「自分が選んだ遊具で、子どもたちが遊んでいる」——白老町の道路と公園を守る、土木技術職7年目の物語

白老町役場

2026/09/01

「自分が選んだ遊具の上で、子どもたちが遊んでいる姿を見ると、本当にうれしくなります」

 

そう笑顔で語るのは、白老町建設課で土木技術職として働く入庁7年目の辻さん。地元の工業高校の土木科を卒業後、すぐに白老町役場へ入庁し、上下水道課での勤務を経て、現在は建設課で道路や公園の設計・工事発注を担当しています。

 

今回は、白老町の土木技術職を目指す方に向けて、仕事のやりがいや職場の雰囲気について、たっぷりとお話を伺いました。

 

 


 

地元の隣町から始まった挑戦。工業高校の土木科で芽生えた「この道」への思い

ー辻さんのご出身と、土木の道を選ばれた経緯について教えてください。

 

辻:白老町の隣町にあたる、苫小牧市の出身です。地元の工業高校を卒業後、そのまま白老町役場に入庁しました。

 

実は、高校に入る前は土木のことをあまり知りませんでした。家族に土木関係の仕事をしている人もいませんでしたし、大学に進学するというよりは、早く就職したいという思いが強くて工業高校を選んだんです。工業高校の土木科で学んでいくうちに、土木の重要性を実感するようになって、この道に進みたいと思うようになりました。

 

 

ーなぜ公務員という道を選ばれたのですか。

 

辻:土木の重要性は学んだのですが、民間の建設業者は休みが少なかったり、力仕事が多くて肉体的にも大変そうだったりというイメージがありました。高校では成績上位を目指し、頑張って勉強していたものの、具体的に何をしたいかは決まっていなくて、親に将来のことを相談したときに公務員を勧められたんです。

 

そこでいろいろ調べる中で、土木技術職という仕事があることを知りました。正直なところ、待遇が恵まれている面や給料が安定していることが、公務員を目指す最初のきっかけだったと思います。

 

 

ー数ある自治体の中で、白老町を選ばれた理由を教えてください。

 

辻:出身地に近い自治体で働きたいという思いがあったので、苫小牧市も受けていました。どちらも自分にとって縁のある地域だったので、面接でも「どこの自治体でも精一杯頑張ります」とお伝えしていました。

 

白老町には幼少期によく遊びに行った記憶もあり、貢献したいという気持ちも持っていました。最終的には、苫小牧市よりも白老町の結果通知が早かったこともあり、白老町への入庁を決めました。

インタビュー風景

上下水道から道路・公園へ。現場で覚えた土木技術職の仕事

ー入庁後、最初はどこに配属されたのですか。

 

辻:上下水道課の施設グループに配属されました。1年目は、水道メーターの管理や交換工事の発注、浄水場との打ち合わせなど、上下水道の維持管理に関わる事務仕事を担当していました。

 

技術職は本来、工事発注が中心になりますが、まずは業者とのやり取りに慣れるという意味で、施設グループからのスタートだったと聞いています。

 

 

ー2年目はどのような仕事をされたのですか。

 

辻:同じ上下水道課の中で事業グループに異動し、水道管の新設など、工事発注や設計積算がメインの仕事になりました。監督員として名前が入る工事はいくつもありましたが、実際に自分がメインで設計を担当したのは5本ほどだったと記憶しています。

 

 

ー建設課に異動されてからは、どのような仕事をされているのですか。

 

辻:令和4年度に建設課へ異動し、道路や河川、公園に係る工事の設計積算、発注を担当するようになりました。建設課1年目はまず道路の仕事を覚える段階で、積算をしている先輩に教わりながら動いていました。2年目からは、自分でも工事の本数を持って積算するようになりました。

 

 

ー公園の仕事は、道路の仕事とどのような違いがありますか。

 

辻:3年目からは公園も担当するようになりました。公園の場合、古くなった遊具の更新が中心で、道路のように現地で測量することはあまりなく、規約に沿って同等品を選ぶ作業が中心になります。

 

例えば古いブランコがあれば同等のブランコを選び、見積もりを取って設計するという流れです。設計して発注するという大まかな流れは道路と変わりませんが、現地での測量作業が少ない代わりに、より安全で子供たちが楽しめる遊具を選定する作業に多くの時間を費やしています。

施工立会の様子
施工立会の様子

自分で選んだ遊具に、子どもたちが遊んでいる。形に残る仕事の喜びと、災害対応の厳しさ

ー仕事のやりがいはどのようなところに感じますか。

 

辻:自分で考えたものが形になる瞬間にやりがいを感じます。上下水道であれば、古くなった管が新しくなり、漏水の件数が減っていくのを見ると、「ライフラインを支えているのだ」と実感できます。

 

また、公園であれば、自分が選んだ遊具が完成して、そこで実際に子どもたちが遊んでいるのを見ると、「自分がやったことが形になったんだな」と実感できて、本当にうれしくなります。

 

公園の遊具の入れ替えは、もともと自分がやってみたいと思っていた仕事のひとつでした。実際に自分で遊具を選び、完成した公園で子どもたちが遊んでいる姿を見たときは、本当にうれしかったですし、良かったなと思えました。子どもたちが遊べる場所をしっかり作るというのも工事の目的のひとつだったので、とても印象に残っています。

現場作業の様子

ー逆に、大変な面や苦労する面はありますか。

 

辻:大雨や大雪など、自然災害への対応は大変だと感じます。夜中に大雨が降って河川が増水し、道路冠水などの恐れがあると、大雨の中でもパトロールに出なければいけません。時間に関係なく動かなければいけない点は、やはり負担は大きいと感じます。

 

 

ー大雪のときの除雪対応についても教えてください。

 

辻:白老町では、まず職員が町内を回って、平均で10センチ以上積もっていれば業者に除雪の要請をかける仕組みになっています。

 

そのため、雪の降り具合を見て、積もっていれば必ず町内を確認しに回らなければならず、その点は苦労するところです。担当職員で2、3班の班を編成し、地区ごとに一斉に巡回する形で対応しています。

 

 

離れた年齢でも風通しよく。休みも取りやすい白老町の職場

ー職場の雰囲気はいかがですか。

 

辻:土木技術職は若い職員が少なく、自分の次に若い人でも40代です。20代は自分を含めて2人しかいません。それでも年齢差を理由に会話が少ないということはなく、プライベートの話も仕事の相談もしやすい、気さくな方が多いと感じています。雰囲気は明るい職場だと思います。

職場風景

ー残業についてはいかがですか。

 

辻:残業はタイミングによりますが、突発的な仕事が重なったときに続くことはあります。基本的に計画的に進めていれば、定時で終業することが多いです。

 

 

ー突発的な仕事とは、具体的にどのようなものですか。

 

辻:災害でパトロールが長引いたり、道路関係の苦情対応で優先順位が変わったりすることがあります。倒木など、突然対応が必要になる案件が入ると、そちらを優先することになります。

 

休暇については、「休みはどんどん取っていこう」という風潮が、課のみならず町全体にあるので、本当に休みは取りやすいと感じています。

 

 

ー最後に、白老町の土木技術職を目指す方へメッセージをお願いします。

 

辻:自治体の良さをどう感じるかは、個人差があると思います。それでも、土木技術職は、まちの魅力を守るだけでなく、道路や橋、公園を新しくすることで、新たな魅力を作り出せる仕事だと思っています。

 

今、日本全体で技術職の人数がどこの自治体でも減っています。「やりたいことがなかなか見つからない」という若い方にこそ、ぜひチャレンジしてほしいと思っています。

 

 

ー本日はありがとうございました。

 

高校卒業後すぐに白老町役場へ入庁し、上下水道課、建設課と経験を重ねてきた辻さん。取材の中では終始落ち着いた口調でありながら、自分が選んだ遊具で子どもたちが遊ぶ姿を語るときの表情には、確かな手応えが感じられました。

 

災害対応など苦労する場面を率直に語りつつも、まちの新たな魅力を作り出せることを仕事の魅力として挙げていたのが印象的です。これから白老町の土木技術職を目指す方にとって、今回のお話が働くイメージを具体的に描く手助けになれば幸いです。

 

 

取材・文:パブリックコネクト編集部(2026年7月取材)

職員インタビュー

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北海道の南西部に位置し、南は青く壮大な太平洋、北は支笏洞爺国立公園の一角を形成する雄大な山々に抱かれ、面積の約75%を森林が占める自然豊かなまちです。 古くから先住民族「アイヌ」の人々が豊かな生活文化を育んできました。 2020年7月には、アイヌ文化の復興・創造・発展のための拠点となるナショナルセンターとして、 民族共生象徴空間「ウポポイ」が白老町ポロト湖畔に開業しました。

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