官公庁・自治体で働くならパブリックコネクト

求人を探す
官公庁の方
ログイン

会員登録

ホーム

特集

【福祉のしごと】制度の向こうに、人がいる。

【福祉のしごと】制度の向こうに、人がいる。

Public Connect

2026/07/03

福祉のしごとには、色々な入り口があります。生活に困っている人の相談に乗る人、介護や障害のサービスにつなぐ人、子どもや家庭を支える人。

 

けれど、どの現場にも共通していることがあります。窓口の向こうやデスクの先には、いつも生身の人がいるということ。

 

今回は、事務職、福祉職、心理職、それぞれの立場で人と向き合う職員の声を、3つの現場からお届けします。職種は違っても、「目の前のこの人の力になりたい」という同じ想いが流れています。

 

※各記事の所属・年次はインタビュー当時のものです。

 

【Case 1:北区役所・社会福祉士】「手放せたとき」が、いちばん良い支援だった

「自立に向けた仕組みが整い、自分が『手放す』ことができたとき、本当に良い支援ができたなと実感します」 (北区役所 森園さん)

 

東京都北区役所の障害福祉課で、社会福祉士として5年目を迎えた森園さん。介護士だった親御さんの影響で福祉の道を志しました。

 

そして、コロナ禍で介護などの現場の不安定さを目の当たりにしたことから、人々の生活を根底から支え、自分自身も長く働き続けられる「行政」という場所を選びました。

 

王子障害相談係でケースワーカーを務め、身体・知的・精神障害から児童・難病まで、幅広い相談に向き合っています。

 

1. 骨壺を抱えて帰った日に、痛感した責任の重さ

森園さんの心に深く残るケースがあります。長年一緒に暮らしていた親御さんを亡くし、一人きりになってしまった障害のある方。家の状況を把握できず、届いた郵便物も溜まったまま、内容も理解できない状態でした。

 

森園さんは何度も自宅に足を運び、事務手続きを一つずつ一緒に進めます。親御さんの葬儀ではプランを話し合う場に同席し、火葬にも職員として同行しました。骨壺を持たせてもらい、一緒に帰ってきたとき、この仕事の責任の重さを痛感したといいます。

 

2. 「関わりが減ること」が、理想のかたち

そこから森園さんは、手帳の手続きや、成年後見制度を使った金銭管理の体制を整えていきました。今では後見人やヘルパー、相談員が周りを固め、森園さんの関わりは年に一度の電話確認程度まで減っています。

 

実は、この「関わりが減った状態」こそが理想だといいます。最前線で抱え込むのではなく、地域の社会資源とつなぎ、自分が何もしなくても本人の生活が回る状態をつくる。自立に向けた仕組みが整い、「手放す」ことができたとき、本当に良い支援ができたと実感する。

 

寄り添いの先にある「自立」を見据える、福祉のプロの視点がここにあります。

 

3. 一人で抱え込ませない、チームの強さ

ケースワークは一人で抱え込みがちな仕事ですが、北区の職場には常に横のつながりがあるといいます。

過去の事例をどう対応したか日常的に相談が交わされ、困ったときには先輩が訪問に同行してくれる。

 

両親の急な入院で障害のある方が取り残されるような予期せぬ緊急事態にも、組織としてのバックアップ体制が整っています。

 

年齢に関係なく、それぞれの強みを活かして最善の答えを探る雰囲気が、シビアな現場を支えています。

 

関連記事

福祉職として安定とやりがいの両立を北区役所で叶える。人生の転換期に寄り添う「後方支援」の醍醐味(インタビュー全文)

 

 

【Case 2:瀬戸市・事務職】不安を抱えて訪れる人に、そっと寄り添いたい

「機械的に制度を説明するのではなく、まずは相手のお話をじっくりとお聞きし、その不安を少しでも和らげられるような温かな対応を心がけています」 (瀬戸市役所 山本さん)

 

愛知県瀬戸市役所の高齢者福祉課で、入庁1年目から要介護認定や福祉用具の給付を担当する山本さん。

大学では国文学を学び、教員を志していましたが、大学時代のコンビニでのアルバイトや、ヘルパーとして働く母と祖母の姿を通じて、高齢者を支える仕事へと進路を定めました。

 

「行政という立場から、もっと広い視点で高齢者に寄り添う仕組みを作りたい」。その思いで、瀬戸市役所に絞って受験したといいます。

 

1. 窓口の向こうにある、不安と悲しみ

窓口を訪れる人の多くは、自分や家族が病気になったり、介護が必要になったりと、大きな不安や悲しみを抱えています。山本さんが何より大切にしているのは、機械的に制度を説明するのではなく、まず相手の話をじっくり聞くこと。

 

もともと感受性が強く、他人の痛みを自分のことのように感じてしまう性格だといいます。その「寄り添う心」を忘れずに、一人ひとりと向き合っています。

 

2. 「あなたが担当で良かった」という言葉

良い仕事ができたと感じるのは、自分の行動が誰かの救いになっていると実感できた瞬間だと山本さんは語ります。

 

介護認定の結果を伝えたあとや、相談に乗ったあとに、「あなたが担当で良かった」「話を聞いてくれて安心した」という言葉をもらうと、胸が熱くなる。介護認定は、その人の生活を左右する重要なステップです。

 

忙しい日々のなかでも、安堵した表情を見られたとき、この道を選んでよかったと心から思うといいます。

 

3. いちばん難しいのは、納得してもらうこと

一方で、いちばん難しいのは、認定結果が家族の期待より軽い判定になったときの説明だと打ち明けます。

 

「家ではこんなに大変なのに、どうして?」と涙ながらに訴えられることもある。判定は医師や専門家の意見に基づいた公平なものですが、家族が抱える介護の重荷という感情を、無視することはできません。

限られた情報のなかで、いかに納得してもらい、次の支援につなげていくか。その言葉選びに、今でも毎日頭を悩ませています。

 

関連記事

【若手職員インタビュー#01】「瀬戸市の力になりたい」その真っ直ぐな想いが、瀬戸の未来を照らしていく。(インタビュー全文)

 

 

 

【Case 3:相模原市・心理職】困って助けを求めてきた人に、深く寄り添う

「相談していただくことによって少しでもいい方向に進んでいくこと、これが何よりやりがいだと思っています」 (相模原市役所 中山さん)

 

神奈川県相模原市役所で心理職として働く中山さんと坂西さん。中山さんは児童相談所で、坂西さんは子育て支援センターの療育相談で、それぞれ子どもとその保護者に向き合っています。

 

大学・大学院で心理学を学び、児童相談所での非常勤などを経て、正規職員として入庁しました。「行政心理職」の、深いやりがいを語ってくれました。

 

1. 「助けを求める状態」で来る人と向き合う

中山さんが勤める児童相談所では、問題や悩みを抱える子どもや保護者に、面接や心理検査を通じて状況の改善を支援します。虐待の通報を受けて相談に至るケースもあり、虐待に関しては命に関わることも少なくありません。

坂西さんの療育相談には、子どもの発達に漠然とした不安を抱える保護者が訪れます。

 

二人の仕事に共通することは、心理職のもとへ来る人は「何か目的や要望があって来るのではなく、困っていて助けを求める状態で来ている」ということ。その切実さに、専門職として向き合っています。

 

2. モヤモヤを言葉にして、前向きな一歩へ

坂西さんが大切にしているのは、保護者が感じている漠然とした不安を、専門的な視点から具体的な言葉にして明確にすることです。子どもの特性をただ「受け入れる」よう促すのではなく、まず得意なことや苦手なことを「理解する」ところから始める。

 

その理解をもとに、その子に合った接し方や必要な環境を一緒に考えていきます。相談を通じて家庭の関係性や生活が少しでも良い方向に向かい、前向きな話ができるようになると、やっていてよかったと感じるといいます。

 

3. 子どもの味方として、その気持ちに寄り添う

心理職に向いているのはどんな人か。中山さんは、何より「子どものため」と考えられることを挙げます。さまざまなケースがあるなかで、心理職だけが子どもの味方になることもある。そんな子どもに、まず寄り添える人がいいといいます。

 

坂西さんが挙げるのは、想像力の豊かさです。親から暴力を受けている、学校に行けないといった状況の子どもと話すとき、その子がどう感じているのか、相手の気持ちに深く寄り添った支援をすることが何より大切だと語ります。

 

関連記事

誰かの人生に深く関わる仕事~大変だけどやりがいも大きい、心理職としての働き方~(インタビュー全文)

 


職種も立場も違っても、仕事の根っこに流れているものは、似ています。

申請の処理や制度の運用。外から見れば、そう見えるかもしれません。

 

けれど、どの現場の職員もまなざしを向けていたのは、書類の向こうにいる「ひとりの人」であり、その人が自分の力で、あるいは地域の支えのなかで生きていけるようにすることでした。

 

制度の向こうに、ひとりの人がいる。そのことを忘れずに人と向き合う温かさが、福祉の現場には、確かに息づいています。


 

仕事紹介福祉職員インタビュー

ヘルプ

お問い合わせ

ご利用者様向け利用規約

プライバシーポリシー

運営会社

© PUBLIC CONNECT Inc. All rights reserved.