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【実は公務員】レア職場?役所・民間と違う組織で、暮らしの「当たり前」を支える人たち
【実は公務員】レア職場?役所・民間と違う組織で、暮らしの「当たり前」を支える人たち
Public Connect
2026/07/17
「公務員」と聞いて思い浮かぶのは、市役所や町役場で働く姿かもしれません。けれど、公務員が働く場所はそれだけではありません。水道の企業団、市から独立した病院局。名前だけでは「民間の会社かな」と思ってしまうような組織にも、地方公務員として働く人たちがいます。
今回は、そんな職場で働く人たちの声を訪ねました。

「『水道屋さん?』『民間の会社?』と疑問に思う方も多いかもしれません。実はここ、八戸圏域29万人に水を供給する、非常に重要な『公務員』の組織なんです」(八戸圏域水道企業団)
青森県の八戸圏域水道企業団は、八戸市を中心とした7市町の水道事業を統合して生まれた組織です。名前に「団」とつくため民間と誤解されがちですが、ここで働くのは市役所や町役場と同じ地方公務員。約150名の職員が、圏域に暮らす人々の生活を支えています。
かつての八戸圏域では、市町村ごとに水道料金や管理レベルの格差があり、水不足も深刻な課題でした。それらに技術的・財政的に対処するため、7市町の水道事業を統合して1986年に設立されたのが、この企業団です。
一つのまちでは抱えきれない課題も、広域で束ねることで、経営を効率化し、水道に特化した高い専門性を発揮できる。人口減少や施設の老朽化という新しい課題に直面する今、その意味はいっそう大きくなっています。
企業団が維持管理する施設は多岐にわたります。水源から水をくみ上げるポンプ場、飲み水に変える浄水場、水をためる配水塔や配水池、そして各家庭へ水を届ける水道管。
その水道管の総延長は、約2,100km。八戸駅から鹿児島中央駅までの距離に匹敵します。この広大なネットワークを、技術職と事務職が連携して守り抜いています。
蛇口をひねれば、水が出る。その当たり前を守る仕事は、派手さはないかもしれません。けれど、地域になくてはならない仕事です。
技術職が約90名、事務職が約60名。平均年齢は41.7歳で、若手からベテランまでが「水の道」を守っています。専門性の高い職場だからこそ、職員同士の連携も深いのだといいます。
▶ 関連記事:「役所」とも「民間企業」とも違う、実は住民の生活を支える地方公共団体、八戸圏域水道企業団とは・・・?(インタビュー全文)

「私たち行政職は、彼らが円滑に業務を行えるよう、いわば『裏方』として病院全体を支える役割を担っています」(宇和島市病院局 清岡さん)
愛媛県の宇和島市病院局は、3つの病院と2つの介護老人保健施設を運営する、市役所から独立した組織です。ここで働く内田さんと清岡さんは、若手の行政事務職です。
病院の事務職と聞くと、窓口や会計を思い浮かべるかもしれません。けれど、そうした業務の多くは外部に委託されていて、行政職の主な仕事は病院運営に関わる事務全般。医療の専門知識が必ずしも必要なわけではありません。
内田さんは人間ドックや健康診断の契約手続き、国の施設基準の管理を担当。清岡さんは建物や設備の管理、病院経営の立案業務までを担っています。
病院ならではの仕事もあります。清岡さんは、県内外から患者を運ぶドクターヘリが安全に離発着できるよう支援することも。市役所ではなかなか経験できない仕事です。
印象に残っているのは、ナースコールシステムの更新だと清岡さんは振り返ります。2,000万円を超える大規模な契約で、無事にやり遂げたあと、専門的な質問が他部署から直接来るようになった。その変化に、自分の成長を感じたといいます。
市役所なら別々の部署が担当するような、建物の管理も契約も工事も、病院では一つの係で一貫して担当できる。だから幅広い知識と経験が身につく、と清岡さんは語ります。
医療職でなくとも、地域医療は支えられる。普段は見えない病院の「裏側」を間近で体感できるのも、ここで働く醍醐味です。
▶ 関連記事:未経験から地域医療を支える!病院で働く「行政事務」の仕事とは?(インタビュー全文)

「公務員だから決められた仕事を淡々とこなす、という職場ではない、ということです」(中東遠総合医療センター 増田さん)
静岡県の中東遠総合医療センターは、掛川市と袋井市が共同で設置した「病院企業団」が運営する総合病院です。企業団と聞くと民間のようですが、働く職員は地方公務員です。
500床の総合病院を、二つの市が手を組んで支える。その運営を担うのが病院企業団です。ここでも、名前の印象と実際の身分は違います。安定という土台の上で、若手が主役になれる環境が用意されている、と採用担当は語ります。
病院の事務職が携わる仕事は多岐にわたります。保険請求、診療情報管理、経営企画、人事、財務、情報システム、広報、医療機器の購入、医師採用。診療を支える現場の業務から、病院の将来を考える経営まで。
事務職は病院運営の土台を支えるだけでなく、病院の未来を描く役割も担っている。市役所の行政職と最も違うのは、医師や看護師など多様な専門職と日常的にチームを組む点だといいます。
採用で最も重視するのは、経歴や知識の多さではなく、一人ひとりの人柄と前向きな意欲。「地域医療を支えたい」という想いを持ち、自ら考えて行動できる人と働きたい、と二人は口を揃えます。
安定と挑戦、成長のどちらも諦めたくない。そんな人にとって、これ以上ない職場だと感じています。
▶ 関連記事:公務員の安定×若手の挑戦!中東遠総合医療センターで築く、自分らしい成長と地域医療への貢献(インタビュー全文)
本編で紹介した3組のほかにも、名前や立ち位置だけでは気づきにくい「公共を支える職場」があります。最後に、少し毛色の違う2つの組織を紹介します。

愛媛県の南予水道企業団は、南予地方の慢性的な水不足を解消するために設立された組織。
その中の「南予地方水道水質検査センター」では、須賀川ダムをはじめとする南予一帯の水源や水道水の水質を見守る、いわば「化学分析で水道水を守る」仕事を担っています。
電気、土木、設計、化学といった専門技術を持つ技術系公務員が、水というインフラを支えています。ここもまた、名前だけでは気づきにくい、公共を支える職場のひとつです。

そしてもう一つ、少し事情の違う組織があります。尼崎市職員厚生会は、尼崎市役所で働く約4,000人の職員の福利厚生を担う組織です。市役所の庁舎内にありながら、その正体は市役所とは別の一般財団法人。ここで働く職員は地方公務員ではなく、財団が独自に採用する職員です。
健康保険の手続きなどの共済業務に加え、人間ドックの受診補助やインフルエンザの予防接種助成、プロ野球の年間予約席の提供まで、職員の健康とリフレッシュを支えるメニューを企画・運営しています。市民のために働く職員を、さらに裏側から支える。
公務員そのものではありませんが、公共を回すために欠かせない仕事です。少人数だからこそ、良いアイデアがあればすぐに形にできるスピード感と裁量がある——それが、この職場ならではの魅力だといいます。
※本記事で紹介した各組織の採用・募集状況は、時期によって異なります。応募をご検討の際は、各組織の最新の募集情報をご確認ください。
水道の企業団、市から独立した病院局。今回訪ねた組織は、どれも「役所とは違う」場所にありました。そして、公務員ではないけれど市役所職員の暮らしを支える財団も、同じ公共を回す一員です。
知られていないだけで、公共の仕事の裾野は、思っているよりずっと広い。あなたの力を活かせる場所は、実はこういうところにあるかもしれません。




