地域と共に考える防災。射水市役所 防災・資産管理課の仕事
射水市役所
「地域の防災課題に気づいてもらえる瞬間があれば、この話をしてよかったなと思います」
そう語るのは、射水市役所防災・資産管理課で働く入庁4年目の林さん。
大学時代に防災士の資格を取得し、令和5年度に新卒で入庁。以来、同じ課で防災行政無線や出前講座の運営など、地域の防災に関わる仕事を続けています。
今回は、射水市役所の事務職がどのような仕事に取り組んでいるのか、防災という業務を通じて、たっぷりとお話を伺いました。
- 地方自治を学んだ2年間。そこから続く、地元・射水市役所への道
- 「あの音」の裏側にある仕事。防災行政無線という業務
- 地域に出向き、共に考える。出前講座という仕事
- 「まさか、1月1日に」。能登半島地震が教えた、仕事の重み
- 自由と信頼のなかで、まちと歩んでいく
地方自治を学んだ2年間。そこから続く、地元・射水市役所への道
―林さんは就職活動の頃から公務員を目指していたのですか。
林:民間企業も同時並行で受けてはいましたが、第一希望はやはり地元の射水市役所でした。もともと、短大のゼミで、地方自治を専門とされている先生に出会い、そこで学びを深める中で公務員の道を志すようになりました。その先生には、大学編入試験に向けても親身にご指導いただき、それが大きな後押しとなりました。その恩師のおかげもあり、大学へ編入し、新卒で入庁しています。
―この後、入庁後のお話もお聞きしますが、大学でも防災を学ばれていたんですね。
林:編入先の大学で防災に力を入れているカリキュラムがあり、せっかくなら学んでみようと、大学3年生のときに授業の一環として学び、防災士の資格も取得しました。まだ市役所に入ることが決まる前だったので、防災の仕事に就くことを見越していたわけではありません。
「あの音」の裏側にある仕事。防災行政無線という業務
―入庁し、防災・資産管理課では、具体的にどのような仕事をしているのですか。
林:一つは、防災行政無線に関わる仕事です。皆さんがイメージしやすいのは、17時に流れる時報チャイム「赤とんぼ」や、災害時にスピーカーから流れる「避難所を開設しました」などの放送、携帯電話にけたたましい音で知らせる緊急速報メールなど、防災情報の伝達に関わる部分だと思います。
現在、この防災行政無線システムの更新に関する業務を担当しており、これから運用していく無線の方式をどう進めていくかというところを、順を追って詰めている段階です。無線システムの根幹となる電波の伝搬調査や、住民の方々の耳に届くスピーカーの音達試験など、多くの重要な取り組みを控えています。極めて責任の重い業務であり、最終的な結論が出るまでに時間を要するため、大きなやりがいと難しさを同時に感じています。
その他に、地域の方と接する出前講座の対応も行っています。こちらは、能登半島地震以降、機会はどんどん増えていきました。

地域に出向き、共に考える。出前講座という仕事
―出前講座について詳しく教えてください。
林:出前講座は、地域の自治会・町内会の方々、地元の学校や地元企業など、幅広い方々に対して自助・共助の観点から、災害への備えをお伝えする講座です。こういうものを持っておきましょう、こういった情報を避難の判断材料にしてほしいといった内容をお話ししています。地域の防災士の方と一緒に講義を行うことも多いので、防災士の方々と意見交換をする機会もたくさんあります。
―仕事をしていて、難しいと感じる部分はどのようなところですか。
林:防災関連では地域の方からたくさんのご要望をいただくのですが、予算や制度の関係で、すぐには取り組めないことも多くあります。市として優先順位をつけて順々に整備していく中で、どうしても後回しになってしまうこともあり、そこをどう地域の方々に納得していただくかというところに、苦労はしていますね。
―その難しさに、どのように向き合っているのですか。
林:地域の方の思いに共感する部分は持ちつつも、市の立場として、できることとできないことははっきりお伝えするようにしています。ただ、その伝え方などは今も苦慮しながら向き合っている部分ですね。
「まさか、1月1日に」。能登半島地震が教えた、仕事の重み
―入庁してから印象に残っている出来事はありますか。
林:やはり能登半島地震が自分にとって大きなターニングポイントになりました。まさか、入庁1年目の1月1日にこんなことが起こるとは思っていませんでした。
―当時はどのような状況だったのですか。
林:2、3日ほとんど家に帰れない状況が続きました。避難所の開設・運営に対する指示や情報伝達、そして被害状況の集約に加えて、住民の方からもたくさん問い合わせがありました。住民の生活再建や支援など復旧・復興に向けて、どう対応していくかを考え模索する日々でした。
―その経験は、今の仕事にどうつながっていますか。
林:出前講座や防災士の方々との連携が、思っていた以上に重要な部分だったのだと再認識しました。地域の防災計画や出前講座の内容などは、前年度と比較し、改善を行う程度で考えていたのですが、実際に災害を経験したことで、考えないといけない視点がたくさん見えてきました。
また、出前講座に出向くと、住民の方自身も震災を経験されているので、「こういうものが必要でしたよね」という話から入り、意思疎通を図りながら進められるようになったと感じています。住民の方々の防災意識は上がっていると思います。だからこそ、何ができるかを考え続ける必要がありますね。
―防災の仕事ならではの難しさもあると伺いました。
林:例えば大きな災害が起きたときに現場で対応する職員は、大変な業務ではありますが、感謝されることも多いと思います。
一方、防災の仕事は、何かあって感謝される、ということは少ない仕事です。それは、この仕事の性質上、仕方のないことです。ただ、むしろ何も言われないことこそが非常に大事で、こちらから先回りして動くことが重要と考えています。
すぐに感謝されるものではないかもしれませんが、地域の方が防災の課題に気づいてくれる瞬間に立ち会えることが、この仕事のやりがいだと感じています。

自由と信頼のなかで、まちと歩んでいく
―職場の教育体制について教えてください。
林:1年目は、教育担当の方が同じ班の中にいて、いろいろなことを教わりました。つきっきりというわけではなく、都度声をかけてもらっていましたね。また、今でも、自分で何かを企画したり、書類を作ったりするときは相談をしたうえで進めることができる環境にあります。
―働く雰囲気はいかがですか。
林:班の4人それぞれが黙々と仕事を進めている雰囲気なのですが、進める中で、こうした方がいいのではという意思疎通はしっかり図れています。風通しはいいですね。そして、基本的には自由にやらせてもらっていると思います。
―働き方の面では、残業や休日出勤は多いのですか。
林:残業は少ないです。一方で、土日に地域の訓練や講演会、出前講座に出向くことが多く、休日出勤という形は多いです。ただ、休日に出勤した分は代休という形で平日に休みを取っています。
―ワークライフバランスについては、どのように感じていますか。
林:秋口はイベントや訓練が重なるため忙しくなりますが、それ以外は比較的落ち着いているのでワークライフバランスは良い環境にあると思います。ただ、防災の仕事である以上、警報が出れば出勤しないといけないので、その点は仕方のない部分だと捉えています。
それでも、出前講座などを通じて地域の方の反応が少しずつ変わってきているのを感じられるのは、この仕事を続けている一番の支えになっています。
―最後に、射水市役所を目指す方へメッセージをお願いします。
林:市役所の仕事は、部署ごとに様々な顔(業務)を持っています。だからこそ、日々の業務を通じて幅広い知識が身につき、人としても大きく成長できるチャンスがたくさんあると思います。一から覚えることも多く、不安もたくさんあるとは思いますが、そこは、経験豊富な先輩や上司が、常に優しくそして的確なアドバイスでサポートしてくれるはずです。
私自身もそのような先輩方に近づけるよう日々頑張っています。少しでも「面白そうだな」「ここで働いてみたいな」と感じていただけたら、とても嬉しいです。ぜひ、一緒に働きましょう。
―本日はありがとうございました。

取材を通じて印象に残ったのは、林さんが淡々とした口調の中に、地域への実直な向き合い方をにじませていたことです。感謝されにくい仕事だと自覚しながらも、先回りして動くという姿勢には、防災という仕事の本質が表れているように感じました。
取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年6月取材)
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「いいとこ、いいもの、ギュギュッと!射水」 射水市は富山県のほぼ中央に位置し、海や河川、丘陵に囲まれた自然豊かなまちです。 半径約7kmとコンパクトな市域も特徴で、名所などの「いいとこ」と海の幸・里山の幸などの「いいもの」がギュギュッと詰まった住みよいまちとして発展してきました。 また、「子育てするなら射水市で」をキャッチフレーズに掲げ、切れ目のない充実した子育て支援を実施しており、子育て世代からも選ばれています。 これまで以上に未来世代から選ばれるまちを創り上げるために、一緒に働きませんか? まちづくりの主役は、このサイトを見ている「あなた」です!
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