氷上の絆が街と人を育てる!八戸市で描く「スケート×公務員」の情熱

八戸市役所

2026/09/28

「せかせかした都市部よりも、生まれ育った大好きな地元で自分らしく働きたい」—そんな思いを胸に八戸市庁へ入庁したAさんと、20年以上のキャリアを誇り市庁のさまざまな現場を歩んできたSさん。

二人は現在、国内にわずか3か所しか存在しない世界基準の屋内スケート場「YSアリーナ八戸(長根屋内スケート場)」で共に働いています。実はこの二人、単なる職場の先輩・後輩という関係にとどまりません。Aさんが中学生だった頃、スケート部のコーチを務めていたのがまさにSさんでした。

かつての「コーチと教え子」が、時を経て同じ市職員として再会し、さらには共に地域の中学生へスケートを教える指導者としてもタッグを組んでいます。仕事とプライベート、そして地域活動をいかにして両立し、豊かなライフスタイルを実現しているのか。八戸市庁ならではの風通しの良さや、スケート文化にかける熱い情熱について、魅力的なお話を伺いました。

 

 


地元・八戸への想いと、それぞれの入庁経緯

ーまずはお二人のご出身や入庁までの経緯、市役所を目指したきっかけについて教えていただけますでしょうか?

 

S:私は地元である八戸市の出身です。地元の高校と専門学校を卒業した後に、まずは八戸市役所で臨時職員として1年間勤務いたしました。その後、正規職員採用試験に合格し、平成13年に入庁して現在に至ります。

 

早いもので、もう20年以上、市役所に勤めております。

 

A:私も、生まれも育ちも八戸市です。高校まで地元で過ごし、大学は東京の大学に進学しました。その後、地元に戻り令和5年に八戸市役所に入庁しました。今年で4年目になります。

 

ーお二人とも地元出身なのですね。就職活動の際には、民間企業や他の自治体なども選択肢として考えられていたのですか?

 

S:私の場合は、他の民間企業などは特に考えていませんでしたね。

 

最初から公務員志望でして、地元である八戸市役所一本で受験しました。公務員を選んだ理由としては、月並みかもしれませんが、休みが取りやすそうだなという点や、漠然とではありますが雇用が安定しているという点に魅力を感じていたからです。

 

A:自分も結果的には八戸市役所しか受けていません。

 

大学1年生の頃は、東京の大きなメーカーなどに勤めたいという気持ちも少しありましたが、実際に東京で暮らしていくうちに、「やっぱり地元に戻りたいな」と思うようになったんです。

 

その時に、昔から父親が「公務員はいい仕事だぞ」と言っていたのを思い出しました。それに、Sさんを含め、身近に公務員として働いている人が多かったため、働くイメージが湧きやすかったというのが大きな理由ですね。

 

ーお二人は市役所で出会う前からの知り合いだったということですか?

 

A:そうなんです。実は、自分が中学生の時、Sさんがスケート部のコーチをしてくださっていたんです。大学時代にもスケートリンクで何度かお会いしていましたので、Sさんとはずっと親交がありました。

 

師弟が職場で再会。長根屋内スケート場(YSアリーナ八戸)での仕事とは

ー中学時代のコーチと職場で再会するというのはとても素敵ですね。現在のお二人の所属や関係性について詳しく教えてください。

 

A:市役所に入ればいずれどこかの部署で一緒になるタイミングはあるのかなと思ってはいましたが、まさかこんなに早く同じ部署になるとは思っていなかったので驚きました(笑)

 

S:私たちは現在、長根屋内スケート場という部署に所属しております。施設名としてはネーミングライツが導入されておりまして、「YSアリーナ八戸」という名称で親しまれています。市が直接運営を行っている直営の施設になります。

 

私はまだ管理職ではありませんので、職場での関係性としては、上司部下というよりも同じグループ内の先輩と後輩という間柄になります。

 

ーコーチ時代の顔と、市職員としてのSさん、印象が違いましたか?

 

A:これが全然変わらなかったですね(笑)

コーチ時代からもすごく話しやすくて優しい印象だったのですが、今の職場でも変わらず接しやすい素敵な先輩です。昔と変わらない関係性のまま仕事ができていると感じています。

 

ーお二人が勤務されている「YSアリーナ八戸」は、国内でも非常に貴重なスケート場だと伺いました。

 

S:はい、実は国際基準を満たす屋内のスピードスケート場は、日本国内に3つしか存在しないんです。最初にできたのが長野オリンピックの会場となった長野市の施設で、2番目が北海道帯広市の施設です。そして3番目にできたのが、ここ八戸市の「YSアリーナ八戸」になります。

 

八戸市は昔から「氷都八戸」と呼ばれておりまして、非常にスケート文化が根付いている地域なんです。長年にわたり諸先輩方が実現に向け動いていただいたおかげで、待望の室内リンクとしてオープンいたしました。

ー国際大会も開催できる世界基準の施設なのですね。そんな施設で、普段はどのような業務を行っているのでしょうか?

 

S:スケート場としての営業期間は、氷を張る7月下旬から3月上旬までとなっています。それ以外のオフシーズンの期間は、氷を溶かしてアリーナ空間とし、バスケットボールやフットサル、バトントワリングなど、様々なスポーツのために施設貸出を行っております。

 

これらの施設利用受付や運営が主な業務となりますが、施設内の会議室の貸し出しや、イベントやコンサート、コンベンションなどの誘致活動も行っております。

異動を繰り返しながら磨いた、市役所職員としての幅広いキャリア

ーこれまでにお二人が市役所で経験されてきた業務についても伺えますか?

 

S:私は入庁後、最初に統計調査を行う部署に配属されました。その後、当時はまだ独立した部署がなかった防災の専門部署を立ち上げるタイミングで、立ち上げメンバーとして携わったり、情報システム課で市役所内のネットワークやシステム管理を担当したりいたしました。

 

そして特徴的なのが、「国体(現・国民スポーツ大会)」に関する部署です。八戸市は冬季国体の開催回数が日本一多い地域でして、開催が決まるたびに準備1年・実施1年という2年間の限定部署が立ち上がるんです。

私はスケート経験者ということもあって、国体が決まるたびに国体室へ呼ばれ、終わると解散して通常の行政部署へ戻る、というプロセスを何度か経験してきました。

 

他には生活福祉課や中央卸売市場、教育委員会なども経験して現在に至ります。

A:私は入庁して最初に生活福祉課へ配属され、生活保護の地区担当ケースワーカーとして3年間勤務いたしました。生活保護を受給されている方の保護費の計算や、定期的な家庭訪問などが主な仕事です。

 

ーケースワーカーのお仕事は、まさに対市民ということもあり、大変なことも多かったのではないでしょうか?

 

A:振り返ってみても確かに忙しかったですし大変ではありましたが、自分にとってはすごく刺激的で貴重な経験だったと思っています。

 

普通の暮らしの中では見えてこない社会の側面を知ることができましたし、毎日違う出来事が起きるので非常に学びの多い3年間でした。福祉関係の部署は大変、というイメージが強いかもしれませんが、スポーツで精神面も強くなっていたせいか、辛いと感じることはあまりありませんでした。

 

S:実は私も過去に生活福祉課にいたことがあります。人と直接話をするのが好きなタイプなので、大変さよりも色々な方と対話できるやりがいの方が勝っていました。

 

一概に大変そうというイメージをもって働くよりも、まずはやってみることが大切なんだと思っています。

 

ーお二人とも、とても前向きで素敵ですね。実際の職場の働きやすさや人間関係はいかがですか?

 

S:これまで働きにくい職場だと感じたことは一度もありませんね。幸いにも上司や同僚といった職場のメンバーにもずっと恵まれてきたと感じています。

 

残業することももちろんありますが、その分はしっかりと手当として支給されますし、有休や夏季休暇などの休暇制度も非常に取得しやすい環境が整っています。

 

A:前の部署は職員数がとても多い課だったのですが、男性職員が半年間の育児休業を取得したり、お子さんがいる方が時短勤務を活用して10時出勤や16時退勤をされたりと、お互いに配慮し合って業務を回す風土ができていました。

 

組織全体として、すごく働きやすい職場だと実感しています。

仕事とライフワークの両立。地域の子どもたちを育てる「コーチ」としての活動

ーお二人は、お仕事以外のプライベートでもスケートに深く関わっているとお聞きしました。

 

S:そうなんです。私もAさんも、仕事が終わった後の夜の時間や土日を使って、地元の学校の部活動のコーチとして子どもたちを指導しています。

 

A:私は大学を卒業して市役所に入庁するタイミングで、Sさんから「一緒にコーチをやってみないか」とお声がけをいただきました。最初は中学生の時に教えていただいたことへの「恩返し」という気持ちで始めたのですが、1年生から3年生になっていく過程で子どもたちがどんどん成長していく姿を間近で見られることに、年々大きなやりがいを感じるようになっています。

 

ーお仕事と指導の両立だと、体力的にも大変ではないですか?

 

S:大変だという感覚は全くなくて、もはや大切なライフワークですね。私の場合は子どもが二人ともすでに大学生になっているので、若いコーチに家庭の負担をかけないよう、時間のある自分が率先して動こうという気持ちで楽しんでやっています。

 

A:私もプライベートの予定を優先させてもらいつつ、行けるタイミングで参加させてもらっているので、無理なく楽しく続けられています。

 

仕事のやりがいとはまた違って、子どもたちの成長や成果を一番ダイレクトに感じ取れるのがコーチとしての最大の魅力ですね。

ーこうした「指導者」としての活動には、職場の理解やサポートもあるのでしょうか?

 

S:私の場合、兼業届をあらかじめ提出済みで、全国大会の遠征などで平日に帯同する際は、「職務専念義務免除」の承認もいただいて参加しています。

 

上司や同僚も「頑張って行ってきて」と快く送り出して応援してくれるので、本当に理解のある職場だと感じています。

 

ー指導者としての経験や人脈が、本業の市役所業務に活きる場面もありますか?

 

S:これは非常に多いと思います。遠征先や大会で出会った県外の指導者の方々との繋がりから、「ぜひ八戸で合宿をやりませんか」と働きかけて合宿の誘致に繋がったことが何度もあります。

 

逆に、仕事で八戸に来てくれた合宿団体の方々と交流することで最新の指導情報が得られ、それをまた地元の指導に還元できるという、非常に良い相乗効果が生まれているんです。

A:素晴らしい施設ができたことで競技人口が増え、自分たちが教えてきた子どもたちが今や高校生になって全国大会で活躍するまでになっています。指導者としてこれ以上の喜びはありませんね。

 

仕事としてではありませんが、スケートを通じて八戸市の魅力を発信できていると感じています。

八戸市の魅力と、これから働く未来の仲間へのメッセージ

ー地元で長く暮らし、市職員として街を支えてきたお二人から見て、八戸市の魅力はどんなところにありますか?

 

S:やはり「人が温かい」という点に尽きますね。

 

県外から合宿に来る選手や関係者の方々がみなさん口を揃えて「八戸の人たちは本当に温かくて親切だ」と言ってくださるんです。何でも世話を焼いて気遣ってくれる雰囲気が街全体にあります。

 

地元にずっといると気づきにくい魅力ですが、外の人から言われて改めて八戸の人の良さを実感しています。

 

A:生活のしやすさも魅力だと思っています。東京にいた頃は毎日の満員電車での通学が本当に苦痛だったのですが、八戸なら車があれば自分の好きなタイミングで快適に通勤できます。

 

少し車を走らせれば種差海岸のような雄大な自然がありますし、美味しい飲み屋街もすぐ近くにあります。夏は比較的涼しくて、北国でありながら雪もさほど多くはないので、非常に過ごしやすい環境です。もちろん、魚などの海産物も新鮮で最高に美味しいですよ!

 

ーそれでは最後に、これから八戸市役所を目指す受験生や、地元で働きたいと考えている方へメッセージをお願いいたします!

 

S:八戸市庁は、自分のプライベートや大切にしたい時間を確保しながら、地域のためになる仕事を高い次元で両立できる素晴らしい職場です。

 

家族との時間もしっかりと作ることができますので、ワークライフバランスを重視したい方にとっても働きやすい環境だと思います。ぜひ安心して飛び込んできてください。

 

A:自分の時間や土日の休日をしっかり確保しつつ、安定した基盤の上で将来設計を描くことができるのが公務員として働く大きな魅力だと思います。

 

職場の人間関係もすごく温かく、やりがいを持って働ける環境が整っています。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています!

ー本日はお忙しい中、ありがとうございました。

 

今回取材させていただいたSさんとAさんは、職場の先輩・後輩であり、かつてのコーチと教え子であり、そして現在は共に地域の子どもたちを育てる指導者パートナーでもあります。お二人が醸し出す終始和やかで信頼に満ちた空気感から、八戸市役所という職場の温もりと風通しの良さがまっすぐに伝わってきました。

「仕事もプライベートも、どちらも本気で楽しむ」。そんなお二人の姿勢と、それを温かく応援する組織の文化こそが、氷都・八戸の未来を明るく照らしているのだと感じた取材でした。

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

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八戸市は、平成29年に当市は中核市へ移行し、近隣の7町村と八戸圏域連携中枢都市圏を形成しながら、北東北地域の住民生活と地域経済を支える拠点として、更なる飛躍を遂げています。さらに、市発展のため、人口減少・少子高齢化の進行やグローバル化・デジタル化の進展に加え、グリーン社会の実現に向けた取組の加速化や、水産資源確保・中心市街地の賑わい創出に関する取組など、様々な課題へ立ち向かっています。

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