高卒1年目を支える、先輩2人の存在 ― 柳川市役所メンター制度インタビュー

柳川市役所

2026/08/26

高校を卒業してすぐに社会人になる。楽しみな反面、不安も大きいはずです。

柳川市役所には、そんな新人職員を先輩職員がサポートする「メンター制度」があります。

 

今回話を聞いたのは、今年4月に柳川市役所へ入庁した緒方さん。そして、そんな緒方さんを「メンター」として1年間支える入庁3年目の先輩、生活支援課の稲荷田さんと会計課の沖田さんです。

 

高卒1年目職員の現状から制度がもたらす安心感まで、3人の言葉からひもといていきます。

 

 


 

中学生の頃から決めていた、地元で働くという選択

 

「柳川出身というのもあって、柳川のために働きたいという思いがありました」

 

緒方さんが公務員を意識し始めたのは中学生の頃。高校も公務員試験に対応したコースがある学校を選び、柳川市役所を志望しました。他の自治体もいくつか受験したものの、最後に心を決めた理由は、知っている地域で働きたいという思いでした。合格の知らせを受け取った時、家族は「近くにいる」ことをとても喜んでくれたそうです。

 

窓口だけじゃない、浄化槽からアライグマ捕獲まで

 

入庁して4ヶ月。緒方さんが所属するのは生活環境課 環境係。担当する仕事は、想像以上に幅広いものでした。

 

「浄化槽の補助金関係の申請対応や、猫の避妊去勢手術の補助、それからアライグマの捕獲対応をしています」(緒方さん)

 

このうちアライグマは特定外来生物に指定されており、市民からの相談を受けて罠を設置し、業者と連携して対応します。「餌には甘いスナック菓子を使うんですよ」と、現場ならではの工夫も教えてくれました。窓口業務が中心だと思っていたものの、実際には思った以上に外に出て行う業務があるといいます。

 

「たまに外に出て業務を行うと気持ちも切り替わりますね」と、イメージとは違う働き方も前向きに受け止めているようです。

 

 

高校生から社会人へ、市職員としての責任

 

職場にも仕事内容にも慣れてきたという緒方さんですが、入庁当時は不安なこともたくさんあったそうです。

 

「3月まで高校生だったのが、4月から社会人。分からないことばかりで、市役所職員として早く1人前にならないといけないなと思っていました」(緒方さん)

 

業務に関することはもちろん、「最初は全然できなかった」という電話対応やビジネスマナーも分からないことだらけの中で、早く1人前になりたいという焦りから不安に感じることも多くあったそうです。

 

 

先輩2人が新人1人を支える「メンター制度」とは

 

柳川市役所には、新人職員1人に対して職場の違う先輩職員2人がメンターとしてつく独自の制度があります。制度の柱となっているのは、場所を確保したうえで3人だけで向き合う定期的な面談です。年に数回のペースで実施され、仕事の進み具合はもちろん、体調面やメンタル面まで、幅広いテーマで話し合われます。

 

「職場でのことだけでなく、プライベートでの息抜き方法など聞いて、少しでも力になれたらという感じでサポートしています」(沖田さん)

 

面談は1時間を超えることもあり、じっくりと向き合う時間になっています。定例の面談以外にも、廊下ですれ違った際の「お疲れさま」のひと声など、日常的なやり取りが制度を支える土台になっています。

 

 

「年齢が近い何でも話せる先輩」不安を埋めてくれた存在

 

「年齢の近い先輩、細かいことも安心して相談できる存在です」(緒方さん)

 

メンターの先輩職員は、年齢の近い職員が選ばれるため、仕事のことに限らず、日々のちょっとした相談もしやすい存在です。休暇の取り方や申請のタイミングなど、入庁したばかりでは分からない「聞きにくいこと」も、気軽に聞ける関係性ができているといいます。

 

実際に休暇の相談をした時には、「職場や業務の都合も考えて、好きなタイミングで取っていいよ」「理由を言わなくていいよ」と声をかけてもらったことが印象に残っているそうです。趣味の話で盛り上がることも多く、面談以外の時間も気にかけてもらえていることが心強いようです。

 

 

メンター自身も、1年目は同じ不安を抱えていた

 

2人のメンターも、かつては同じ立場で悩んでいました。

 

「1年目の時、私も高卒で入って全然分からない状態でした。当時の2人の先輩のおかげで、面談以外の時も相談したりして、心がだいぶ楽になりましたね」(沖田さん)

 

「当時のメンターの先輩がたまたま仕事で関わることも多い部署だったので。他の部署に行くときいつもは緊張するけど、安心して話を聞きに行けました」(稲荷田さん)

 

当時は覚えることも山ほどあったようで、特に戸惑ったのが、電話対応や仕事で使う言葉だったそうです。

 

「同じ職場の上司や先輩からも習いましたが、メンターの先輩にもたくさん助けてもらいました。1年目の特権だと思って分からないことは分からないと、何度も聞いていました。」と、2人は当時を振り返ります。

 

今度は自分が支える番に

 

かつて助けられた経験は、今、緒方さんを支える声かけに生きています。

 

「年齢が近いので、趣味などの話も合いますし、仕事の話も自分が高卒で入った時の不安なども理解してあげられます。たまには息抜きになるような話もして、気が楽になるように心がけています」(沖田さん)

 

沖田さんと緒方さんは、共通して音楽ライブに足を運ぶのが好きで、偶然同じ公演に居合わせたこともあるといいます。共通の趣味も、2人の距離を縮めるきっかけの一つになっています。

 

「私も1年目から窓口業務を経験してきたので、その大変さや気を遣う部分も分かります。そういう経験を伝えていけたらと思っています」(稲荷田さん)

 

稲荷田さんも、緒方さんの部署が市民からの問い合わせ対応で気を遣う場面が多いと面談の中で聞いており、自分自身も1年目の頃に同じような大変さを経験していたといいます。普段の業務で困ったことがないか、すれ違うタイミングで声をかけることを意識しているそうです。こうした日々の積み重ねが、緒方さんにとっての安心感につながっているようです。

 

 

これから目指す職員像、そして受験を考える人へ

 

入庁4ヶ月の今、緒方さんが見据える目標はシンプルです。

 

「色々な仕事内容があるので、臨機応変に対応できる職員になりたいです」(緒方さん)

 

そして、いつか自分が先輩の立場になった時には、「今まで色々な人に助けてもらったので、自分が先輩になった時に、してもらったように教えてあげたり、相談に乗れる先輩になりたい」と話します。先輩から後輩へ、そしてまた次の世代へ――。

 

柳川市役所のメンター制度は、新人を支える仕組みであると同時に、支え合いの文化そのものを引き継いでいく仕組みでもあるようです。緒方さんが今抱く「相談に乗れる先輩になりたい」という思いは、いずれ新しい後輩を迎えたとき、また次の支えとなっていくのでしょう。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年8月取材)

職員インタビュー

この記事の官公庁・自治体

柳川市役所
柳川市役所

有明海と矢部川、筑後川、そして約930㎞にも及ぶ掘割が織りなす水郷の原風景と、広大な田園に抱かれた豊かな自然と歴史・文化そして温かい人々が共存するまちです。

柳川市役所をフォローして、「新着求人の通知」を受け取りましょう!

この記事が気に入ったらお気に入り登録しましょう!

柳川市役所のトップページへ
お問い合わせ

ご利用者様向け利用規約

プライバシーポリシー

運営会社

© PUBLIC CONNECT Inc. All rights reserved.