課内のメンバーで支えあいながら業務を進めています。インフラ系を担当するメンバーはもう1人いて、この3人は特に連携して動いています。誰かが休むときも、お互いにフォローし合える環境です。

 

 

民間との違いを実感して。家族との時間を取り戻せた日々

 

ー民間企業で働いていた頃と、公務員として働く今とで、一番大きな違いを感じるのはどんなところですか。

 

森﨑:民間では、お客様との関係がうまくいかなければ取引を終える選択肢もありますが、行政の場合はそうはいきません。市民からの要望はできる限り受け止め、できないことはできないとお伝えします。

 

それでも対応自体をやめるという選択肢はなく、市民の方にとっても市役所という相手は一つしかありません。そうした、お互いに相手を選べない関係性は、民間との大きな違いだと感じています。

 

朝永:前職は親会社に常駐という立場だったため、日々気を使う場面が多くありました。市役所に来てからは、その点で気持ちが楽になったと感じています。

 

 

ー雲仙市役所に入庁して良かったと感じる場面があれば教えてください。

 

森﨑:地元に戻ってきたことで、以前は年に数回だった帰省が、今は月に1回、実家に戻って家族と過ごす時間を持てるようになりました。親と関わる機会が増えたことは、戻ってきて良かったと感じる点です。

 

朝永:私も同じく、家族との時間が増えたことが良かったです。以前は一人暮らしをしていましたが、今は家族と過ごす時間を持てるようになりました。

 

 

ー最後に、雲仙市役所で働くことを考えている方へメッセージをお願いします。

 

森﨑:地元に戻って、雲仙市で働く場所を探している方には、ぜひ受験してほしいと思います。私自身、家族と一緒に過ごしたいという理由を面接で正直に伝えましたが、それでも入庁することができました。堅苦しい理由でなくても構いませんので、ぜひ雲仙市役所を選択肢に入れてみてください。

 

朝永:テレワークの普及もあり、都市部にこだわる必要は以前より少なくなってきていると感じています。雲仙市も光回線の整備が進み、地方でも働きやすい環境が整いつつあります。雲仙市役所も、選択肢の一つとして検討していただきたいです。

 

ー本日は、ありがとうございました。

 

取材を通して、お二人の飾らない言葉から、日々のお仕事への向き合い方が伝わってきました。机を並べて支え合いながら、市の暮らしを守り続けるお二人の姿。それは、これから雲仙市役所を目指す方への何よりのメッセージになるのではないでしょうか。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年9月取材)
 

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 雲仙市は長崎県の島原半島北西部に位置し、日本初の国立公園に指定された山々と有明海と橘湾に面した美しい海岸線といった豊かな自然が魅力のまちです。  主な産業は農業、漁業、観光業で、「雲仙温泉」と「小浜温泉」の2つの温泉街がある全国有数の温泉地でもあります。  温泉や地元の人の温かさに触れて「ほっと」することができる雲仙市。これからも市民の皆さまや来訪者の皆さまが「ほっと」できるようなまちであり続けるために、私たちと一緒にまちづくりをしませんか?お待ちしております。

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